Never Say Hello

結局は俗物( ◠‿◠ )

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Side K 4

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Side K

 ばかみてぇ。隣の男が石を投げる。やめろよ。ばかみたいという表現に対してか、それとも石を投げる行為にか明確な意味はない。鷲宮観月。自由人、破天荒、スケコマシ、貞操観念ゆるふわ男、下半身暴れん坊大将軍、でもカレシにしたい男№1。どこ調べだよ、内心悪態を吐く。小石がウサギ小屋に当たって、ウサギたちは跳ねて奥へと消えていく。本当に小さな小さな小石。けれどウサギたちは逃げていく。おっかなくてヤバげなお兄さんじゃ、小さい小石も凶器みたいなもんだしね。
「っつーか何してんの」
 観月の関心が俺に向く。飼育委員じゃねぇよな?問われて頷く。めんどくせ。何がめんどくせぇのか分からないし別に説明も要らないけど観月はそう吐き捨てた。
「見て分からない?」
 見て分からないどころか分かろうともしないだろう。でも俺も説明するの、それこそ面倒臭いし。観月は頭をガリガリ掻いて、トリの世話、って雑に言う。そう正解。厳密に言うと軍鶏の世話。俺と観月を隔てるのはほんのフェンス1枚。テニスボール1個はすり抜けてしまいそうなほど目の粗い。だけど多分それだけじゃないんだろうね、俺とお前を隔てているものは。
「軍鶏よりウサギの方がいいだろ」
 軍鶏小屋の隣のウサギ小屋を見つめだした観月。鳥インフとか怖ぇだろってぶつぶつ言ってる。真顔になるとイカツく見える観月は基本的にいつも笑うか怒るかしている。自由人だしな。
「ウサギは嫌だよ。おっかないから」
 はぁ?って観月は首を傾げた。女遊び激しい割りに噛まれたコト、ないのかな、モテ男くんは。
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