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<ヌアザの攻防>

ゴブリンとの前哨戦 【刈り取り】

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軍刀を抜き放つと、棒立ちに成って居るゴブリンの首を刎ね飛ばしていく。
当然、悲鳴など上げさせん。
ヤツ等は自分が死んだ事にすら気付いて居らんだろう。

五匹ほど切り伏せた処で、巻き上がる鮮血とその血の匂いに、ゴブリン共がさらに慌て始め、ギャーギャー!と奇声を上げ始める。
アレは、ヤツ等の言葉……とも思えんな、猿が鳴き喚くのと差して違わんだろう。

どうやら、隠身かくりみは解け、奴等もワシに気付いた様だ。
バン、バン、バン!

ワシに銃を撃って来るものも居るな。
だが到底、銃を使いこなしているとは言えん。
てんで、的外れだ。

「成らばワシも、派手にやらせて貰おう」
軍刀を左手に持ち替え、右手で十四年式を抜く。
そして、コッキングノブを歯で噛んで引っ張り、装弾する。
鉄の味が口に広がる。

そして、さっきワシに銃を向けたゴブリンに、素早く照星を合わせて引き金を引く。
パン!
額を撃ち貫かれたゴブリンが、そのまま仰向けに倒れると、そのゴブリンが持っていた銃を別のゴブリンが拾い上げ、撃って来る。
バン、バン、カチャ、カチャ!

どうやら、弾切れと言う事が分ってらんらしい。
そのゴブリンに歩み寄り、軍刀を振り下ろす。

ターン、ターン!
向こうからも銃声。
どうやら、ジム達も始めたらしい。

「さて、ワシも刈り取りを続けよう」
パン、パン!とゴブリン共を撃ち殺し、ザク、ザク!と切り殺す。

うむ、今まで、黒の森とやらで狩って来た魔物どもや、先日のオーガに比べると、何とも歯ごたえが無いものだ。
どうせなら、そのレッドキャップとやらを刈り取るとするか。
辺りを見回す。

居た、赤い頭だ!

だが未だ距離がある。
パン、パン!
ゴブリン共を撃ち殺し、切り殺しながら赤い頭を目指して走る。

ふと、激しく撃ち合っているジム達の方に目をやる。
ズドン!
ジムの銃が的確にゴブリンの頭を射抜く。
相変わらず見事な物だ……ん?

ジムが、その撃ち殺したばかりのゴブリン目掛けて走り出す。
ん、なにをする積りだ?
フッ、ゴブリンの持っておった銃を拾いおった。
バン、バン、バン!
その銃で、三匹のゴブリンを射抜いて、またそのゴブリンの骸が手にする銃目掛けて走り出す。

そしてまた、その銃を拾い上げ引き金を……が、弾が出ん。
どうやら動作不良の銃を拾い上げたらしい。
「はぁ~、何をしておるのだ……」
で、ズドン!と自分の銃で別のゴブリンを撃ち殺して、また銃を奪う。

ハハハ、しかし、成るほどな、銃を借りる当てとか申しておったが、そう言う事か。
それにしても……なんちゅう戦い方をしておるのだ。
まったく、器用な男だ。
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