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ネイキッドと翼 ケモ耳天真爛漫長男夫/モラハラ気味クール美青年次男義弟/
ネイキッドと翼 22
しおりを挟む脱衣所に水音が響く。流水音ではなかったし、洗濯機の轟音混じりのものでもなかった。粘こく執拗な音だった。
茉世は舌を吸われていた。後ろに倒れそうだが、欄干みたいに背中を支えられている。けれどそこに身を委ねることを恐れた。
「ん……っふ、」
他の個体の口腔に隠された餌でも漁っているみたいだった。飢えた獣だ。或いは他に水源もなく、喉を潤していた。しかしここは砂漠ではない。
「ぁ……っ、く、」
「舌、出せ」
思考も口内同様に掻き混ぜられていた。発せらた言葉を理解するのが精々。それを実行するか否かの判断も選択もしなかった。彼女は言われたとおりに舌を出した。あとは蝶になるだけの蛹みたいに反り返っている。蓮は美味そうにそれを舐め、絡まりにいった。
密着した下肢に萌動を感じる。生き物をカーゴパンツの中で飼っている。ハムスターのほかにまた実験動物を引き取ったのではあるまいか。
彼の腕の中は身動きできないほど狭かった。逃げることはできなかった。茉世はぼんやりしながら、腹の奥の燻りに小さく戦慄いた。股に当たる相手の隆起も重く膨らんでいく。
「ぁ………っ、ぅ」
「かわいい……」
彼女の口腔で暴れていた舌が引き抜かれた。頓着なく紡がれた糸を引き千切り、彼は互いの唾液にまみれた唇を啄む。
「放してくださ…………また、禅くんに……」
蚊も殺せないような力で彼女は黒いシャツを押し返す。
「禅に、いじめられたんだな?」
「ちが………っ」
「言ってくれ。味方になる。俺が先輩の傍にいる」
茉世は首を振る。欲熱に沸騰している瞳が妖しく煌めく。薄い唇が横に伸びてさらに薄くなる。彼は笑っていた。大きな白い手がパジャマの中へ忍び込んでいった。
「だ………め、だめ………」
掌は下着を潜り、肌を這う。そして陰阜を包んだ。指が小さな叢で戯れる。
「先輩」
黒いシャツを押し返し、首を振る茉世に、蓮は構わず頬を擦り寄せたり唇を食んだり忙しなかった。彼は耳朶を食べるのも好きらしい。
「ゃ……っ、蓮さ………」
「耳弱いのか」
吐息を吹きかけられると強張った躯体が大きく波打った。
「怒られ………ちゃ、………」
「誰に?禅にか?」
長い指は愛神の花園で憩っている。そのまま住むつもりかもしれない。
「怒られちゃ………」
「そのときは俺が怒られる」
茉世はただ首を振ることしかできなかった。
「だから今は、気持ち良くなって。俺の手で」
茉世はまた首を横に振る。シャンプーやリンスの甘い匂いを振り撒いていることに気付きもしない。
「だめだ」
命じるような口調で媚びたような声だった。陰毛を弄んでいた手がさらに下方へもぐっていった。木通を破り、熟れた果肉を掬い上げる。
「あ………」
「抱き締めて」
彼女は駄々っ子だった。首の可動域は横振りにしか対応していないらしい。
「落ちるぞ」
男の片腕が茉世の背中に置き直される。
「蓮さん………放して……」
「好きだよ」
会話になっていなかった。互いに勝手なことを言っていた。蓮は口元について寂しがり屋なのか、茉世の唇を求めた。
「あ……っ、」
仕切り直すたびに初めての相手に口付けるような優しさからはじまる。溶かしたマシュマロのなかに沈み溺れるような彼の接吻が怖かった。肉体を触られている感覚も紛れていく。だが長い指は容赦しないのだった。秘められた鐘肉を鳴らす。鋭い快感が下腹部に起こり、睡魔に似た朦朧とした意識が呼び覚まされた。
「く、んんッ……!」
浅く、蓮の舌に歯を立ててしまった。不本意だった。故意ではなかった。
「やったな」
指の腹で張り詰めた小さな肉粒を抉り潰されていく。
「あ、あ、あ……っごめ…………なさ、ぁっ」
閉じられない唇から透明な津液が溢れて滴り落ちる。
「いいよ。先輩に噛まれて、嬉しい」
血は出ていないようだった。だがよく確認したわけではない。彼は被虐趣味があるのだろうか。茉世から見れば、彼はむしろ加虐趣味の人だった。
