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疑惑の仮面が踊るパレード
#1
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リモワの木々の葉が緑から黄や赤へ染まり、リモワに秋の訪れを告げています。
私は部屋に植えたオタネニンジンが育つ様を観察しています。
あの後すぐに根を水に漬けて蘇生を促し、根が伸び始めたものを室内の鉢植えに植え替えました。
寒冷な地域で育つ植物なので、鉢植えの近くに環境を整える道具を設置しております。
バタフライピーのお茶にレモンを加えながら、新聞に目を通します。
関税率低下の影響を告げる記事と今月末に迫ったマスカレードに関しての内容ばかりです。
広告欄も華やかな物が多く、中でも目を引くものがあります。
『カロージェロ衣料品店 マスカレード期間限定・貸衣装開始』
カーラ様とシオ様が先月末に話していたものでしょうか?
内容を見ると衣装を貸し出すだけでなく、髪型や着付けなども対応なさるとの事です。
思ったより大掛かりな内容になっていて、正直驚いています。
カーラ様のお店の衣装はデザインの種類も多く、高級店として知られています。
それを安価な値段で着ることができるのなら、かなり人気が出そうです。
私は新聞を閉じ、薬草問屋の店主様から頼まれたお茶に関して調べようと思います。
重曹に代わる塩基性の物……変化を使えば用意は簡単ですが、別の方法を考えたいです。
───────
「貸衣装、早速予約が埋まりつつあるのよ。今日ホンット忙しかったわ……」
「そうですね、朝からすごく混んでました」
「メル、今日はホント助かったわぁ」
「あのくらい年末の雑貨屋だと思えば全然大丈夫です!」
「今日オレも行ったすけど、明日だったら予約取れなかったかもっすね」
本日のモウカハナにはカーラ様、メル様、ハーロルト様の三名がご来店されています。
ハーロルト様は社交性がかなり高いとは思ってましたが、居合わせて一時間もしない内にあだ名で呼び合う程度に打ち解けております。
最後にお会いしてからかなり経ちますし色々あったはずですが、以前とそれほど変わった様子が見受けられません。
「姐さんとこ、オレも予約したっすよ。マスカレードの衣装なんて留学の荷物に入ってないから助かるっす!」
「良かったわぁ、アナタ達みたいなコのために始めたのよ!」
「仮面もお土産にいくつか買おうと思ってるんす」
「えぇ、そうしてちょうだい! リモワの特産品だしオススメよ」
「ルトさんはマスカレードで何着るか決めてるんですか?」
「迷うっすね、メル君は何着るんすか?」
「去年は店長にお任せにしたら吸血鬼になりました」
「かっこいいっすね、似合いそうっす!」
「かわいいって女の子から人気だったわね」
「店長の医者の方がすごかったですよ!」
ハーロルト様の様子は気になりますが、店内が明るい雰囲気に包まれているのは良い事かと思います。
「キーノスさんは?」
「今のところ予定はありません」
「えぇー、何かしましょうよ」
「そうよ! 着せるわよ!」
「ゾフと合わせましょうよ、予約しといたっす」
「あら、そうだったの?」
「一応オレ、今回の護衛の責任者なんでお疲れって意味で!」
「意外だわ、てっきりギュンター君かケータ君かと思ってたわ」
「コレでもオレが一番階級上なんすよね」
これは予想外な情報を聞いたように思います。
その立場で師匠に脅されたのだとしたら、帰国後に問題になりそうに思えます。
「でもなんでゾフィちゃんとキーノスの服合わせるの?」
「あぁ、それは」
これはあの話をされる流れかと思います。
「ハーロルト様、何かご注文なさいませんか?」
「え? いやいいっす。それでゾフが」
「ハーロルト様」
「なんすか?」
「あら、何かマズイ話?」
「告られたんすよ、キーノスさん」
「えっ」
「それをバッサリ振って帰ったんす。かっこ良かったっすねー!」
……止めることができませんでした。
「あらぁっ! キーノスそうなの?」
「ゾフィさんって、新聞にも載った美人さんですよね!」
「あれ、でも振っちゃったの?」
「凄かったっすよ、『予定があるんで』って、興味ナシ! って感じで」
「ちょっとそれは無神経すぎない?」
「いえ、そういうつもりではなく」
「ゾフは諦めてないんで、衣装合わせてデートでもしてやってほしいっす」
「いや、そのような事は」
「まずは謝りなさいよキーノス、女の子の告白は優しく断らないと」
「いえ、ですから」
「恋人同士って何が良いですかね?」
「そうね、ゾフィちゃんは魔女とか似合いそうよね」
お断りするしかありませんが、演習場での発言はそういった意図ではなかった事を説明させてくれません。
「キーノスはクラウンか魔術師かしらねぇ」
「クラウン! 似合いそうです!」
「どんなのなんすか? そのクラウンって」
「かっこいい感じのピエロって考えてくれれば良いわ」
「あぁ~なんか想像できたっす。確かに似合いそうっすね」
「でしょ! そうなるとゾフィちゃんは氷っぽい魔女が良いかも!」
「うーん、氷は嫌がると思うっす。雪とかはどうすか?」
