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きのこVSタケノコ 頂上決戦2
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公園に到着してベンチに座った私達は喉が乾いたので、ジュースを飲むことにしました。
「ごくっ……ごくっ…………ぷは~。やっぱエナモンは最高だよ~」
「後はタケノコの村があれば最高でしたのに……」
まあ今回はジュースだけにして、タケノコは次回のお楽しみにしておきますか。
それに、お店が駄目なら通販で頼めばいいですしね。
私は大手通販会社のユニゾンで注文する事にしました。
「シャンティ。ユニゾンでタケノコの村を2個注文してもらえますか?」
「オッケー………………あれ? 注文出来ない!?」
「……………え!?」
またもや嫌な予感がします。
「シャンティ。注文画面を出してください」
「うん。じゃあ出力するね」
私達の座っているベンチの前にホログラフのモニターが表示されました。
私はタッチ操作でタケノコの村を検索すると、そこには該当無しとの表示が出てきました。
「タ、タケノコの村が全て無くなってます!?」
――――そう、全て無くなっている。
売り切れでは無く、大手通販サイトから存在が消えていたのです。
「桜ちゃん、これっ!?」
望さんは気になるニュースを見つけたみたいで、指を弾いて画面をこっちに飛ばして来ました。
「…………新社長就任?」
実はキノコとタケノコは同じ会社が作っていて、どうやらその会社の社長さんが新しい人に変わったみたいですが――――。
「…………絶対キノコ宣言? ここにキノコの完全勝利を宣言し、タケノコを…………お店から抹消する!?」
「新しい社長がキノコ派で、タケノコ派を絶対に許さないみたいだよ!?」
「けど、社長がキノコ派でも会社にタケノコ派の社員も沢山いるはずでは?」
「えっと…………あっ!? これ見てっ! 逆らう社員は全員クラウンデュエルでやっつけちゃって誰も逆らえなくなってるみたい!?」
「ええっ!?」
そういえばこの会社はeスポーツで社長を決めるってテレビで見た事があります。
つまりeスポーツ最強の社長にクラウンデュエルを挑まれて…………勝てる社員がいない!?
いきなり会社に乗り込んでも相手をしれくれるはず無いし、いったいどうすれば――――。
「あれ? なんか明日、新商品の発表会があるみたいだよ」
「…………新商品?」
どうやら望さんはまた気になる記事を見つけたようで、そこには新商品キノコの森ロイヤルミルク味の発表会を社長自ら行うと書いてありました。
「こ、これですっ!?」
「ロイヤルミルク味か~。タケノコ派の望もこれはちょっと気になるかも」
「実を言うと私も……………ってそういう事じゃなくて! ここを見てください!」
どうやら新商品の発表会は一般の人も入れるらしく、直接乗り込んで文句を言うにはうってつけのシチュエーション。
「明日、カチコミに行きましょう!」
「うおおおおおおおおおお。燃えてきたよ!」
―――――次の日。
私と望さんは2人で新商品の発表会に向かっていました。
そして、バスを降りて会場に入った瞬間、驚きの光景が私の目に入ってきたのです。
なんと会場のお客さんの大半がキノコの書かれた団扇とハッピを着ていて、まだイベントが始まっていないのに大声援を送っていたのでした。
まるでタケノコの書かれた団扇とハッピを用意してきた私が間違っているみたいな感覚に陥りそうになりましたが、勇気を振り絞って心を震え立たせます。
私は間違ってません。なぜならタケノコ派が絶対正義なのだから!
――――ボリボリ――――ボリボリ。
「それにしても、なかなか始まりませんね」
――――ボリボリ――――ボリボリ。
「ふぅ。ちょっとタケノコの村を食べて落ち着かないと…………」
――――ボリボリ――――ボリボリ。
「……………………」
――――ボリボリ――――ボリボリ。
「あの。望さんはさっきから何をボリボリしてるんですか?」
「――――ん? 入り口で配ってた試供品だよ。桜ちゃんも食べる?」
「では1個ください」
「はいは~い」
望さんからお菓子をもらって食べてみると、濃厚なミルクチョコレートの味が口いっぱいに広がり……………あれ? ミルクチョコレート?
「望さん。ちょっと箱を見せてもらえますか?」
「――――箱? はいこれ」
箱を確認すると、そこにはでかでかとキノコの森ロイヤルミルク味と書いてあります。
「って、キノコじゃないですか!!!!!!」
…………あぶなかったです。
危うくタケノコ派の私がキノコを認めてしまう所でした。
「もぐもぐ―――――でもこれ美味しいよ?」
「確かにそこそこ美味しいみたいですが、タケノコに比べたら3ランクは落ちますね」
「んじゃ、残りは望がもらうね~」
――――ボリボリ――――ボリボリ。
「…………あの。やっぱり後1個だけください」
「おけ~」
私は仕方なく。
そう、これはあくまで仕方なく、情報収集をする為にキノコの森を食べているのです。
―――――それからしばらくしてイベントが始まると、1人男の人がキノコのマスコットキャラを2人連れて舞台に登場しました。
全身キノコ柄のスーツにキノコ柄のネクタイ。
そしてキノコの形をした靴を履いて、髪型はキノコカット。
私は確信しました。
間違いなくあの人が社長さんです!!!!