「ここでイく?」
「だめ………、あ、あ……ッ、手、放し……」
「放さないよ。やっと触れられる。先輩」
彼の音吐は電気を帯びてはいまいか。茉世は耳に吹き込まれ、かたかた震えた。
「怖いか?」
彼女は柔らかな頭突きを喰らった。額に額を当てられ、恐ろしさのあまり顔を背けた。
「好きだよ」
緊張が感度を高めていた。より明確に蓮の指の加減を知ることになる。
「あ、あ………」
「細いな」
逃げようと後退ったところで洗面台があった。そして何より、眼前の男がわずかな隙間も許さない。
「先輩」
「ぁは、んっ」
耳殻へ唇が触れた。淫らな落雷に撃たれる。腰骨が抜き取られたみたいだった。膝から落ちそうだったが、やはりそれは許されなかった。彼女の視界は明滅する。躯体はへし折られそうなほど強く抱き締められ、密着を強制されてはいるが、咲いてしまった花をまだそこに留まる指へ押し付け、擦り寄せていた。
「は………あぁ………んん」
「まだいじったら、どうなる?」
爛々として蜜煮みたいになった双眸は熱心に彼女を捉えているが、口元は悪戯っぽく綻んでいる。
「だめ、だめ………っ、触っちゃヤ……っ!あんっ」
彼女を襲う情痴の横槍と余韻が引くまで彼は抱擁を解かなかった。
「先輩」
「だ……いじょぶ、だから…………傷のこと、全然、気にしてな………」
「気にしてくれ」
蓮はまだぼんやりしている女の左腕を拾った。そして傷痕に数度口付ける。
「蓮さんが、ずっと引き摺るようなものじゃ、ない……し……」
「俺が引き摺りたい」
茉世はキスを拒んだ。彼はすぐに身を引く。
「一緒に風呂、入るか?」
「もう寝ます……」
「おやすみ。俺の夢、みてくれ」
返事に窮した。小さく会釈をして廊下へ出る。
「蓮くんと一緒だった?」
脱衣所を出ると、そこには蘭が立っていた。幽霊かと思った。しかし透けてはいなかったし、寝る前に見たのと同じ浴衣を着ている。帯も同じだった。茉世は固まってしまった。何を訊かれたか一瞬にして忘れてしまった。
「災難だったね。何か言われなかった?」
夫は勝手に話を進めた。扉の奥で何が行われていたか、聞きはしなかったようだ。
「はい……すみません。起こしてしまって……」
「ううん。喉渇いちゃってさ。戻ろ」
穏やかに笑っている夫の目が見られなかった。茉世は目を伏せて後をついていく。
翌日、三途賽川には訪問者があった。夫はその者にかかりきりで、やがて永世も呼ばれた。御園生はデイシアマーケットに勤めに出て、霖は高校に行っていた。ひとつ屋根の下の、ほんの油断だった。
夏の盛りが過ぎて、まだ秋というには暑いけれども、幾分過ごしやすくなった昼過ぎに、茉世は庭で猫を探していた。鳴き声が近くの茂みから聞こえていたのだ。彼女は耳を欹てた。子猫かもしれない。
ラムネで作った笛のような声がまた聞こえる。だがそれがどこから聞こえるのか分かった。空である。空に小さな影が浮かんでいた。鳶だ。猫ではなかった。彼女は空を仰いでいた。
石階段から上がってくる者がある。
ここは住宅である。けれど近くに社があった。三途賽川が管理する社で、一般開放されている。蘭はよくそこへ出掛けていた。間違えてこちらに来たのかもしれなかった。その人物はいかにもそういう風采であった。刈り込んだ頭に片方だけ髪を残して流している。モヒカンに似た奇抜な髪型だ。パンクロッカーを思わせる。毛先を青色に染め、三途賽川の客人とは思えない出立ちである。鋭利な顔立ちが辺りを見回して、茉世を認めた。その端整な顔立ちが派手で特徴的過ぎるヘアスタイルを個性として成り立たせている。唇にはピアスがいくつか生えていた。タンクトップに膨らみのある夏用のMA-1コートを肩出しで羽織っているのも、今風ではあるが、この家の敷地で見るには異様であった。
茉世は思わず後退ってしまった。背の高い男は破顔する。
「絆の家ココだろ?案内してくれる?」
顔立ちや外見から受ける印象を一気に崩す人懐こい笑みである。その落差が、彼を善人だと決定させる錯覚を起こす。
