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ネイキッドと翼 ケモ耳天真爛漫長男夫/モラハラ気味クール美青年次男義弟/

ネイキッドと翼 57

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 青山藍は伸ばした腕を茉世まつよの膝裏の下に通し、彼女の腹を撫でた。
「ガンバレッ! ガンバレッ!」
「赦して……赦してください……」
 脱衣所での永世との秘事によって、異物を抱えた箇所は潤んでいた。排出してしまう。それは排泄ではなかった。だが排泄と変わらない。
「取れなくなったら病院行かなきゃなんだよ。お医者さんにタマゴ入ってるおまんこ診せるの? ホシクナイのにアカチャンデキちゃったり、お腹のアカチャン具合ワルいから病院キテる人たちにワルいも思わないの? おまんこのタマゴ産めないから、おまんこ診てクダサイ、タマゴ産ませてクダサイって、患者サン待たせて時間とるんだ?」
 青山は彼女の下腹部を押した。
「やめ………て、やめて…………」
「ヤメテクダサイ、でしょオネエサン」
 涙は冷たかった。火照る頬を伝っていく。
「やめて…………ください…………」
「イイヨ、オネエサン。ソンナに産みたくないんだ? タマゴでオナニーしてるの?」
 腹を撫でていた手がその隣にある糸屑の塊に触れた。
「オネエサンのお毛々~」
 睫毛に水滴が絡みつき、視界が霞む。
 毛で遊ぶのにも飽きたらしい。長い指が渓谷を降りていく。
「ワタシ、ヤサシイから、オネエサン、ソンナに産みたくないなら押し込んでアゲル。タマゴでオナニーデキる?」
 異物が押し込まれた。泥濘んだ内壁は簡単に奥まで迎えてしまう。
「あ……! ウぅ……」
「アレレ、オネエサン………おまんこねちょねちょだ。ナンデ? ワタシに会えてウレシカッタから? ナンデコンナニおまんこべとべとなの?」
 反射的に茉世は青山の指を見てしまった。透明な液体が糸を引いている。やがて千切れた。
「あ、あ………」
「タマゴでキモチヨクなってたの? えっち♡」
 タマゴを出すのが先か、青山が飽きるのが先か。茉世にも見当がつかなかった。いつまでも風呂場を占拠しているわけにはいかない。夕食に現れなければ、やがて風呂場を調べられてしまう。
「赦してください………赦してください。もう、帰ってください……」
「だから、ソンナ早く帰したいならタマゴ産んで? ワタシ晩ゴハン食いっぱぐれてお腹減ってんの。早く産んで。は~や~く」
 大きな手が彼女の腹を柔らかく叩く。
「ひとりで、出せますから……」
「ヒトリで出せるならフタリでも出せるでしょ? あ、オネエサン、ワタシの晩ゴハン、盗る気なんだ」
 青山藍は用が済んだならすぐさま晩飯を食いに帰るのだと、そう主張しているに違いない。彼女は別の解釈を見出し、火照った顔がわずかに青褪めた。
「オネエサンのまんこ味染み染みのタマゴ、早くタベたい」
「傷んでいます……! 諦めてください、傷んでいますから……!帰って……!」 
 不衛生極まりない。茉世は慄然とした。背筋をムカデが這うようだった。鳥肌が立つ。
「帰れ、帰れって萎えだわー。イっとけば産む気になる? さっきも散々イってたのに飽きないなぁ。絶倫オネエサン」
 泥濘みで遊んでいた青山は奥を触る。異物が揺れた。
「ああ………よして、よして…………抜いて…………」
 歔欷きょきこだまする浴室に、ぬち、ぬち、と卑猥な水音が加わる。親指が気紛れに肉珠を押さえる。
「ひゃ、んっ」
「クリトリス、ぷりぷりだね、オネエサン。スゴク、ぬとぬと~」
 よく濡れていたそこは親指の往復を容易にした。指紋が肉粒を轢いていく。弾力を持って何度も勃ち上がり、轢かれていく。
「あ、あ、あッ!」
 粘液が分泌されていく。内壁は蠢き、本来は食べ物であったはずの物体が外へ排されようとしている。
「出ちゃ………う、出ちゃ…………ゃあんっ」
「出せって言ってんの」
 親指の遊びに人差し指が加わる。小振りなりに張り詰めた陰核を摘み、力を入れる。鋭い快楽はむしろ異物を締め上げさせたが、潤滑液も滲み出て、外方面へ押しやってしまいそうだった。
