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<ヌアザの攻防>

どうやって斃したんだ?

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「で、アンタ、アレをどうやってたおしたんだ?」
「確かに、そいつは俺も気に成ってたんだ。さっき、無理やりオーウェンの旦那に連れていかれて、町の南で倒れてたオーガの解体を手伝ったんだが……なんだあの傷は?どう見ても普通じゃ無え。首を切り裂かれて致命傷を負わされたのは分かる。だが、全身傷だらけで、おまけに右腕は、拳の先から二の腕に掛けて縦にかれてる」

「ジムはアンタよりも多く、四体のオーガを始末した。だがジムの場合、手持ちの大砲をぶっ放して仕留めたモノだ。まあ、それでも大したものだが、出来ない事じゃ無い。だがアンタは、まさかその腰のサーベル一本でヤツを仕留めたってのか?」

「ハハハ、レナードもオーウェンの旦那も信じられ無えのも無理は無いぜ。だが、オレは前に見せて貰った事が有る。オレが仕留め損ねたトロール・ベアの首を、一太刀で切り飛ばしたところをね。見事な物さ。それに、此処ここに来る前、ニーリーで盗賊共に襲われたんだが、俺たちを追って来る盗賊共、確か三十人以上は居たと思うぜ、そいつらにそのサーベル一本で切り込んでって、奴等の乗っていた馬ごと、次々に切り倒して、辺りは……まあ、凄惨な物さ。オレも旦那の銃を借りて何人か狙撃したが、旦那は銃を持った盗賊共を一人で、その殆どを切り倒しちまったぜ」

オーガを切り裂いたのは、ほとんどフラウロスの鍵爪なんだが、ここは話に乗って軍刀で切り倒したことにして置くのが無難だな。
「まあ……そういう事だ」

「なあアンタ、それ程の腕前なら、ゴブリン共の襲撃の時は頼りにして構わんか?」
「うむ、無論だ。そもそも、この町には少なからず、投資する事に成っておるからな。及ばずながら力に成ろう」
「そうだったな、確か、復興費用も持ってくれるとか。この町の者として、改めて礼を言うよ」

ふと、オーウェンがおもむろに、事務所の隅で此方を品定めする様に見ていた三人の男を手招く。
「それで、二人を呼びだしたのは、もう一つ。彼らを紹介しようと思ってな。彼らはギルドのガンスリンガーだ。先日の襲撃の時に駆け付けてくれて、そのまま、町の警備の為に残ってくれた三人だ。もしもの場合は、彼らと協力し合ってくれ」

目付きの鋭い老人がワシの前に立ち、手を差し出してくる。
その手を握り返し、握手を交わす。
「儂はギデオンと申す。こっちの若いのは儂の孫のクライドだ宜しく頼む。オーガをサーベル一本で切り殺しなさるとは、大したものですな。是非、どの様な戦をなさるのか興味が有りますな」

口調は穏やかだが、背丈に見合わないゴツイ手、それと、ワシを見定めようと、射貫く様な眼光。
見るからに、百戦錬磨の戦士という印象だ。
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