「絆さんの、お知り合い……ですか?」
「そ。あいついい家住んでんだな」
「あの……絆さん、今、この家に住んでいなくて……」
相手は口を開いた。蛇のように割れた舌を見せる。銀色の出来物も生えていた。歯には治療とは異質のシルバーの装飾品が被せられている。茉世はまた威圧感を覚える。
「へへ。いいの、いいの。案内してよ」
戸惑ってしまった。絆の知り合いとはいうが、本当に絆の知り合いなのだろうか。
「お宅さん、アイドルとかって詳しい?」
あまりにも唐突な質問だった。
「いいえ……すみません。どうにも疎くて……」
「ワタシ、青山藍っていいます」
「は、はあ……」
得体の知れない相手に、茉世はすっかり縮み上がってしまった。言葉は通じているけれども、意思疎通が図れている感じがしないのだった。
「お宅さん、絆の何?」
足の裏で玉砂利が転がって軋る。嫌な汗が噴き出ていた。
「絆さんの、親戚です……」
「絆に?こんな美人な親戚が?」
上半身を屈め、彼は茉世に目線を合わせようとする。それが睨んでいるように見えて仕方がなかった。
「い、いえ……そんな……あ、あの、主人を呼んでまいりますので……」
どう対応していいものか分からなかった。絆のことならば三途賽川のことである。夫か永世か、どちらかならば話が通じるかもしれない。或いは知り合いの可能性も低くはなかろう。
「ッチ。鈍臭ぇ女だな」
彼女は耳を疑った。舌打ちが聞こえたのだった。真っ黒に塗られた爪の乗る指にはごつごつと石ころ大の指輪が嵌まっていた。服を掴まれ歩かされる。納屋のほうへ引っ張られていく。
「あ、あの……」
「家案内しろって言ったらしろ、ブス。オレのこと知らないって何?山奥にでも住んでらっしゃる方?」
初対面から投じられた暴言に茉世は驚いた。最初、何を言われたのかすぐに理解できなかった。言葉の意味ではなかった。悪意について、咄嗟に受け取ることを拒んでいた。声も出ない。
「なんだ、主人って。結婚してんの?」
語気を強めて悪罵したかと思うと、突然、日常的な会話に戻る。
「は………はい…………」
「あ、何?ワタシのこと怖がってる?こんな見た目だから?外見サベツ反対」
聞き間違いだったのかもしれなかった。先程の雑言は。彼は屈み、人懐こく笑っている。
「あ、もしかして絆の兄弟のお嫁さん?」
「は、はい……」
冷や汗が背中に滲んでいた。頭は真っ白くなっている。身形から受ける印象も恐ろしいが、掴みどころのなさがさらに不安を煽る。
「絆のカノジョじゃないんだ。絆の好みっぽいのにな。おっぱいデッカい華奢な清楚系………」
ごてごてと石ころをつけた指は、話しながら茉世の胸を鷲掴んだ。
「え……?」
「アイドルが相手してやってんだから、光栄に思えよ、既婚ババア」
彼女は愛想笑いを繕うが、引き攣っていた。逃げるべきか。逃げて無事で済むだろうか。ここで穏便に済ませるのが最善ではなかろうか。本能のなかでのやり取りだった。戸惑うあまり、理性的による思考は停止しているのだった。
「セックスさせろって言ってんだよ」
服越しに硬い指輪の感触がある。
「あ………あ………あの、」
「おっぱいデッカ………絆だけずりぃよ。ワタシにもセックスさせろ」
男の身体が密着した。後ろから抱擁するようにして、彼は胸を揉む。
「や………やめ、………やめて、くだ………」
「アナタみたいな地味なブス、二度とアイドルとおまんこすることないと思うんだけど?感謝してくれよ」
服の中に手が入った。体温の低い手だと思ったが、四指に嵌ったシルバーの冷たさを知ると生温かく感じられる。
「ゃだ………ゃだ…………やめ………」
それは他者に対する拒絶ではなかった。半ばそうであったかもしれないが、彼女はこの現状について否定したかった。
キャミソールと一体化したカップに潜り込まれてしまう。
「乳首が勃起してるな」
人の肌の質感と体温、無機質の感触が斑模様にやってくる。
「あっ……」
寒気のあまり突き出た箇所を摘まれ、異様な電流が腰を伝う。
「このデカぱい揉み放題か~」