「雪! 良いわね、それにしましょう!」
「僕、キーノスさんがクラウンやるならピエロやりたいです!」
「いいわよ、当日のために選んどくわ!」
私の事ですが、何か決まってしまったようです。
カーラ様の貸衣装の事業はかなり多種の衣装があるようですね。
「このまま話すのも楽しいけど、ワタシ明日も忙しいからそろそろ帰らなきゃ」
「僕もですね。最終日以外の予約はまだまだ空きはありますし」
「明日も頑張りましょうね!」
「はい!」
「え、帰っちゃうんすか?」
「今日はお客さん多かったから小さめに祝杯あげに来たのよ、予約埋まったらまた祝杯よ!」
「残念っす、また会えると良いっすね」
「ここに来れば会えますよ!」
カーラ様とメル様が揃ってお帰りになりました。
ハーロルト様は新しくラムのロックをご注文され、もう少しここに残るご様子です。
「ねぇ、キーノスさん」
「はい」
「オレ、今月で帰るんすよ」
「それは寂しくなりますね」
「こないだゾフとギュンターに会ったんでしょ?」
「お二人から聞きましたか」
「その時、シーラッハって名前聞いてますか?」
「聞いたかもしれません」
「オレ、ハーロルト・シーラッハって言うんす。今更だけどよろしく」
「それはご丁寧に自己紹介をありがとうございます」
留学が終わるこのタイミングでの自己紹介に何か作為的な物を感じます。
「ここ結構お客さん途切れないから、二人で話す機会なくて困ってたんすよ」
「そうでしたか」
「いやホントに。もっと早くこういう機会欲しかったんだけどね、オレ立場上あんまり自由ないんだよね」
「責任者だそうですね」
「そ、すぐオレに決まったんだけど、ゾフが志願してきちゃってねー。そうなると大体セットでギュンターも来るから堅苦しいったらなかったよ」
「真面目な方のようですね」
「暗部の奴ら連れてくるつもりがカタブツメガネと潔癖ねーちゃんになったもんだから、オレしか裏で動けなくてねー」
彼は少々口が軽すぎるように思ってましたが、以前と何か雰囲気が違います。
口調が砕けている印象はありましたが、それもどこか違う印象です。
「で、もう留学も終わっちゃうし。手っ取り早くやるしかないから本題話すよ」
「本題ですか」
「うん、アンタがネウゾロフの弟子だろ?」
「確かにネウゾロフ様はこちらへご来店される事もありますが、それだけです」
師匠は私に関して報告させる前に小隊をヴァローナに送ったはずです。
私が弟子という情報はどこで得たのでしょうか。
「アイツがリモワに来てからずっと見てて、唯一変なのがここに来たことでさ」
「一人になりたい時にご来店されるそうです」
「アンタがネウゾロフと接点のある術士なのは間違いないよ」
「術士などでは」
私が言い終わる前に、懐から小さな光る台座付きの宝石のような物を取り出します。
「これ、術士探すための道具。意味分かる?」
「……」
「今は一色だけど、さっきまで二色だったんだよね。もう一人はメル君だね」
いつから、それを持っていたのでしょうか。
考えられるのは、模擬戦後にマーゴ・フィオリトゥーラの資料を取り寄せた頃でしょうか。
「骨折しててよくあんな模擬戦やったね、あの時は騙されたよ」
「崖から落とされたのは事実です」
「そうみたいね。驚いたよ、あの高さから落ちて骨折だけって」
「運が良かったとしか」
「あの後からコレ使ってたんだけどさ、ココには来る暇ないし。反応見て回ってたらネウゾロフ、他でやっと反応したの今日の服屋。予想外すぎたわ」
得意げに石のついた台座を揺らしてみせます。
「メル君が店出た後尾行して、ここでコレ確認したら二色。アンタやっぱ術士じゃん」
彼が今日単独でご来店され、メル様やカーラ様と一緒だったのは偶然ではないようです。
「アンタかメル君、どっちが手品師かなんてすぐ分かるよね。明らかにアンタの方が警戒慣れしてるし、ビャンコさんやらネウゾロフと接点あるし」
もはや否定する方法が思いつきません。
「模擬戦だけ見てもオレはアンタにどうこう出来る気はしないけど、メル君ならちょうど良い材料だよね」
ーーパチンッ
私は指を鳴らし、彼の持つ道具の宝石部分を破壊しました。
「やってみろ、次は足だ」
「ハッ、それが本性か」
彼は私の正体に確信を持った上で、メル様を使って脅迫でもしてきているようです。
話を始める前に「留学が終わるから」と言うような事を言ってました。
彼も余裕がなくなってきているのでしょうけど、だからといって許せる事ではありません。
この後の出方次第では、手段を選ばないのは私の方かもしれません。
私は部屋に植えたオタネニンジンが育つ様を観察しています。
あの後すぐに根を水に漬けて蘇生を促し、根が伸び始めたものを室内の鉢植えに植え替えました。
寒冷な地域で育つ植物なので、鉢植えの近くに環境を整える道具を設置しております。
バタフライピーのお茶にレモンを加えながら、新聞に目を通します。
関税率低下の影響を告げる記事と今月末に迫ったマスカレードに関しての内容ばかりです。
広告欄も華やかな物が多く、中でも目を引くものがあります。
『カロージェロ衣料品店 マスカレード期間限定・貸衣装開始』
カーラ様とシオ様が先月末に話していたものでしょうか?
