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花を愛する残暑の雷鳴
#9
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マスカレードの話で盛り上がっているモウカハナに、ミケーノ様がご来店されました。
手には少し大きめの紙袋をお持ちです。
中から甘いニオイがしています。
「よぉ、今日は誰かいると思ってたぞ!」
「いらっしゃいませ、ミケーノ様」
「早速だが、今日はシャンパーニュをくれ」
「かしこまりました」
お店に入ってすぐ席にお座りになる前にご注文をいただきました。
取り急ぎタオルをお渡しし、シャンパーニュのグラスを棚から取り出します。
「こんばんはミケーノ。関税率が下がるのを聞いて、ちょうど再来月のマスカレードの話をしてました」
「そうだろうな、オレもその話ができると踏んで来たからな!」
「その袋、チョコのニオイしてるけど……」
「気付いたか? こいつの感想を聞きたくてな」
グラスにシャンパーニュを注ぎ、ミケーノ様に差し出します。
それと同じタイミングでミケーノ様が紙袋から箱を取り出し、蓋を開けます。
中には棒状の物がいくつか入っていて、ふわりとチョコレートの甘い香りが広がります。
「今度の屋台で出してみようかと思ってな。オレんとこはいつも飯ばっかだからこういうのも悪くねぇと思ってよ」
「なにこれ、すごくいいニオイね!」
「硬めに焼いたパンかクッキーにドライフルーツとナッツを混ぜたチョコレートをかけたもんだ。いくつか種類作ってみたから試食して感想聞かせてくれねぇか?」
「これ、マルモワのチョコレートですか?」
「今は違うけど使いたいのはマルモワのだな。あそこは素材の意味でのチョコレートも有名でな、オランディのと違って純度が高くて使いやすいんだ」
「へぇ~、苦いイメージがあったのよね」
「あんまりバターとか砂糖を足さないからあっちでは。質と香りが良くて、それを楽しむのがマルモワ流なんだとよ」
「こっちだと女の子向けのプレゼントの定番よね」
「そうですね、今日ミケーノが持ってきたものもそういう物に見えますが」
「クッキーの方はそうだな、パンの方は調整予定だ。キーノス、悪いが皿出してくれねぇか?」
「かしこまりました」
中に入っていたお菓子を置くためのものでしょう、大きさから考えて三十センチほどの物を持っていきましょう。
「食感が良いですね、しかも持ちやすいので屋台の料理に合ってます」
「そうね! クッキーの方も良いけど、もう少し小さい方がいいわ。色んな種類食べられる方が好きだからだけど」
「参考になるな、キーノスはどうだ?」
ミケーノ様は私にもいくつか分けてくださいました。
カウンターの中にいてこういったものを受け取るのは初めての経験です。
「美味しいと思います」
「モウカハナのバリスタから見た意見が聞きたいな」
「当店としてのですか?」
「あぁ! 酒を出す店から見た時の改善点なんかあるとありがてぇな」
改善点など畏れ多い気がしますが……
「お酒と合わせる前提で考えるなら、マルモワ産のチョコレートを材料にして甘さを抑えた方が好まれるかもしれませんね」
「おー流石分かってんな」
「屋台は幼いお客様も多いと思いますので、商品にするなら今の物のままでも充分好まれると思います」
「他には?」
「他……カーラ様とシオ様と同じですね。持ちやすくされているのはとても良いですし、クッキーの物は棒状の物でも良いかと思います」
「なるほどな、まだ二ヶ月あるし考えてみるわ!」
分けていただいた上に意見を言うなど……と思いましたが、先程のミケーノ様のお話と合わせて考えた正直な内容です。
「ホントキーノスは料理の事ならよく喋るわね」
「別荘でもミケーノの料理ずっと食べててしばらく話に入ってこなかったりしましたね」
「帰りなんか話しかけてきたと思ったらマリネのレシピ聞いてきたもんな」
「レシピの件は本当にありがとうございます、あれから自宅でよく作っております」
「それは良かった! 簡単だろ、あれ」
「はい。追加の一品にしております」
昼食はパンにする事が多く、最近はマリネと一緒に食べる事が多いです。
「あのマリネは美味しかったですしね、他の料理も美味しかったですけど」
「そういやシオ、別荘の事件ってあの後何か分かったか?」
「えっ事件って何? なんかあったの?」
「カーラは別荘に幽霊が出る話をしてすぐ断ったので、続きを言ってませんでしたね」
