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集団異世界召喚
異世界探検⑰
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「ガチャンッ…」
門が自動で閉まるが出ようとすると勝手に開くので問題はないか。
旧大神殿は殺風景でなにもない。
人なんている気配すらないのだから。
「なんにもない…いや、無さすぎるんじゃないか?」
「取り敢えずは本殿の方に行ってみましょ」
澪がいう通りにまず向かうのはそこだな。
一番高いところにあるし、周辺の確認も兼ねた良い高台のようないちだ。
多分神への祈りを捧げる神殿は天に近い位置に設置されているのだろう。
△
「これが中なのか…?」
「そうみたいね、これまたなにもないわ」
「いえ、あれを見てください!」
ノエルが見つけた先にあるのは真っ白な石板が中央に大きく置かれていた。
なにやら石板には嵌めるへこみがあり、ここになにかを差し込むようだ。
「これは!あの宝箱の!」
この前拾った神殿のマークが描かれているネックレスを取り出し、早速石板のへこみへと近付け、嵌め込んでみる。
「ダメだわ…嵌まらない」
「後少しっぽいんですがね…」
ガチャガチャと何度も試みるが結局ダメだった。
また別の鍵があるんだろうな。
「仕方ない、別のところを探そう」
「ですね」
「ここだとおもったんだけどなぁ」
仕方なく別の場所を探しに向かうがこれ以上気になる場所は見つからなかった。
「ちょっとそのネックレス貸してもらえますか?」
「あぁ」
急にノエルがこのネックレスを握りしめたので、つい壊すのかと思ってしまったがそうではないらしい。
「ガチャ…」
「ガチャガチャ…」
ネックレスは次第に形を変えていき彫刻の人物は容姿が少し変わって翼のようなものが生えている姿へと変わった。
「な、なに?!」
「なにをしたの?!」
「適当だったんですが…魔力を流してみたんです」
魔力を感知してやっと鍵としての機能があるようだ。
今までは色々押し込んでみたりと考えていたがまさか魔力を流し込むだったとはすっかりその考えを忘れていた。
「早速試してみるか…」
先程は変形前だったから嵌め込めなかったんだ。
今度こそは行けるはずだ。
「ピチッ」
完璧に当てはまった。
そして一度当てはめたネックレスは強力な磁石に引っ張られているかのように取れそうにない。
「そういうことか…」
石板の前に置かれていた女神像は横にずれ、元あった女神像の位置には地下へと続く階段が新しく出現した。
取り敢えず行ってみなければ始まらない。
ここまで来て変えるわけにもいかないしね。
「いくよ」
「なんか不気味だけどね」
全方向に注意を向け、地下へと足を踏み入れた。
△
地下に入るとそこは真っ暗、そしてただ広い空間があるだけだった。
壁は黒色、どこを見ても黒だらけだった。
更に地下への続きがあるようにも見えないし、先程あった石板すらも見当たらない。
「なんだ、ここは…なんだ!この膨大な魔力は」
「私も今感じました」
「はだがピリピリするほどだわ」
ロアとシエルに関してはもう怖がって震えている。
「クゥン」
「なにかいるのか…?」
ライトを使い辺りを照らす。
だがなにも見当たらない。
「勘違い…いや、それはないか」
「あれは!」
カレンが指差した方向にあったものは黒い靄の塊。
空気中からなにかを取り込んでいるのかと考えていたが違ったようだ。
「黒い靄が…」
壁は真っ白に変化し、黒い靄は怪物へと姿を変えた。
入ってきたときに見た黒い壁はこの怪物の体の一部だったのだ。
「そういうことかっ!」
変身できるモンスターがいるのは知っていたがこんなに小さいものになれるとは想定外であった。
「漆黒のニ頭犬!まさか、本物ですか!?」
「ノエル、あいつを知ってるの?」
「は、はい!あれは恐らく〈漆黒のニ頭犬〉、何千年も前に天使族が封印したという伝説上の生物の筈ですが…」
「伝説の生き物が目の前にいると…」
伝説級の怪物を相手しないといけないのか。
地上へと戻る方法も無いらしい。
「グォォォン!」
その咆哮はロアとシエルを更に恐怖させ、カレンすら地動きをとれなくなってしまった。
その機をケルベロスは逃さない。
勢いをつけて飛びかかっていった。
「俺が許すと思ってるのか!月光水刄!」
思い切り力を込めての一撃だったが、ケルベロスの腕を落とすことはできなかった。
だが肉は斬れている倒せる可能性はあるのだ。
これは予想内だったからな。
「くそっ!やはりダメか!」
「ギャウウゥゥ」
ケルベロスは唸ると毛色を黒色から金色へと色を変えた。
「なんだあれは…」
「あれは伝承通りであれば金剛化という固有スキルです!」
金剛化、それは己のステータスを一時的に2倍にするというものだった。
「グルゥゥゥォォ」
心根しか牙やらも大きく肥大化している気がするのだが。
だがこいつを倒す以外此処から出る方法はないようだ。
「ははっ…やってやろうじゃねぇか!」
「私も加勢します!」
