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私に投票してください! 生徒会長選挙バトル9
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「では、私がジャッジしよう」
「誰ですの!?」
突然体育館の中から誰かの声が聞こえてきました。
けど、体育館の中には誰もいないような…………?
ちなみに今、体育館にあるのは無駄に大きい投票箱くらいです。
…………あれ? 大きい投票箱?
「箱の中からこんにちわ!」
突然箱の中から誰かが飛び出して来ました。
「あ、あなたはっ!?」
「私がジャッジを引き受けて構わないかね?」
なんと箱の中には、神出鬼没のジャッジマン杉田さんが入っていたのでした。
「麗華さん。他のジャッジが用意出来たら、こっちがジャッジを決めていいんですよね?」
「ぐぬぬ、ちょこざいな。――――――まあいいですわ。わたくしに二言はありません」
「では勝負です!」
今まで何度も公平なジャッジをしてくれた杉田さんなら、安心して戦う事が出来ます。
さあ、私が会長になるまで後1人。
こうなったら絶対に負けられません!
「では、対戦するゲームを選んでくれまたえ」
「わかりました。それでは―――――」
「お待ちになって!」
私が自分に有利なゲームを先に宣言しようと思ってたのに、麗華さんにちょっと待ったコールをされてしまいました。
「桜さん。ゲーム選びはランダムにしませんこと?」
「…………ランダムですか?」
「ええ。ゲーム選びは天運に任せたほうが、天から2物を授かったわたくしにふさわしいでしょう?」
言ってる意味はよくわかりませんが、あまりゴネて今の流れを止めるのも良くない気がします。
だったら麗華さんの言ったとおりランダムにして、連勝の勢いがあるうちにやっつけた方がいいはずっ!
「わかりました。杉田さんランダムでお願いします」
「よろしい。ではルーレットスタートッ!」
杉田さんの合図と共に画面に様々なゲームのタイトルが代わる代わる表示されていき、10秒くらい経ってから次第に表示がゆっくりになっていきました。
――――そして、画面が完全に止まり選ばれたゲームは。
「ゲーム決定! 今回やるのは。止まったら駄目よ!生き残りサバイバルゲームっ」
うぐっ。
よりにもよって、あまり得意じゃないゲームが選ばれちゃいました。
「それではゲームスタートッ!」
心の準備が出来ないまま強制的にゲームが開始され、私達はバイザーを装着して意識をバーチャル空間の中へと溶け込ませていきました。
そして次に私が目を開くと、200メートルくらいありそうな高さの場所に立っていたのでした。
下を見ると、乗っただけで下に落下しそうなパネルが大量に宙に浮かんでいます。
このゲームは例えるなら落とし合いでしょうか。
1回乗ったら崩れてしまう足場の上で、どっちが最後まで一番下に落下しないでいられるかのサバイバルゲーム。
ちなみに足場は4つの階層になっていて、1回落下してしまっても1つ下の階層に行くだけなので、3回までは落下しても大丈夫な感じです。
それと武器などは無いので、直接攻撃みたいな事は出来ないようになってます。
――――といった感じでゲームの説明をしている間にゲーム開始のカウントダウンが始まっちゃいました。
3、2,1――――――――GO!
「とおっ!」
私は初期位置の1マスのパネルから水泳の飛び込みをするような形で最初のマップにダイブ!
これで普通に落下してくる麗華さんよりほんのちょっとだけ早く降りる事が出来ました。
けど、このほんのちょっとの時間がかなり重要だったりします。
なぜならこの数秒間だけ早く行動出来る事で、自分の有利な足場を作れるのですから。
一足先に降りた私は麗華さんが降りる予定の場所の方へと向かっていき、足場を荒らしてきました。
「ちょっと桜さん。わたくしの陣地に勝手に入らないでくださる?」
「このゲームに決まった陣地とかは無いです。というかむしろ全部私の陣地まであります!」
麗華さんの開始地点付近の足場を一気に落として、そのまま1つ下の階層に叩き落とす戦法を取ったのですが、思いの外冷静に対処され上手い具合にかわされてしまいました。
私が走り回ったせいでちょっと足場が少なくなってきたので、とりあえず後ろに後退する事にしようとしたら―――――。
「あの。ついて来ないで欲しいのですが…………」
「おーっほっほっほ。桜さんの陣地に進軍ですわ!」
「だから陣地とか無いんですって!」
2人で同じ場所に固まっている事で、床が落下する数も倍のスピードで減っていってます。
一応遠くに結構な数の足場が残っている場所があるのですが、ジャンプしても辿り着く事が出来ないくらいの距離に離れてしまっているので、もうあそこに行くのは無理そうですね。
このままでは落ちてしまうのも時間の問題。
そういえば麗華さんの様子は………………。
「あれ? いない?」
いつの間にか後ろにいたと思ってた麗華さんの姿が消えちゃってました。
とりあえず落ちてしまわないように気を付けながら下の階層を確認してみると、悔しそうに飛び跳ねている麗華さんの姿が。
…………どうやら先に落ちちゃったみたいですね。
私の後ろにピッタリ付いてきていたので、私が1回踏んで落ち始めたパネルを誤って踏んでしまったのかもしれません。
「誰ですの!?」
突然体育館の中から誰かの声が聞こえてきました。
けど、体育館の中には誰もいないような…………?
