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集団異世界召喚

異世界生活⑦

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俺はシエルを連れて屋敷に戻ると一番に温泉に入った。シエルも少し汚れていたので一緒にはいる、洗っている時に気付いたのだがシエルは黒色ではなく白に近いグレーだった。

「ふぅ、やっぱ温泉は最高だな」

「わふっ…」

「あっ、シエルちょっと汚れすぎじゃないのか?あははっ」

何日笑っていなかったんだろう。最後に笑ったのは何時だったかな。ついついそう思ってしまった。
いつもベッドには一人で寂しく寝ていたが今はシエルが居てくれるだけで温もりを感じる。
寝やすくなった気がする。
そういえばレベルが上がっていたな。

ーーーーー

【名前】ミナト=タチバナ
【年齢】18
【種族】人間
【レベル】9
【職業】なし
【状態】健康

【体力】70
【筋力】60
【魔力】0
【敏捷力】68
【防御力】64

【ユニークスキル】なし
【スキル】[異世界言語理解][アイテムボックス(小)][火属性魔法1Lv][水属性魔法1Lv][風属性魔法1Lv][土属性魔法1Lv][光属性魔法1Lv][時空間魔法1Lv][剣術35Lv][格闘術32Lv][回避10Lv][盾術35Lv][隠匿20Lv][学術20Lv][身体能力強化25Lv][集中18Lv][テイム1Lv]

ーーーーー
結構スキルのレベルが上がったな。
身体能力強化…?このスキルは役に立ちそうだな。俺はステータスが低いからそこを補ってくれるだろう。そして学術、これは王宮にいたときに図書館の本を半日で読み倒したからかもしれないな。流石にあの後は頭がクラクラしてしまった。だがこの世界の情報、そして未知の魔法という勉強をしなければならなかったからな。

テイム?あぁ、シエルのことかな。

「後少しでやっとの10レベルか、だけど9レベルになったのだって死にかけながらグレードリザードを斃してやっとってところだったからなぁ。もっと訓練しなくちゃ、あ、こっちの図書館も行かないとだけど」

明日は訓練をしてから図書館に籠ることにした。図書館には仮眠スペースが完備されているが必要は多分ないだろう。半日あれば問題はないんだから。
ステータスを一通り確認し終えた俺はすぐに眠りについた。

△▼△▼

その頃王宮にて……

「どうだ!俺は50レベルになったぜ!」

「新、興奮しすぎだぞみんなももう少しで50レベルになるだろ」

新が50レベルになったと騒いでいた。

「湊斗を追い出しときながら…」

澪は新をまだ許してはいなかった、あれから暫くは喋っていない。

「澪ー、もういいだろ?仲良くしようぜ」

「無理よ!話しかけないで!」

周りの人は何回もこのやり取りを聞いていて呆れていた。新が自分で喧嘩する原因を作ったのに何をいってるんだと思われているとも知らずに。

「そう喧嘩しないでよー」

そう言い諭すのは西内 小春だ。

「小春~新が全部悪いんだよ!ね?!」

「確かに追い出すのは酷かったよね」

新はみんなから責められているが特に気にする様子をみせない。

「よーし、喧嘩もそれほどにしろよ。仲間なんだから戦場で背中を預けるんだぞ」

「「「「「「はい…」」」」」」

「これからまたダンジョンに向かう、この前見つけたボスを斃しに行くぞ!」

「「おぉ!」」

ーーーそうして武具を整備して全員でボス部屋へと向かう。

「ギ、ギギィィ…」

扉を開けた先に居たのは…


「オーク…キング」


災害級と呼ばれるオークキング、そしてその左右にはオークジェネラルを従えている。
基本ボス部屋はシャッフルでボスモンスターが出現するはずだがオークキングが出現したとは聞いたことがない。