「出ちゃう………っ!」
「オトコノコみたいだね、オネエサン。クソでか玉子せーし出しなよ。デカ精子たま射精シな?」
 彼女は首を振った。真後ろで溜息が聞えた。聞かせるようなわざとらしさである。
「オネエサンはニワトリさんだけど、牛さんだもんね」
 茉世の脇腹とタイルの狭間から青山の手が生えた。彼女の上げられた脚を自身の脚で持ち上げる。陰核を捏ねていた手は引き下がっていた。だが茉世の胸に戻ってくる。
「そんな………」
 胸の先を摘まれる。
「牛さんイきしてからニワトリさんになれ~」
 膨らみは掌に支えられ、人差し指が乳頭を繰る。色付いたへたから蹂躙される。
「ん、や、やぁ………っんん」
 視界がぼんやりした。羞恥心に靄がかかる。緩やかな眠気に似た恍惚に、彼女は目をすがめた。
 青山の指は繰るのをやめ、両側から小さな隆起を摘む。強弱をつけて揉みしだいた。不規則に捏ねる。
「んぁ、あ……」
 下腹部のなかがうねる。鶏卵の存在が強く感じられた。
「美味しいタマゴ産もうね、オネエサン。ワタシとオネエサンのコ!」
 彼女は身悶えた。擽感を帯びた悦楽を逃しきれない。尻が堅いデニム生地に当たる。
「オネエサンのおまんこ汁で夢精シたときみたいにパリパリになっちゃうネ。洗えなくナッチャウ」
「あ、ああ………あ、ぅ、………」
 タイルに水飴が広がっていく。頂点が見えてきていた。感覚が青山の指だけを意識していた。後ろから低い嗤いがあった。だが曇って聞えた。青山藍は獲物の具合をよく心得ていた。捕まえた牝が限界に向かって走りはじめていることを把握していた。この番いとしても優秀であることを約束されている強い牡は、彼女の追風となった。
「んあっ、ああああ……!」
 泣き叫んでいるような響きだった。磨りガラスの奥で、跳ねている黒い塊に気付くこともなく、彼女は身を引き攣らせる。
 ころん……
 硬いもののぶつかる音がした。軽やかであった。長い脚に開かされた膝の下方に、ねっとりと透明な粘液に覆われた白いものが転がっている。
 膝の置台が消えた。脚を打ちつけることに厭う余裕もなかった。
「オメデトウ、オネエサン」
 茉世は強烈な眠気と気怠さに襲われた。だがその欲望に甘えていられそうにはない。金具の音が彼女を現実に引き戻す。
「あ………ぇ、」
「イツマデ寝てるの、オネエサン。産卵手伝ったお礼は?」
 下ろすことを赦された脚がふたたび持ち上げられる。
「よし………てっ、アアアア!」
 胴体を左右に引き裂かれたのかと彼女は思った。衝撃が脳天を駆け抜ける。身体が縦に両断されているようだ。しかし彼女の身体は無事であった。望まない相手と交合わっていることを除けば。
「あああ! よして! 抜いてください! よして!」
 大きく開いた口に、銀色の石ころが捩じ込まれる。手であった。塩映しおはゆい。気持ちの悪い汗の味がした。吐気を催す。
「ぬるぬるスゴ………ゆでタマゴでオナニースるのキモチヨカッタの? 牛さんイきシただけのぬるぬるぢゃないよね?」
 鶏卵とは比べものにならないほどの凶器が抜き去られる寸前まで引かれる。腹のなかから延々と綱を引かれていくような長さであった。
「やめ…………て、ぇっ!」
 衝突。内側から脳髄を殴られている。目交いで火花が散った。吃逆を起こしたように声が跳ねる。
「大声出してイイの? オネエサン。ここおうちでしょ。ワタシとオネエサンが不倫シてるのバレちゃうよ」
「ゆ………ゆる、し………」
 長いストロークで青山は茉世の産卵孔を穿った。
「あうううっ!」
「とろまんキモチイイ~。とろっとろまんこサイコー。ナカ、スッゴイね。べっとべと。産卵プレイ、コーフンシてたの?」
 激しいピストンがはじまり、茉世は流されるまま頭を揺らしていた。脱衣所での出来事が彼女の肉体に火を点けてしまっていた。そしてそれは鎮火されていなかった。埋み火は青山によって育てられていく。
「だ………め、やだ…………やだ、ぃや、ああんっ!」
 眼球が熱く沁みる。甘やかな電流が脳を震わせ、淫らな痺れが全身を覆う。視界から彩度が失せ、火花が止まらない。引き抜かれていく狂棒を激しく食い締める。まるで綱引きだ。