「続きって、まだなんかあったの?」
「まぁ、オレもあんな事になるとは思わなかったがなぁ」
シオ様とミケーノ様が別荘であった事件の証拠品の説明なさいます。
加えてシオ様は先日私に説明して下さった調査内容も合わせてお二人に説明なさいます。
カーラ様は途中怖い話かと危惧して顔色が悪くなったものの、失踪した女性が戻ってきた話を聞いた時に目頭を抑えて首を振りました。
「『花のラウロ』でしょ、その娼館の名前」
「はい、さっきカーラから名前が出て驚きました」
「やっとアイツの話から離れたと思ったのに……」
「これ以上はありませんよ」
「……あっ! お前兄貴いんだろ!」
「何よ、見たの?」
「見た見た、どっかで見たと思ったらお前か! 髪型と服以外はそっくりだな!」
「何したのよアイツ」
「派手な長身のオッサンと、女連れで飯食い来てたぞ」
「派手な長身?」
「二メートルとは言わねえけど、入口で頭下げて入ってて。しかも服が黄色で紫でと、とにかく目立っててな」
先程感じた不穏な空気は、どうやら間違いではなさそうです。
「ミケーノが見たその二メートルの男ってどんなヤツ? 多分ワタシそいつの衣装作んなきゃならないのよ」
「ん? そうだな……」
ミケーノ様が師匠の特徴を説明なさいました。
「なるほどねぇ、兄貴の友達ってのも納得だわ」
「カーラに頼まれた二人目の衣装は彼のための物でしょうね」
「ワタシもそう思うわ、身長しかヒント貰えなかったから助かったわ」
「お前も大変だな……」
「慣れたわ流石に」
カーラ様はモロキュウを一切れ口にし、短くため息をつきます。
「よし、じゃあその派手な長身のオジサマの衣装考えましょ! 兄貴の考えなきゃって思って憂鬱だったけど、二メートルの長身なら良いモデルよねきっと!」
「そうだな、見栄えはすごいぞ」
「長身なら死神なんか良いんじゃないですか?」
「うーん、兄貴が去年死神だったのよねぇ。悔しいけどすごく似合ってたわ」
師匠は確かに見栄えは良いです。
それに金払いが良いだけではなく、仕草や言動に微弱な魅了を乗せるので女性からかなり人気があります。
「キーノスのなら色々思いつくのよねぇ」
「どんなんだ?」
「さっき断られたけど、手品師とか」
「……あー、他のが良いんじゃねぇか?」
「何よミケーノまで」
「あと悪魔と狼男も似合いそうですが、私達と同じになってしまいますね」
「写真とかないの? 見てみたいわ!」
「家に帰ればありますよ。それに最終日に同じものを着ますので、会えばそこで見れると思いますし」
「ミケーノも同じの着るの?」
「そのつもりだな、年に一回しか着ねぇからもったいねぇし」
「ふぅん、それこそもったいないわね。アナタたちなら色々似合いそうなのに」
皆様はそれぞれマスカレード用の衣装をお持ちのようですね。
私は舞台衣装となると例の手品師の物のみですが、あれを着るには犠牲になるものが大きすぎます。
話をしながら、カーラ様が何かを思いついたように顔を上げます。
「そうだわ、お祭の間どこかで集まりましょうよ! 最終日に会うのは難しいかもしれないけど!」
「悪くねぇけど、同じ服二回着るのはなぁ……」
「最終日のワタシが用意するならどう? 貸し出しだけど」
「良いのかそれ?」
「マルモワの留学生来たじゃない? ケータ君が色々悩んでるの見て思いついたんだけど……マスカレードの期間だけでも普通のお客向けに舞台衣装の貸し出しやろうかと思って」
「それは良いですね、ちょっと詳しく教えてください」
シオ様が目を輝かせて話に食いつきました。
そのままカーラ様とシオ様はカーラ様のアイデアに関して相談を始めました。
これは過去にガマノツラの相談をしていた時と同じご様子です。
お二人がやり取りに集中し始めてから、ミケーノ様がシャンパーニュを飲み干し、私の方へ空いたグラスを差し出します。
「今日は試食でチョコのもんばっか食ったからなぁ……口直しになんか甘くない酒か酸っぱい果物が欲しいんだが、なんかあるか?」
「本日は秋の果実を市場でいくつか入手して参りまして、良いレモンも購入できたので調理場で砂糖漬けを作っております」
「お、良さそうだなそれ! 甘くないんだろ、ここのなら」
「そうですね、レモンの風味が強くなるように調整しております」
この後レモンの砂糖漬けの他に果物を一緒にお出ししました。
私とミケーノ様が果物に関して話している間、カーラ様とシオ様が貸衣装に関して具体的な話を進めております。