「望さん行きましょう!」
「もぐもぐ――――あ、ちょっと待って、もうちょっとで食べ終わるから」
「……………」
望さんが食べてる間も新作発表会は順調に進んでいき、どうやら質問コーナーが始まった辺りで食べ終わったみたいです。
けど、このタイミングは逆にちょうど良かったかもしれません。
「ごくっ……ごくっ…………ぷは~。やっぱエナモンは最高だよ~」
「後はタケノコの村があれば最高でしたのに……」
まあ今回はジュースだけにして、タケノコは次回のお楽しみにしておきますか。
それに、お店が駄目なら通販で頼めばいいですしね。
私は大手通販会社のユニゾンで注文する事にしました。
「シャンティ。ユニゾンでタケノコの村を2個注文してもらえますか?」
「オッケー………………あれ? 注文出来ない!?」
「……………え!?」
またもや嫌な予感がします。
「シャンティ。注文画面を出してください」
「うん。じゃあ出力するね」
私達の座っているベンチの前にホログラフのモニターが表示されました。
私はタッチ操作でタケノコの村を検索すると、そこには該当無しとの表示が出てきました。
「タ、タケノコの村が全て無くなってます!?」
――――そう、全て無くなっている。
売り切れでは無く、大手通販サイトから存在が消えていたのです。
「桜ちゃん、これっ!?」
望さんは気になるニュースを見つけたみたいで、指を弾いて画面をこっちに飛ばして来ました。
「…………新社長就任?」
実はキノコとタケノコは同じ会社が作っていて、どうやらその会社の社長さんが新しい人に変わったみたいですが――――。
「…………絶対キノコ宣言? ここにキノコの完全勝利を宣言し、タケノコを…………お店から抹消する!?」
「新しい社長がキノコ派で、タケノコ派を絶対に許さないみたいだよ!?」
「けど、社長がキノコ派でも会社にタケノコ派の社員も沢山いるはずでは?」
「えっと…………あっ!? これ見てっ! 逆らう社員は全員クラウンデュエルでやっつけちゃって誰も逆らえなくなってるみたい!?」
「ええっ!?」
そういえばこの会社はeスポーツで社長を決めるってテレビで見た事があります。
つまりeスポーツ最強の社長にクラウンデュエルを挑まれて…………勝てる社員がいない!?
いきなり会社に乗り込んでも相手をしれくれるはず無いし、いったいどうすれば――――。
「あれ? なんか明日、新商品の発表会があるみたいだよ」
「…………新商品?」
どうやら望さんはまた気になる記事を見つけたようで、そこには新商品キノコの森ロイヤルミルク味の発表会を社長自ら行うと書いてありました。
「こ、これですっ!?」
「ロイヤルミルク味か~。タケノコ派の望もこれはちょっと気になるかも」
「実を言うと私も……………ってそういう事じゃなくて! ここを見てください!」
どうやら新商品の発表会は一般の人も入れるらしく、直接乗り込んで文句を言うにはうってつけのシチュエーション。
「明日、カチコミに行きましょう!」
「うおおおおおおおおおお。燃えてきたよ!」
―――――次の日。
私と望さんは2人で新商品の発表会に向かっていました。
そして、バスを降りて会場に入った瞬間、驚きの光景が私の目に入ってきたのです。
なんと会場のお客さんの大半がキノコの書かれた団扇とハッピを着ていて、まだイベントが始まっていないのに大声援を送っていたのでした。
まるでタケノコの書かれた団扇とハッピを用意してきた私が間違っているみたいな感覚に陥りそうになりましたが、勇気を振り絞って心を震え立たせます。
私は間違ってません。なぜならタケノコ派が絶対正義なのだから!
――――ボリボリ――――ボリボリ。
「それにしても、なかなか始まりませんね」
――――ボリボリ――――ボリボリ。
「ふぅ。ちょっとタケノコの村を食べて落ち着かないと…………」
――――ボリボリ――――ボリボリ。
「……………………」
――――ボリボリ――――ボリボリ。
「あの。望さんはさっきから何をボリボリしてるんですか?」
「――――ん? 入り口で配ってた試供品だよ。桜ちゃんも食べる?」
「では1個ください」
「はいは~い」
望さんからお菓子をもらって食べてみると、濃厚なミルクチョコレートの味が口いっぱいに広がり……………あれ? ミルクチョコレート?
「望さん。ちょっと箱を見せてもらえますか?」
「――――箱? はいこれ」
箱を確認すると、そこにはでかでかとキノコの森ロイヤルミルク味と書いてあります。
「って、キノコじゃないですか!!!!!!」
…………あぶなかったです。
危うくタケノコ派の私がキノコを認めてしまう所でした。
「もぐもぐ―――――でもこれ美味しいよ?」
「確かにそこそこ美味しいみたいですが、タケノコに比べたら3ランクは落ちますね」
「んじゃ、残りは望がもらうね~」
――――ボリボリ――――ボリボリ。
「…………あの。やっぱり後1個だけください」
「おけ~」
私は仕方なく。
そう、これはあくまで仕方なく、情報収集をする為にキノコの森を食べているのです。
―――――それからしばらくしてイベントが始まると、1人男の人がキノコのマスコットキャラを2人連れて舞台に登場しました。
全身キノコ柄のスーツにキノコ柄のネクタイ。
そしてキノコの形をした靴を履いて、髪型はキノコカット。
私は確信しました。
間違いなくあの人が社長さんです!!!!
「望さん行きましょう!」
「もぐもぐ――――あ、ちょっと待って、もうちょっとで食べ終わるから」
「……………」
望さんが食べてる間も新作発表会は順調に進んでいき、どうやら質問コーナーが始まった辺りで食べ終わったみたいです。
けど、このタイミングは逆にちょうど良かったかもしれません。
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