「私の事除け者にしないでよねっ!」
そうしてケルベロスとの戦いが始まった。
門が自動で閉まるが出ようとすると勝手に開くので問題はないか。
旧大神殿は殺風景でなにもない。
人なんている気配すらないのだから。
「なんにもない…いや、無さすぎるんじゃないか?」
「取り敢えずは本殿の方に行ってみましょ」
澪がいう通りにまず向かうのはそこだな。
一番高いところにあるし、周辺の確認も兼ねた良い高台のようないちだ。
多分神への祈りを捧げる神殿は天に近い位置に設置されているのだろう。
△
「これが中なのか…?」
「そうみたいね、これまたなにもないわ」
「いえ、あれを見てください!」
ノエルが見つけた先にあるのは真っ白な石板が中央に大きく置かれていた。
なにやら石板には嵌めるへこみがあり、ここになにかを差し込むようだ。
「これは!あの宝箱の!」
この前拾った神殿のマークが描かれているネックレスを取り出し、早速石板のへこみへと近付け、嵌め込んでみる。
「ダメだわ…嵌まらない」
「後少しっぽいんですがね…」
ガチャガチャと何度も試みるが結局ダメだった。
また別の鍵があるんだろうな。
「仕方ない、別のところを探そう」
「ですね」
「ここだとおもったんだけどなぁ」
仕方なく別の場所を探しに向かうがこれ以上気になる場所は見つからなかった。
「ちょっとそのネックレス貸してもらえますか?」
「あぁ」
急にノエルがこのネックレスを握りしめたので、つい壊すのかと思ってしまったがそうではないらしい。
「ガチャ…」
「ガチャガチャ…」
ネックレスは次第に形を変えていき彫刻の人物は容姿が少し変わって翼のようなものが生えている姿へと変わった。
「な、なに?!」
「なにをしたの?!」
「適当だったんですが…魔力を流してみたんです」
魔力を感知してやっと鍵としての機能があるようだ。
今までは色々押し込んでみたりと考えていたがまさか魔力を流し込むだったとはすっかりその考えを忘れていた。
「早速試してみるか…」
先程は変形前だったから嵌め込めなかったんだ。
今度こそは行けるはずだ。
「ピチッ」
完璧に当てはまった。
そして一度当てはめたネックレスは強力な磁石に引っ張られているかのように取れそうにない。
「そういうことか…」
石板の前に置かれていた女神像は横にずれ、元あった女神像の位置には地下へと続く階段が新しく出現した。
取り敢えず行ってみなければ始まらない。
ここまで来て変えるわけにもいかないしね。
「いくよ」
「なんか不気味だけどね」
全方向に注意を向け、地下へと足を踏み入れた。
△
地下に入るとそこは真っ暗、そしてただ広い空間があるだけだった。
壁は黒色、どこを見ても黒だらけだった。
更に地下への続きがあるようにも見えないし、先程あった石板すらも見当たらない。
「なんだ、ここは…なんだ!この膨大な魔力は」
「私も今感じました」
「はだがピリピリするほどだわ」
ロアとシエルに関してはもう怖がって震えている。
「クゥン」
「なにかいるのか…?」
ライトを使い辺りを照らす。
だがなにも見当たらない。
「勘違い…いや、それはないか」
「あれは!」
カレンが指差した方向にあったものは黒い靄の塊。
空気中からなにかを取り込んでいるのかと考えていたが違ったようだ。
「黒い靄が…」
壁は真っ白に変化し、黒い靄は怪物へと姿を変えた。
入ってきたときに見た黒い壁はこの怪物の体の一部だったのだ。
「そういうことかっ!」
変身できるモンスターがいるのは知っていたがこんなに小さいものになれるとは想定外であった。
「漆黒のニ頭犬!まさか、本物ですか!?」
「ノエル、あいつを知ってるの?」
「は、はい!あれは恐らく〈漆黒のニ頭犬〉、何千年も前に天使族が封印したという伝説上の生物の筈ですが…」
「伝説の生き物が目の前にいると…」
伝説級の怪物を相手しないといけないのか。
地上へと戻る方法も無いらしい。
「グォォォン!」
その咆哮はロアとシエルを更に恐怖させ、カレンすら地動きをとれなくなってしまった。
その機をケルベロスは逃さない。
勢いをつけて飛びかかっていった。
「俺が許すと思ってるのか!月光水刄!」
思い切り力を込めての一撃だったが、ケルベロスの腕を落とすことはできなかった。
だが肉は斬れている倒せる可能性はあるのだ。
これは予想内だったからな。
「くそっ!やはりダメか!」
「ギャウウゥゥ」
ケルベロスは唸ると毛色を黒色から金色へと色を変えた。
「なんだあれは…」
「あれは伝承通りであれば金剛化という固有スキルです!」
金剛化、それは己のステータスを一時的に2倍にするというものだった。
「グルゥゥゥォォ」
心根しか牙やらも大きく肥大化している気がするのだが。
だがこいつを倒す以外此処から出る方法はないようだ。
「ははっ…やってやろうじゃねぇか!」
「私も加勢します!」
「私の事除け者にしないでよねっ!」
そうしてケルベロスとの戦いが始まった。
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