「突くたびに甘イきシてるの?」
 この男特有の恐ろしいいぼの環が彼女の呼吸を忘れさせる。
「ああああっ!」
「キモチイイねぇ、オネエサン。甘イきおまんまん、くぽくぽきゅんきゅんでぎゅーってワタシのちんぽ掴んでキてる……」
 青山藍も気に入ったらしい。神秘の力によって操られた柔肉が活塞かっそくを制限しているというのに、凝りもせず腰を押し付ける。
「んあ、ア、ぁあ………!」
「オネエサンのエッチ……♡ おちんちんキモチイイよ。そんなきゅうきゅうシないで……ナカに出ちゃうよ」
 茉世は首を振る。何度も首を振る。
「でもオネエサン、ダンナさんと浮気シたでしょ。ワタシってオトコがいるのに、ワタシのおちんちんじゃ満足デキなかったんだ? チガウか。ワタシのおちんちんほしすぎて、ダンナさんのおちんちんで我慢シてたんだ。ダメだよ、オネエサン。浮気シちゃ」
 色事に長けた男であった。天賦の才なのか、はたまた経験のためか。牡器をさらに突き刺すことで動揺する蜿りの隙を見つけ、律動を作りはじめる。
「だ………ぇ、あ…………、また………ぅんんんんんッ!」
 涙と涎で彼女の顔面は濡れていた。
「イッちゃえ、イッちゃえー!」
 力の限り、青山は腰を押しつける。痛みと苦しみは、脳から噴出する鎮痛剤によってすべて接合部に響く。
「あ………ぅ、ぁあ………ぐぐ…………ッ」
 開きすぎた口が違和感を訴え、閉じることを思い出したが、制御は利かない。歯と歯は長い指を齧る。息が乱れた。垂れ流すまでに至る口水を嚥下しかけ、噎せてしまう。強烈な快楽は目眩と吐気をもたらす。弛緩した口元と違い、青山を咥えた箇所は緊張し、小刻みに収縮していた。
「ぅあ……オネエサン………今日ドウシタの……ワタシのコト、スキになっちゃったの? でもダメ。オネエサン、ジブンのコト棚にアゲて、浮気トカ怒るでしょ? うたチャンは~トカ、リカチャンは~トカ、サユノチャンとジュキエチャンのコトも言ってきそー」
「ち、…………が…………ッあうう!」
 否定した途端、瞳孔を突き破って目から星が飛び出す。
「えー? オネエサンはゼッタイ、言ってクるよー。ダイジョーブだよ、オネエサン。こんなデカぱいとエロまんこ、他のコに負けないよ。オネエサンの旦那サンはブスババアのオネエサンのコト飽きちゃったんだろうケド、ワタシはオネエサンのコト捨てないよ。いっぱいワタシのちんぽ、とろとろきつきつのおまんこでコキコキシてね。―あ、ああ、おまんこキュンってシた!」
 今、この浴室に入ってきた者がいれば、皮下に環状の疣を生やした恐ろしい肉棒が梵鐘を撞くような勢いで柔らかな腿の狭間へ打ち込まれているのがありありと見てとれただろう。その華奢な肉体に対してはグロテスクなほどの所業であった。あまりにも猟奇的であった。
「なぅぅ……」
 脱衣所の猫が磨りガラスの前をうろつく。片脚が使えないとなっては、開けることもできないのだろう。
「ネコチャンとお風呂入ってるのカワイイね。ラングドシャにおまんこ舐めさせてるの? 痛いんじゃない? オネエサン、痛いのスキなん?」
 腿を握り潰さんばかりに食い込ませていた指が、陰核を抓る。残酷な快美が真下の結合部に作用した。蜜襞が蠕く。天然の張りと人工物の小さな輪状痼の陰にまで入り込む。動かせなくなったはずの淫棒を、青山は器用に引き抜き、ずん、と腰を入れる。
「あ、あはぁぁぁっ!」
 彼女は身をのたうたせる。
「ん……オネエサン、射精る。とりあえず一発、出させて………」
 青山は舌足らずに甘えた語調であった。牝を甚振るためではない、自身のためのピストンに切り替わった。緩い腰使いであった。銀疣の凹凸を知らしめられる。
「あ、あ、あ、……あああ、!」
「オネエサン、射精る、ぅう」
 放精がはじまった。奥壁を殴られているような強さで垢液が噴き上がる。脈動が官能の疼きと呼応する。
「あ、ああ……あッ!」
 茉世の肉体の操縦権はすべて下腹部に移っていた。ぎゅん、ぎゅん、と射精の最中にある牡根を搾る。
「ダーメ。ヤーら。オネエサン、イったばっかなの。締めないで」