見た目からして、軟派で軽率な偏見を持たざるを得なかった。そういう人間は色事にも猛進する。果たして本当に偏見だったのだろうか。真っ当な見方ではなかったか。彼の手つきは慣れていた。伸縮性に優れたキャミソールは、指輪のごてごてと嵌った指もカップの内側で、悠々と乳房を這う。つんと張り詰めた先端に躓いて茉世を困らせる。
「ん……っ」
「乳首感じるタイプの人?よかったわ。こんなにおっぱいがデッカいと、乳首感じないかと思ったけど……ちゃんと旦那サンに愛してもらってんだ?それとも絆?若いアイドル搾り取ってんの?地味なブスって性欲強そうだもんな。ワタシ兄嫁寝取りモノって大好き」
掌が柔らかな乳房を持ち上げ、指先が突起を捏ねる。
「ぁ……あ、やめ………て、くだ………」
「やめない。アナタはワタシとおまんこするんだよ」
アイドルを自称する絆の知人は茉世の尻に腰を押し付けた。硬く膨れたものが当たっている。その正体を茉世は知っていた。
耳の裏に迫ったピアス付きの唇が息を吹きかける。力が抜けた。警戒を呼びかける意識を削がれてしまう。
「おまんこすんだよ、ワタシと」
分かったか、とばかりに指と指に挟まれた実粒を抓られる。しかしそれは痛みを与えることを意図したものではないらしかった。甘い痺れを生んで、茉世を戸惑わせる。空気を含む上着に包まれていた腕に添えた彼女の手は、さらなる刺激を乞うているようですらあった。
「ふあ、ああ……」
「腰めっちゃ押し付けてくるね。旦那サンはシてくれないのかよ」
耳殻を喰まれる。温められ、冷たく固いものが掠り、また冷やされる。淫らな悪寒が走り、背筋が痺れる。凍えたように小刻みに震えた。
「ハハハ。きゃわじゃん。おばさん、耳弱いんだ」
今度は息ではなかった。ぬめったものが耳朶を小突く。
「あ………ぁあ………」
彼女は惑乱していた。おそらく何も考えてはいなかった。真っ白な頭の中に様々な感覚が現れ、浮き出てくるべき恐怖を打ち落としていた。
耳に集中させておきながら、男の指はふたたび胸の先を擂る。頭の中が霞む。思考が働かない。口を閉じるのも忘れ、粘度を持った涎が地面へ落ちていく。
「あれ?乳首こりこりされてアヘってる?」
異様な男は後ろから貌を突き出し、茉世を覗き込んだ。
「ふ、ああ……」
「ワタシ、乳首イきする人見るの初めてだから、見せて」
カップの中で、ラメの入った黒い爪が剥かれた。そしてきゅっと彼女の弱みをきつく締めた。
「あッ」
一瞬の鋭い痛みが駆けるやいなや、また指の腹で的確に摘まれ、滲むような官能が臍の奥で渦巻く。
「ゃら………っ、!あ、あああっ」
下腹部が大きく疼いた。茉世の腰が痙攣を起こした。密着した男にも伝わっているのだろう。
「実績解除~」
ところが青山とかいった男はまだ末世を放すつもりはないらしい。
「乳首イきすごいな……ドヘンタイだ、アナタ」
「はな……して、もう、放してくださ………」
胸の先端で絶頂した余韻はまだ引いてはいなかった。だが逃げなければならなかった。力の入らない手で、銀色の石が嵌った指を剥がそうとする。
「まだおまんこしてないでしょ、嫌だよ。アナタは気持ちヨくなって満足だろうけど、ワタシまだ気持ちヨくなってないんでね」
青山藍とかいう男の手は、通気性のよい綿の女性用ステテコパンツへと忍び込んでいく。
「こんな色気ない服着てちゃ、レスるよ」
会話をする気はないらしい。もう片方の手は茉世の口の中を弄っていた。喋ろうとすれば、舌を引っ張られる。閉じられなくなった口から、唾液が滴り落ちた。
男の指は陰阜を降りて、皁絹に構うこともなく、秘所を辿った。指輪の冷たさが奇妙な感覚を生む。その固さと冷たさが怖くもあった。
「んあ……」
厚みのある小さな弁を擽られる。鮮明な性感が腹の内側を駆け上っていく。
「また先にイかすと調子ノる?」
痼りのようになった淫らな芽を、黒ネイルの指が捏ねるのだった。
「あ!あ、……あ、あ……」
腰が跳ねた。後ろに引けば、尻に男の膨らみが当たる。前に行けば、冷たい異物が肌に当たる。集中的に核を転がされていた。
「だ………め、あんっ」
