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メイドラブ 1話完結/男性側一人称視点/反抗的メイドヒロイン
メイドラブ メイドの日2023
しおりを挟む日付に語呂合わせて遊ぶのが流行りらしい。昨日は5月10日。五重の塔の日かと思えば、5月がMayで十が濁って、メイドの日、らしい。
俺が居間に行こうとしたとき、兄上の部屋にふざけたデザインのメイド服があるのが見えた。ドアは開け放しで全開だったから……
ベッドの上に投げ出されていて、昨日はうちの屋敷のメイドは休日で、今になってそういうことかと理解した。あれは父上なりのお茶目だったのだな。
俺は兄上の部屋に入り込んだ。兄上とは言っても家督を継ぐのが向こうというだけで、双子というのもあるのかお互いに縄張り意識がそう強くない。
ベッドの上のメイド服に興味があったのだ。真っ黒なドレスに、白いエプロンで、フリルは白いが銀色に見えた。オー……オーガニック………違うな、ああ、オーガンジーか。ざりざりとした固い手触りで、なかなか上等だった。丈はいつも見るメイドたちのものより明らかに短かったし、フリルも大袈裟だった。こんなふざけ過ぎたメイド服を着させて仕事をさせるなんてあり得ない。
「お、興味ある?いいぜ、オレは昨日使ったから、貸してやるよ」
俺はびっくりした。部屋の扉のところに兄上が佇んでいる。二卵性双生児の俺たちはあまりにも似なかった。
「昨日、使った……?」
俺は首を傾げた。
「おい、オレが着たんじゃねぇぞ。御世のヤローに着せたのさ」
御世に……
御世は姉上の夫の浮気相手だったとか聞いている。泥棒猫らしい。弟がいるとか言っていたが、他に身寄りのない女だそうだから、三途賽川家で買い取った。性接待をさせると父は言っていたけれど、俺と兄上で直談判しておもちゃにすることにした。父上も、久々に俺たちがおねだりして、そしてそれを満たせることに満足していた。父上から見て、俺は無欲らしかった。物はいつか壊れてしまうし、食べるものも刹那の感覚でしかない。そうなると、欲しいものは無くなってしまう。好きな女でも憎い男でも買ってくれると言ったが、生憎、俺は人に対しても関心が薄いらしいから、父上は俺への贈り物というのに苦心したと聞いている。
「俺も御世に着せていいか」
「ああ、いいぜ。これも貸してやるよ」
兄上は赤い首輪も貸してくれた。大振りな銀の鎖は狂犬を留めておくように思える。
「あと、これもな」
_首輪とセットなのか、同じ色味の赤い縄も渡される。
「噛まれないようにな」
「うん……ありがとう」
俺はふざけたメイド服と首輪と縄を持って御世を閉じ込めている部屋に行った。風呂トイレと天蓋ベッドのある大きな部屋だから、脚も伸ばせない穴倉に監禁しているわけではないし、弟の学費も生活も面倒を看ると約束しているから、不安になることなんてないだろう。兄上と俺が飽きたら、職の心配があるだろう。その場合はここで雇えばいい。姉上や兄上や俺の子供たち、或いは孫の世代まで看てくれるばあやになれば。
扉の鍵は兄上と俺だけが持っていた。鍵を解き、扉を開くと、御世はベッドではなくソファーで寝ていた。長い黒髪が座面なら落ちて、艶やかな墨の滝みたいだった。白く華奢な四肢が折り畳まれ、可憐だ。兄上が服を着ることは許さなかったけれど、ベビードールだけで寒いのは可哀想だから、俺の選んだ服だけ着ていいことにした。姉上は俺のファッションセンスに散々な物言いだったけれども、俺はこれが一番、彼女に似合っていると思っている。
「御世」
俺はソファーの傍に屈んで、彼女の髪を撫でた。冷たく、吸い付くような質感だった。俺の使っているやつの女性用のシャンプーを使わせている。リンスもそうだ。けれども俺のより甘い香りがする。
「御世。風邪をひくぞ。起きなさい。寝るならベッドで寝なさい」
俺が御世の腕にある輪状の擦り傷を見たのと同時に、彼女は目を開いた。睫毛が長い。目蓋が薄い。顔が小さい。可憐だ。
「ひ……っ」
彼女は飛び起きて、俺から距離をとろうとした。
「眠いのなら布団で寝なさい」
御世は首を振った。
「そうか。それならこれを着ろ」
ふざけたメイド服を見せると、彼女は目を伏せていた。膝の上の小さな手が握り締められている。
「昨日、兄上に着せてもらったんだろう?俺のためにも着てくれないか」
「……っ、いや」
「着てほしい。着てくれ」
「………っ」
「拒むのか」
これは御世なりのプライドで、押せば従うしかないことを知っている。
「着なさい」