 青山は牝肉にぬりぬり牡垢を塗りつけて、彼女のなかから砲芯を抜いた。鶏卵の入っていたところから白濁の氾濫が強い粘性を帯びてタイルや彼女の腿へと押し寄せる。体力の有り余った、一種妖怪じみた、強壮な牡の子種汁は、むわ、と匂いたつ。
 オスはメスを抱擁して暫く呼吸を整えていたが、やがて転がった白い塊を拾った。
「オネエサン……卵産んですぐイっちゃうの、ヘンタイさんだね。あ、ワタシの精子ついちゃったから有精卵だよ、オネエサン。ヒヨコチャン生まれたら一緒に育てよ」
 茉世はまだ息が整わなかった。見る気にもなれない。だがそれでよかった。粘液まみれのそれを目にしたら、彼女は今後長らく鶏卵を口にできなくなっていたかもしれない。
「エッチオネエサンのおまんこの匂いがする。ジップバッグないの。オネエサンのおまんこジュースに漬けておきたいな」
「もう、帰ってください………そろそろ、出ないと、」
「ダメだよ、オネエサン。ワタシまだ足りないもん。お風呂入るのヤメな? 汚くないよ、オネエサン。お風呂入るのヤメて、ワタシともっとおまんこシよ」
 力無く横たわる茉世の腕を上げさせ、青山は鼻先を腋へと近付ける。
「オネエサンの腋のにほひがスる」 
 わざわざ嗅ぐ音を聞かせ、そしてべろりと舐めた。
「ぅんッ……!」
「しょっぱい」 
 彼女は口元を押さえた。まだ暑い日が続いていた。今日は雨も降った。汗をかき、肌はべたついている。腋の匂いは強くはないが、これほど至近距離で嗅がれてしまったならば皆無とはいえなかろう。それを躊躇いもなく舐める青山藍という存在が気持ち悪い。
「オネエサンの腋、イイにほひ! オネエサン、腋臭にナってよ。ねぇ、オネガイ。オネエサンのくっさい腋とくっさいおまんこの匂い嗅ぎながらシコシコシたいなぁ~」
「今なら、不法侵入したことは、……」
「ホントは言うツモリだったの? イイヨ、言っちゃいな? オネエサンがここで産卵シちゃったコトも、ワタシのドロドロの魚臭い精子、おまんこにたくさん射出されてキモチヨクなっちゃったコトもゼンブ言うんだよ? オネエサン、言える? 言えない? ワタシが言ってアゲようか。ダンナさん怒っちゃったら、またワタシが慰めてアゲルね。オネエサンのおまんこにズポズポおちんちん挿れて慰めてアゲル! いっぱいイくイくシたら、きっとすぐゲンキにナルよ。ダンナさんに捨てられちゃったらワタシがおヨメさんにモラウし、そしたら毎日ラブラブエッチしようね。でも3日間お風呂入っちゃダメ」
 胸を隠し、小さく蹲る茉世の顔を、青山は後ろから覗こうとしている。
「帰って……」
「またちんちん勃ってキちゃった……オネエサン、モウ一回おまんこシたいよ」
「帰ってください……」
 話すのも息苦しい。長距離を全力疾走したような疲労は、もはや入浴の体力も残していないようだった。
「えー。じゃあネコチャンと遊ぼ。ネココキシよ。もふもふネコチャン、ゆでタマゴ食べゅ?」
 真後ろで青山藍は立ち上がり、磨りガラスの引戸を開けた。黒い猫が片足を上げて待っていた。跳ねるようにやって来る。
「黒ちゃん……だめ。あっちに行っていて……」
 茉世に身を起こし、黒い猫を抱き上げ、脱衣所まで連れていく気力も体力もない。
「なぅん」
 柔らかな毛が素肌に心地良い。三足で歩くのも疲れたのだろう。猫は身を横たえ、振動がはじまる。
「ここは危ないから……黒ちゃん」
 尨毛に覆われた身体を揺する。
「なぅん。なぁん」
 金色の目を眇める様は、撫でられているのと勘違いしているようだ。
「オネエサぁン。ワタシにもカマってよ~」
 戻ってきた青山は、茉世の括れた腰を掴んで四つ這いにさせる。
「あ……っ」
 体内で吐き出された鐘状火山の溶岩めいた白濁が逆流する。粘膜を撫で、内腿を伝う。肉癢こそばゆさに彼女は身震いした。
「クロチャン、セックスシたこコトある? おまんこの味、シッてるの?」
 逃げようとした彼女を引き寄せ、強靭な肉杭を女門へ突き挿れる。
「ああああ!」
「あ~! ぬるぬる、スゴ………ぬぽぬぽッてるの、ワカル?」
 にちっ、にちっ、にゅぽ、にゅぽ……
 泥状の液体が空気を含み、潰れ、気泡を作る。