最近師匠の件や別荘の件など日常から離れた出来事が多かったですが、ようやく私の日常が戻ってきたように思えました。
手には少し大きめの紙袋をお持ちです。
中から甘いニオイがしています。
「よぉ、今日は誰かいると思ってたぞ!」
「いらっしゃいませ、ミケーノ様」
「早速だが、今日はシャンパーニュをくれ」
「かしこまりました」
お店に入ってすぐ席にお座りになる前にご注文をいただきました。
取り急ぎタオルをお渡しし、シャンパーニュのグラスを棚から取り出します。
「こんばんはミケーノ。関税率が下がるのを聞いて、ちょうど再来月のマスカレードの話をしてました」
「そうだろうな、オレもその話ができると踏んで来たからな!」
「その袋、チョコのニオイしてるけど……」
「気付いたか? こいつの感想を聞きたくてな」
グラスにシャンパーニュを注ぎ、ミケーノ様に差し出します。
それと同じタイミングでミケーノ様が紙袋から箱を取り出し、蓋を開けます。
中には棒状の物がいくつか入っていて、ふわりとチョコレートの甘い香りが広がります。
「今度の屋台で出してみようかと思ってな。オレんとこはいつも飯ばっかだからこういうのも悪くねぇと思ってよ」
「なにこれ、すごくいいニオイね!」
「硬めに焼いたパンかクッキーにドライフルーツとナッツを混ぜたチョコレートをかけたもんだ。いくつか種類作ってみたから試食して感想聞かせてくれねぇか?」
「これ、マルモワのチョコレートですか?」
「今は違うけど使いたいのはマルモワのだな。あそこは素材の意味でのチョコレートも有名でな、オランディのと違って純度が高くて使いやすいんだ」
「へぇ~、苦いイメージがあったのよね」
「あんまりバターとか砂糖を足さないからあっちでは。質と香りが良くて、それを楽しむのがマルモワ流なんだとよ」
「こっちだと女の子向けのプレゼントの定番よね」
「そうですね、今日ミケーノが持ってきたものもそういう物に見えますが」
「クッキーの方はそうだな、パンの方は調整予定だ。キーノス、悪いが皿出してくれねぇか?」
「かしこまりました」
中に入っていたお菓子を置くためのものでしょう、大きさから考えて三十センチほどの物を持っていきましょう。
「食感が良いですね、しかも持ちやすいので屋台の料理に合ってます」
「そうね! クッキーの方も良いけど、もう少し小さい方がいいわ。色んな種類食べられる方が好きだからだけど」
「参考になるな、キーノスはどうだ?」
ミケーノ様は私にもいくつか分けてくださいました。
カウンターの中にいてこういったものを受け取るのは初めての経験です。
「美味しいと思います」
「モウカハナのバリスタから見た意見が聞きたいな」
「当店としてのですか?」
「あぁ! 酒を出す店から見た時の改善点なんかあるとありがてぇな」
改善点など畏れ多い気がしますが……
「お酒と合わせる前提で考えるなら、マルモワ産のチョコレートを材料にして甘さを抑えた方が好まれるかもしれませんね」
「おー流石分かってんな」
「屋台は幼いお客様も多いと思いますので、商品にするなら今の物のままでも充分好まれると思います」
「他には?」
「他……カーラ様とシオ様と同じですね。持ちやすくされているのはとても良いですし、クッキーの物は棒状の物でも良いかと思います」
「なるほどな、まだ二ヶ月あるし考えてみるわ!」
分けていただいた上に意見を言うなど……と思いましたが、先程のミケーノ様のお話と合わせて考えた正直な内容です。
「ホントキーノスは料理の事ならよく喋るわね」
「別荘でもミケーノの料理ずっと食べててしばらく話に入ってこなかったりしましたね」
「帰りなんか話しかけてきたと思ったらマリネのレシピ聞いてきたもんな」
「レシピの件は本当にありがとうございます、あれから自宅でよく作っております」
「それは良かった! 簡単だろ、あれ」
「はい。追加の一品にしております」
昼食はパンにする事が多く、最近はマリネと一緒に食べる事が多いです。
「あのマリネは美味しかったですしね、他の料理も美味しかったですけど」
「そういやシオ、別荘の事件ってあの後何か分かったか?」
「えっ事件って何? なんかあったの?」
「カーラは別荘に幽霊が出る話をしてすぐ断ったので、続きを言ってませんでしたね」
「続きって、まだなんかあったの?」
「まぁ、オレもあんな事になるとは思わなかったがなぁ」
シオ様とミケーノ様が別荘であった事件の証拠品の説明なさいます。