「ここは退くぞ!!」

「ザックさん、開きません!!このままじゃ転移門まで行けません!」

ダンジョンにはボスの前、他にはランダムで転移門が設置されておりそこを通ればダンジョンの入り口に戻ることができる。逆に入り口から出たいところをイメージすると転移することが可能だが一度いったところでないと行けない。

「くそがっ!いつもなら出られるはずだぞ!もういい、全員でかかれ!まずはジェネラルを殺る!」

ザックは何度もボスに挑んでいるがオークキングは初めての相手だ。

「双剣覇連撃!」

ザックの2本の魔剣が猛威を奮う。
鬼殺しの剣オーガキラーソード
氷竜剣アイシクルソード
流石はザック、元Aランク冒険者でSにすら手が届きそうだったという。

オークジェネラルは細切りにされ崩れ去る。

「おぉ、流石ザック団長だ」

「俺も負けてらんねぇな!オークになんてもうやられねぇぞ!「神刃一閃」」

新が放った一撃は勇者特有の固有スキルだ。
それをまともに受けたオークジェネラルは上半身と下半身とがお別れした。

「はっ、こんなもんか!残るはオークキングだけだ!」

「オークキングは災害級だ、油断なんてしたら死ぬぞ!魔法を撃て!」

ゴォォォーーン!

「なにも効果なし…か」

「タフな豚野郎だ…なっ!!」

「神刃一閃!」

新が飛び込み神刃一閃を撃ち込む。

「ガガァァァッッ!」

体に穴が空き跪く、だが死には至らなかった。
なぜならオークキングの傷口は塞がり再生したのだ。

「なっ、お前は!あの時のやつか!」

このオークキングは前に新を負かしたハイオークだった。その特徴に片眼には再生されていない傷痕があった。

「俺はお前を斃して越えてやる!うおぉぉぉ!」

「俺も手伝う!」

「俺もいくぜぇ!」

新、蓮、ザック団長の3人で斬りかかる。オークキングは一番手強いと判断したのかガラン目掛けて武器を投げつけるが軽々と避けられ格闘の体勢に入った。

「グギギギッ」

「くたばれぇぇぇえ!」

「神刃一閃!」

「破斬滅却!」

「双剣覇連撃!」

新の一閃は頸へ、蓮の一撃は腹に、ザックはオークキングを頭から両断しオークキングを葬る。

「「「はぁはぁ、はぁ」」」

「流石にあれは…はぁ、、きつい…な」

「だがお前たち良くやったぞ、オークキングを倒せるとは立派なコンビネーションだ!」

後衛が支援魔法を常時掛け続けていたからこその結果だ。

「みんなもありがとな!特に涼風先生の治癒魔法は助かりました!」

「当たり前だよ、この調子で頑張ってね!」

「うんうん、頑張ってくれ」

「お蔭様でレベルも上がったよ!」

新達は肩を組んだりなど燥いでいる。
だが澪だけは一緒に喜べなかった。

このオークキングを斃して得た宝箱の中には魔剣が1本入っているだけだった。
その魔剣を持ち帰り鑑定にかける。

火焔大剣ボルケーノブレード
『魔力に満ちた魔剣、魔力を流すことにより自らを焔で纏い尽くす』

「これが魔剣…」

「この剣は俺のには少し劣る、だが一級品に間違いはないな」

歓声が上がりその魔剣はどうするのかと揉めると思ったがそうはならなかった。

「一番頑張ったのは新だろ?使えよ俺はそれが一番だと思ってる」

「俺も賛成だ」

「私もよ」

満場一致で新の愛剣になった。唯一気に食わなかった人がいるのはスルーしよう。

「今日は死ぬかと思ったけどすごかったよねぇ」

「あははっ、小春はちょっと腰抜かしてたよね~?」

「あぁ!楓!それは言わない約束でしょ~?」

宴とあって小春は楓と戯れている。

「ははっ、ほんとに仲良いよね」

「明日も頑張ってレベル上げだー!」

「がんばろー!」

この日の宴は夜中まで続いた。
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