 黒い猫は寝転がったまま耳を頻りに動かした。異種族である。同じことをするが、意味合いが違う。気にすることはなかった。猫に人間界のセックスは理解できない。恥じらうことはない。だが茉世は無知ゆえの無邪気なこの毛尨に後ろめたさを覚えた。意味を解せずとも、生々しい音を、この動物にとって最も象徴的な耳が聞き分けている。懐いているヒトのメスが、ヒトのオスに犯されている音を。
「なぅう」
「黒ちゃ………、あっあっあっ、」
 絶頂を経た性感はさらに鋭敏になっていた。永世とともにいて捏ねた餅を食うのは青山だった。
「オネエサン、スゴいね。こんなカンジてたっけ? ワタシのコト、好きになっちゃったんだね。でもアソビだよ? オネエサンが先にダンナさんと別れるのがスジだもんね。そしたらケッコン、シてアゲル。デキちゃったケッコンかもね、オネエサン。イきまくりおまんこはスグ妊娠シちゃうから。オネエサン。ナカで出してアゲル。きっとオトコノコだね。ハゲしくてキモチイイ子作りはオトコノコだってイうでしょ?」
 茉世は物狂わしい前後運動に耐えられず、崩れ落ちる。
「あ、あああ……」
「オネエサン、しっかりシて? オシリ叩いてほしい?」
 臀部に掌を添えられる。返事をする余裕はない。
「ヤだよ、オネエサン。ここお風呂場ダシ。パンパンウルサイぢゃん。オシリ叩くオトコ、モラハラだからヤメな?」
 青山は尻に置いた手でその柔らかさを確かめるのみであった。そして膝を叩き、四つ這いの体勢を直す。
「オネエサンのおしりの穴、カワイイなぁ。いぢめたくなるね。ピンク色だ。ダンナさんはおしりの穴セックス、シてくれないの?」
「よ………して、よして…………」
 饅頭を二等分するように爪の鮮やかな指が白桃のような小丘を割る。薄紅色の蕾は真下の惨事に気付く様子もなく可憐であった。
「うん、イイヨ、オネエサン。今日はおまんこセックスの気分だからね。オネエサンとデキちゃった結婚スるんだもんね」
 180cmを超える男の胴体が容赦なく茉世の背中にしかかる。彼女は潰れた。黒い猫は危機感もなく、その脇腹に居座る。タイルと男体に押し潰され、その間を活塞のたびにバウンドする。快感の拷問であった。的確な摩擦に頭が爆発しそうで、最奥に衝突するたび眼球が飛び出そうである。
「あ、あ、あ、あ、!」
「なぁん……」
「クロチャンもオネエサンと交尾シたいの? でもクロチャンのトゲトゲちんちんじゃダメだよ。次はニンゲンに生まれてきな?」
「も………だめ、…………あああ!」
 暴力的な快楽とその疲労感を恐れた。タイルと男体の狭間をどうにかして逃げたかった。彼女は匍匐ほふくする。
「オネエサン? ドコイくの? ちゃんとイくイくスるんだよ?」
 肩甲骨の辺りに掌が乗る。体重をかけられ、他者の体温が離れていった。
「も、……よして、よして…………おねが、あっあっあっ、死んじゃ、う………も………ゃああああッ!」
「イくときはイく、ってイうのがマナーだよ、オネエサン」
 引き笑いが聞こえた。だが水の中に沈んでいくような曇りが耳を覆う。視界は白く、わずかに陰影が見える程度であった。浮遊感に襲われ、前後上下の感覚もない。身体は神経を失った。否、他人を受け入れてしまっている箇所だけしっかりと感覚がある。
「おい」
 今までのふざけた音吐おんととは一線を画した低い威圧だった。頬を叩かれる。しかし視界は色を取り戻さず、曇った耳鳴りはやまない。
「トんでラクになる気?」 
「ゆるし、て………」
「ユルスよ、ワタシは。オネエサンが他人棒に即イきするヘンタイ淫乱ビッチでも。またクるね。ダンナさんにヨロシク。まん汁タマゴごちそうさま~」
 青山の姿は見えなかった。おそらく半分、意識がなかった。気分が落ち着くまで彼女はそのまま横たわっていた。徐々に視界は色を取り戻し、聴覚も平生の状態を取り戻す。重低音と振動が鮮明に聞こえる。
「なぅうん」
「黒ちゃん……」
 小さな頭を撫でると、彼女はそのままシャワーを浴びた。湯を沸かし、日常生活に戻っていく。
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