加えてシオ様は先日私に説明して下さった調査内容も合わせてお二人に説明なさいます。
カーラ様は途中怖い話かと危惧して顔色が悪くなったものの、失踪した女性が戻ってきた話を聞いた時に目頭を抑えて首を振りました。
「『花のラウロ』でしょ、その娼館の名前」
「はい、さっきカーラから名前が出て驚きました」
「やっとアイツの話から離れたと思ったのに……」
「これ以上はありませんよ」
「……あっ! お前兄貴いんだろ!」
「何よ、見たの?」
「見た見た、どっかで見たと思ったらお前か! 髪型と服以外はそっくりだな!」
「何したのよアイツ」
「派手な長身のオッサンと、女連れで飯食い来てたぞ」
「派手な長身?」
「二メートルとは言わねえけど、入口で頭下げて入ってて。しかも服が黄色で紫でと、とにかく目立っててな」
先程感じた不穏な空気は、どうやら間違いではなさそうです。
「ミケーノが見たその二メートルの男ってどんなヤツ? 多分ワタシそいつの衣装作んなきゃならないのよ」
「ん? そうだな……」
ミケーノ様が師匠の特徴を説明なさいました。
「なるほどねぇ、兄貴の友達ってのも納得だわ」
「カーラに頼まれた二人目の衣装は彼のための物でしょうね」
「ワタシもそう思うわ、身長しかヒント貰えなかったから助かったわ」
「お前も大変だな……」
「慣れたわ流石に」
カーラ様はモロキュウを一切れ口にし、短くため息をつきます。
「よし、じゃあその派手な長身のオジサマの衣装考えましょ! 兄貴の考えなきゃって思って憂鬱だったけど、二メートルの長身なら良いモデルよねきっと!」
「そうだな、見栄えはすごいぞ」
「長身なら死神なんか良いんじゃないですか?」
「うーん、兄貴が去年死神だったのよねぇ。悔しいけどすごく似合ってたわ」
師匠は確かに見栄えは良いです。
それに金払いが良いだけではなく、仕草や言動に微弱な魅了を乗せるので女性からかなり人気があります。
「キーノスのなら色々思いつくのよねぇ」
「どんなんだ?」
「さっき断られたけど、手品師とか」
「……あー、他のが良いんじゃねぇか?」
「何よミケーノまで」
「あと悪魔と狼男も似合いそうですが、私達と同じになってしまいますね」
「写真とかないの? 見てみたいわ!」
「家に帰ればありますよ。それに最終日に同じものを着ますので、会えばそこで見れると思いますし」
「ミケーノも同じの着るの?」
「そのつもりだな、年に一回しか着ねぇからもったいねぇし」
「ふぅん、それこそもったいないわね。アナタたちなら色々似合いそうなのに」
皆様はそれぞれマスカレード用の衣装をお持ちのようですね。
私は舞台衣装となると例の手品師の物のみですが、あれを着るには犠牲になるものが大きすぎます。
話をしながら、カーラ様が何かを思いついたように顔を上げます。
「そうだわ、お祭の間どこかで集まりましょうよ! 最終日に会うのは難しいかもしれないけど!」
「悪くねぇけど、同じ服二回着るのはなぁ……」
「最終日のワタシが用意するならどう? 貸し出しだけど」
「良いのかそれ?」
「マルモワの留学生来たじゃない? ケータ君が色々悩んでるの見て思いついたんだけど……マスカレードの期間だけでも普通のお客向けに舞台衣装の貸し出しやろうかと思って」
「それは良いですね、ちょっと詳しく教えてください」
シオ様が目を輝かせて話に食いつきました。
そのままカーラ様とシオ様はカーラ様のアイデアに関して相談を始めました。
これは過去にガマノツラの相談をしていた時と同じご様子です。
お二人がやり取りに集中し始めてから、ミケーノ様がシャンパーニュを飲み干し、私の方へ空いたグラスを差し出します。
「今日は試食でチョコのもんばっか食ったからなぁ……口直しになんか甘くない酒か酸っぱい果物が欲しいんだが、なんかあるか?」
「本日は秋の果実を市場でいくつか入手して参りまして、良いレモンも購入できたので調理場で砂糖漬けを作っております」
「お、良さそうだなそれ! 甘くないんだろ、ここのなら」
「そうですね、レモンの風味が強くなるように調整しております」
この後レモンの砂糖漬けの他に果物を一緒にお出ししました。
私とミケーノ様が果物に関して話している間、カーラ様とシオ様が貸衣装に関して具体的な話を進めております。
最近師匠の件や別荘の件など日常から離れた出来事が多かったですが、ようやく私の日常が戻ってきたように思えました。
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