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序章
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既に砂塵になりつつある土塊の中からよろりと人影がその身を持ち上げた。自らの刀にまだこびり付いていた赤黒い血液を、腰から取り出したハンカチで丁寧に拭き取った後、その禍々しさを鞘に納める。その青年の美しい白銀の頭髪と翡翠の瞳に見とれていたのも束の間。直後差した朝日がただただ彼のシルエットを黒く、鮮明に私の瞳に映し出すだけだった。
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