鋭い悦楽の雛尖から指が離れた。縮こまっていた彼女の身体が弛緩する。徐々に上り詰めていたものが、急降下していった。
「ああ……」
指はさらに奥へと潜る。
「旦那サンとはいつシた?絆とでもいいや。慣らさなくていい?」
窪みはぬるついていた。慣らすというよりも、手慰みの挙措で彼は茉世の蜜壺を探った。隘路を拓かれ、指輪が粘膜にぶつかる。ぬぽっ、ぬぽっと中で指で伸び縮みする。
「んあ」
「きっつ……いいよ、オバサン。無理すんなよ。ワタシにおまんこしてもらえるからって、処女ヅラしなくても」
青山藍とかいうやつは、茉世を壁に突き飛ばすと、彼女の穿いているものを膝までずり下ろした。
「い………ゃ、ァあ……!」
彼女の呻めきに、青山は冷ややかな笑みを浮かべる。彼には女の秘部の全体が見えていた。濡れて光る朱色の九皐が、本来は夫と医者だけが見ることのできる箇所が、輒然として現れた奇抜な身形の男の眼前に晒される。
茉世は羞恥に顔を染めた。
「美味そうだな。もしかしてマジでレスられてる?綺麗だな」
青山藍は果汁煌めく割れ桃を舐め上げた。
「ひゃあぁ」
「ケツの穴までかわいいな。シたことある?アナル」
星空のような爪が小さな窄まりを隠した。触れた途端に蠢めく。果汁がまた溢れて輝いた。
「や………ぃや………いや………!」
「ケツかわいい…………素質あると思うよ?」
青山は、茉世の蕾を撫で摩る。彼女は必死に首を振った。
「そんなにいや?ハマっちまうとまんこ突かれるよりイイらしいけど。分かったよ。アナルはやめてあげるから、ほら、舐めて。人妻なんしょ?チンポ舐めたことくらいあるよな?」
指輪だらけの手が彼女の頭を押さえつける。
「む、りです………そんなこと、できな………」
「やれよ。アイドルのチンポしゃぶれ」
茉世の目の前で聳り勃つ肉竿が弾んだ。思わず、その形状を眺めてしまう。張り出た先端部の少し下に、ビーズのようなものがリング状になって埋め込んであるのだった。病質的で、嫌悪感が湧く。
「い………いやです、むりで、………」
「ふぅん。じゃあケツでさせろよ。アナルファックさせろ。あのな、ブス。譲歩してやってんだよ、こっちは。誰が好き好んで地味でブスな既婚ババアなんかにチンポしゃぶらせるんだよ?」
茉世は震えた。おそるおそる舌を伸ばす。香水の匂いなのか、ボディソープの匂いなのか分からなかったが、近くのドラッグストアで売っているような類いのものとは思われなかった。六道月路の若い養父から薫るものと同質のものだった。安くない香りがする。自称アイドルに過ぎないが、アイドルという信憑性は低くなかった。
茉世はただ舌を動かした。前髪を掴まれ、位置を決められる。
「これは旦那サン、レスるな。フーゾク行ってるよ。フェラチオも下手、アナルファックもさせないなんて、おっぱいがデッカいことしか取り柄がないんだな。デカぱいにステ全振りじゃ、旦那サンが可哀想だよ」
彼は無理矢理に、茉世の小さな口に入り込んだ。頭を押さえて腰を振る。
「噛んだら殴らせて」
反撃が怖かった。茉世は口蓋垂を穿たれ、喉奥を突かれる苦しみに耐える。生きたまま蛙の轢き潰される音が、その可憐な喉から漏れているのである。嗽に似た呻めきが。
茉世は顔中を津液で濡らしていた。言葉は出てこない。恐怖すらも感じなかった。ただ視界が明滅し、透明なままそこに存在しているような、不思議な心地がしていた。
「ヘタクソ!」
だがぼやぼやしていると、短く持たれた髪を引き寄せられる。喉が異物を拒んで締まる。その締まりによって、妙な匂いの立ち込めた男体の証が破裂する。同時に彼女は吐気を催した。生臭い粘液が溢れ返る。
「フツー、飲むんだよ。これはやっぱレスだな。デカぱいひとつで甘やかされて。ぱいずりひとつで成り上がったわけだ?はっはっは……」
咳き込んでいる相手に容赦はなかった。射精した直後だというのに、彼の唾液まみれの棍棒は次の蹂躙を待ち焦がれていた。
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