内容を見ると衣装を貸し出すだけでなく、髪型や着付けなども対応なさるとの事です。
思ったより大掛かりな内容になっていて、正直驚いています。
カーラ様のお店の衣装はデザインの種類も多く、高級店として知られています。
それを安価な値段で着ることができるのなら、かなり人気が出そうです。
私は新聞を閉じ、薬草問屋の店主様から頼まれたお茶に関して調べようと思います。
重曹に代わる塩基性の物……変化を使えば用意は簡単ですが、別の方法を考えたいです。
───────
「貸衣装、早速予約が埋まりつつあるのよ。今日ホンット忙しかったわ……」
「そうですね、朝からすごく混んでました」
「メル、今日はホント助かったわぁ」
「あのくらい年末の雑貨屋だと思えば全然大丈夫です!」
「今日オレも行ったすけど、明日だったら予約取れなかったかもっすね」
本日のモウカハナにはカーラ様、メル様、ハーロルト様の三名がご来店されています。
ハーロルト様は社交性がかなり高いとは思ってましたが、居合わせて一時間もしない内にあだ名で呼び合う程度に打ち解けております。
最後にお会いしてからかなり経ちますし色々あったはずですが、以前とそれほど変わった様子が見受けられません。
「姐さんとこ、オレも予約したっすよ。マスカレードの衣装なんて留学の荷物に入ってないから助かるっす!」
「良かったわぁ、アナタ達みたいなコのために始めたのよ!」
「仮面もお土産にいくつか買おうと思ってるんす」
「えぇ、そうしてちょうだい! リモワの特産品だしオススメよ」
「ルトさんはマスカレードで何着るか決めてるんですか?」
「迷うっすね、メル君は何着るんすか?」
「去年は店長にお任せにしたら吸血鬼になりました」
「かっこいいっすね、似合いそうっす!」
「かわいいって女の子から人気だったわね」
「店長の医者の方がすごかったですよ!」
ハーロルト様の様子は気になりますが、店内が明るい雰囲気に包まれているのは良い事かと思います。
「キーノスさんは?」
「今のところ予定はありません」
「えぇー、何かしましょうよ」
「そうよ! 着せるわよ!」
「ゾフと合わせましょうよ、予約しといたっす」
「あら、そうだったの?」
「一応オレ、今回の護衛の責任者なんでお疲れって意味で!」
「意外だわ、てっきりギュンター君かケータ君かと思ってたわ」
「コレでもオレが一番階級上なんすよね」
これは予想外な情報を聞いたように思います。
その立場で師匠に脅されたのだとしたら、帰国後に問題になりそうに思えます。
「でもなんでゾフィちゃんとキーノスの服合わせるの?」
「あぁ、それは」
これはあの話をされる流れかと思います。
「ハーロルト様、何かご注文なさいませんか?」
「え? いやいいっす。それでゾフが」
「ハーロルト様」
「なんすか?」
「あら、何かマズイ話?」
「告られたんすよ、キーノスさん」
「えっ」
「それをバッサリ振って帰ったんす。かっこ良かったっすねー!」
……止めることができませんでした。
「あらぁっ! キーノスそうなの?」
「ゾフィさんって、新聞にも載った美人さんですよね!」
「あれ、でも振っちゃったの?」
「凄かったっすよ、『予定があるんで』って、興味ナシ! って感じで」
「ちょっとそれは無神経すぎない?」
「いえ、そういうつもりではなく」
「ゾフは諦めてないんで、衣装合わせてデートでもしてやってほしいっす」
「いや、そのような事は」
「まずは謝りなさいよキーノス、女の子の告白は優しく断らないと」
「いえ、ですから」
「恋人同士って何が良いですかね?」
「そうね、ゾフィちゃんは魔女とか似合いそうよね」
お断りするしかありませんが、演習場での発言はそういった意図ではなかった事を説明させてくれません。
「キーノスはクラウンか魔術師かしらねぇ」
「クラウン! 似合いそうです!」
「どんなのなんすか? そのクラウンって」
「かっこいい感じのピエロって考えてくれれば良いわ」
「あぁ~なんか想像できたっす。確かに似合いそうっすね」
「でしょ! そうなるとゾフィちゃんは氷っぽい魔女が良いかも!」
「うーん、氷は嫌がると思うっす。雪とかはどうすか?」
「雪! 良いわね、それにしましょう!」
「僕、キーノスさんがクラウンやるならピエロやりたいです!」
「いいわよ、当日のために選んどくわ!」
私の事ですが、何か決まってしまったようです。
カーラ様の貸衣装の事業はかなり多種の衣装があるようですね。