ちなみに今、体育館にあるのは無駄に大きい投票箱くらいです。
…………あれ? 大きい投票箱?
「箱の中からこんにちわ!」
突然箱の中から誰かが飛び出して来ました。
「あ、あなたはっ!?」
「私がジャッジを引き受けて構わないかね?」
なんと箱の中には、神出鬼没のジャッジマン杉田さんが入っていたのでした。
「麗華さん。他のジャッジが用意出来たら、こっちがジャッジを決めていいんですよね?」
「ぐぬぬ、ちょこざいな。――――――まあいいですわ。わたくしに二言はありません」
「では勝負です!」
今まで何度も公平なジャッジをしてくれた杉田さんなら、安心して戦う事が出来ます。
さあ、私が会長になるまで後1人。
こうなったら絶対に負けられません!
「では、対戦するゲームを選んでくれまたえ」
「わかりました。それでは―――――」
「お待ちになって!」
私が自分に有利なゲームを先に宣言しようと思ってたのに、麗華さんにちょっと待ったコールをされてしまいました。
「桜さん。ゲーム選びはランダムにしませんこと?」
「…………ランダムですか?」
「ええ。ゲーム選びは天運に任せたほうが、天から2物を授かったわたくしにふさわしいでしょう?」
言ってる意味はよくわかりませんが、あまりゴネて今の流れを止めるのも良くない気がします。
だったら麗華さんの言ったとおりランダムにして、連勝の勢いがあるうちにやっつけた方がいいはずっ!
「わかりました。杉田さんランダムでお願いします」
「よろしい。ではルーレットスタートッ!」
杉田さんの合図と共に画面に様々なゲームのタイトルが代わる代わる表示されていき、10秒くらい経ってから次第に表示がゆっくりになっていきました。
――――そして、画面が完全に止まり選ばれたゲームは。
「ゲーム決定! 今回やるのは。止まったら駄目よ!生き残りサバイバルゲームっ」
うぐっ。
よりにもよって、あまり得意じゃないゲームが選ばれちゃいました。
「それではゲームスタートッ!」
心の準備が出来ないまま強制的にゲームが開始され、私達はバイザーを装着して意識をバーチャル空間の中へと溶け込ませていきました。
そして次に私が目を開くと、200メートルくらいありそうな高さの場所に立っていたのでした。
下を見ると、乗っただけで下に落下しそうなパネルが大量に宙に浮かんでいます。
このゲームは例えるなら落とし合いでしょうか。
1回乗ったら崩れてしまう足場の上で、どっちが最後まで一番下に落下しないでいられるかのサバイバルゲーム。
ちなみに足場は4つの階層になっていて、1回落下してしまっても1つ下の階層に行くだけなので、3回までは落下しても大丈夫な感じです。
それと武器などは無いので、直接攻撃みたいな事は出来ないようになってます。
――――といった感じでゲームの説明をしている間にゲーム開始のカウントダウンが始まっちゃいました。
3、2,1――――――――GO!
「とおっ!」
私は初期位置の1マスのパネルから水泳の飛び込みをするような形で最初のマップにダイブ!
これで普通に落下してくる麗華さんよりほんのちょっとだけ早く降りる事が出来ました。
けど、このほんのちょっとの時間がかなり重要だったりします。
なぜならこの数秒間だけ早く行動出来る事で、自分の有利な足場を作れるのですから。
一足先に降りた私は麗華さんが降りる予定の場所の方へと向かっていき、足場を荒らしてきました。
「ちょっと桜さん。わたくしの陣地に勝手に入らないでくださる?」
「このゲームに決まった陣地とかは無いです。というかむしろ全部私の陣地まであります!」
麗華さんの開始地点付近の足場を一気に落として、そのまま1つ下の階層に叩き落とす戦法を取ったのですが、思いの外冷静に対処され上手い具合にかわされてしまいました。
私が走り回ったせいでちょっと足場が少なくなってきたので、とりあえず後ろに後退する事にしようとしたら―――――。
「あの。ついて来ないで欲しいのですが…………」
「おーっほっほっほ。桜さんの陣地に進軍ですわ!」
「だから陣地とか無いんですって!」
2人で同じ場所に固まっている事で、床が落下する数も倍のスピードで減っていってます。
一応遠くに結構な数の足場が残っている場所があるのですが、ジャンプしても辿り着く事が出来ないくらいの距離に離れてしまっているので、もうあそこに行くのは無理そうですね。
このままでは落ちてしまうのも時間の問題。
そういえば麗華さんの様子は………………。
「あれ? いない?」
いつの間にか後ろにいたと思ってた麗華さんの姿が消えちゃってました。
とりあえず落ちてしまわないように気を付けながら下の階層を確認してみると、悔しそうに飛び跳ねている麗華さんの姿が。
…………どうやら先に落ちちゃったみたいですね。
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