「このまま話すのも楽しいけど、ワタシ明日も忙しいからそろそろ帰らなきゃ」
「僕もですね。最終日以外の予約はまだまだ空きはありますし」
「明日も頑張りましょうね!」
「はい!」
「え、帰っちゃうんすか?」
「今日はお客さん多かったから小さめに祝杯あげに来たのよ、予約埋まったらまた祝杯よ!」
「残念っす、また会えると良いっすね」
「ここに来れば会えますよ!」
カーラ様とメル様が揃ってお帰りになりました。
ハーロルト様は新しくラムのロックをご注文され、もう少しここに残るご様子です。
「ねぇ、キーノスさん」
「はい」
「オレ、今月で帰るんすよ」
「それは寂しくなりますね」
「こないだゾフとギュンターに会ったんでしょ?」
「お二人から聞きましたか」
「その時、シーラッハって名前聞いてますか?」
「聞いたかもしれません」
「オレ、ハーロルト・シーラッハって言うんす。今更だけどよろしく」
「それはご丁寧に自己紹介をありがとうございます」
留学が終わるこのタイミングでの自己紹介に何か作為的な物を感じます。
「ここ結構お客さん途切れないから、二人で話す機会なくて困ってたんすよ」
「そうでしたか」
「いやホントに。もっと早くこういう機会欲しかったんだけどね、オレ立場上あんまり自由ないんだよね」
「責任者だそうですね」
「そ、すぐオレに決まったんだけど、ゾフが志願してきちゃってねー。そうなると大体セットでギュンターも来るから堅苦しいったらなかったよ」
「真面目な方のようですね」
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彼は少々口が軽すぎるように思ってましたが、以前と何か雰囲気が違います。
口調が砕けている印象はありましたが、それもどこか違う印象です。
「で、もう留学も終わっちゃうし。手っ取り早くやるしかないから本題話すよ」
「本題ですか」
「うん、アンタがネウゾロフの弟子だろ?」
「確かにネウゾロフ様はこちらへご来店される事もありますが、それだけです」
師匠は私に関して報告させる前に小隊をヴァローナに送ったはずです。
私が弟子という情報はどこで得たのでしょうか。
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「術士などでは」
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「これ、術士探すための道具。意味分かる?」
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「今は一色だけど、さっきまで二色だったんだよね。もう一人はメル君だね」
いつから、それを持っていたのでしょうか。
考えられるのは、模擬戦後にマーゴ・フィオリトゥーラの資料を取り寄せた頃でしょうか。
「骨折しててよくあんな模擬戦やったね、あの時は騙されたよ」
「崖から落とされたのは事実です」
「そうみたいね。驚いたよ、あの高さから落ちて骨折だけって」
「運が良かったとしか」
「あの後からコレ使ってたんだけどさ、ココには来る暇ないし。反応見て回ってたらネウゾロフ、他でやっと反応したの今日の服屋。予想外すぎたわ」
得意げに石のついた台座を揺らしてみせます。
「メル君が店出た後尾行して、ここでコレ確認したら二色。アンタやっぱ術士じゃん」
彼が今日単独でご来店され、メル様やカーラ様と一緒だったのは偶然ではないようです。
「アンタかメル君、どっちが手品師かなんてすぐ分かるよね。明らかにアンタの方が警戒慣れしてるし、ビャンコさんやらネウゾロフと接点あるし」
もはや否定する方法が思いつきません。
「模擬戦だけ見てもオレはアンタにどうこう出来る気はしないけど、メル君ならちょうど良い材料だよね」
ーーパチンッ
私は指を鳴らし、彼の持つ道具の宝石部分を破壊しました。
「やってみろ、次は足だ」
「ハッ、それが本性か」
彼は私の正体に確信を持った上で、メル様を使って脅迫でもしてきているようです。
話を始める前に「留学が終わるから」と言うような事を言ってました。
彼も余裕がなくなってきているのでしょうけど、だからといって許せる事ではありません。
この後の出方次第では、手段を選ばないのは私の方かもしれません。
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