否定も肯定もしないで、御世は俺の手からふざけたメイド服を捥ぎ取った。そして今着ている服を脱いでいく。俺の選ぶ服は、姉上曰く「童貞臭い」らしい。兄上曰く「女に夢見過ぎた男っぽい」だそうで、父上曰く「援交娘が着ていそう」だそうだ。
御世は処女ではないけれど、兄上と俺で何度も犯したのに清楚で可憐だ。彼女にはシックなグレーのワンピースがよく似合う。兄上の露出の多い黒基調の服も悪くはないが、俺は御世が肌を晒すと、訳の分からない焦りと不安に襲われる。
俺は御世が服を脱いでいくのをぼんやりと見つめていた。背中が美しい。黒いレースのブラジャーが肌に食い込んで、華奢な躯体と強調された肉感のギャップに俺の身体が火照ってしまう。彼女は頻りに振り返る。
「どうした?」
「べ……別に………」
御世は一度、ワンピースを脱いで下着姿になった。黒いレースのブラジャーとショーツは兄上が選んだものだ。俺としては御世は白い下着だと思うのだが、下着についてのこだわりは兄上のほうが強いから、俺の口を出す領分ではない。
それからふざけたメイド服を身に纏っていく。膝丈で、オーガンジーのフリルによって膨らみを保たせてあった。
「ファスナーは俺が上げよう」
背中に手を回す様がハムスターみたいで可愛らしい。
そして彼女はふざけたメイドになった。ニーソックスはリボンで留め、腿裏にリボンの両端が長くぶら下がっているのはいくらかくどい。ベッドドレスもやたらとフリルが華美だ。金字で御世の名前がアルファベットで入っていて、やたらと御世のサイズに合っていると思えば、どうやら特注品らしい。
「俺のメイドさん」
けれど御世の目は、俺の手にある首輪と縄にばかり注がれていた。
「付けてほしいのか?」
俺は首輪を見せた。すると御世は、力強く首を振った。
「着てくれ、俺のメイドさん。遊ぼう、俺と」
ソファーに座り、隣の座面を叩く。メイド服の御世はすぐに従わなかった。
「悪い子だな、御世。悪い子だ。スカートを摘んで、下着を見せなさい」
俺はオーガンジーのフリルと腿が見え隠れしているスカートの裾を凝らしていた。
「メイド服を着る日は、昨日だって……」
その視線に気付いたようだ。御世は裾を押さえて、恥じらっている。いい女だ。
「そうらしいな。けれど俺のはそれとは別だ。昨日は兄上、今日は俺のメイドさんになってくれ。さ、ご主人様の言うことをきけない悪い子は、裾を捲って下着を見せなさい。赦してあげるから」
御世に拒否権はなかった。彼女は歳の離れた弟をそうとう大切に想っている。見限ってしまえば、身一つでここから脱走することも、反抗し続けることもできただろうに。そして訳の分からない優柔不断な御曹司に引っ掛かることなかっただろうに。どうせ、弟の面倒を看るから一緒になるよう乞われたのだろう。それが肉体の提供を求められているとも知らずに。義兄はそういう人だ。
「御世」
けれど俺は御世の意地に付き合う。従順なのは面白くない。
「言うことをききなさい。俺に甘えているのか?かわいいな」
煽ってやれば、御世は裾を持ち上げて、俺に黒いレースのショーツを見せる。その光景に俺の腰一帯が小さく疼く。下着にあまり関心はないが、スカートを自分で摘んで中身を見せているというシチュエーションに興奮した。
「いい子だ、御世。こっちに来い」
御世の素肌には至るところに輪状の擦り傷と痣があった。兄上に縛られたのだろう。また俺にそうされるのを恐れている?
躊躇いがちに俺の目の前にやって来る御世は、震えて見えた。
「いい子だ、御世。乗ってくれ」
腿を叩く。けれど御世は恥ずかしがっている。
「乗りなさい。そして膝立ちになりなさい」
少し語気を強めると、御世は俺の膝に跨がり、座面で膝立ちになる。
「手を下ろすな」
俺の眼前に、黒いショーツが迫る。
「いい眺めだな、御世」
黒いレースに薄らと見える小さな叢。スカートの中で籠った甘い匂いに眩暈がした。
「……っ、」
「汗をかいたか?緊張しなくていい。別に酷いことはしない」
なんて、弟の生活を人質に好き勝手しているのだから、勘違いも甚だしいな。
「昨日は兄上を愉しませたんだろう?今日は俺が労ってやる」
ショーツを腿まで下ろすと、御世の白く長く細い指がスカートの裾で隠そうとした。
「御世。片手は俺に置きなさい」
「ひ、緋加璃さ……さま……」
「なんだ、御世。俺に御世のいやらしいところを見せなさい」
御世の手がおそるおそる俺の肩に添えられる。そして片手はオーガンジーのフリルごとスカートを摘み上げ、その下には慎ましいアンダーヘアが見えた。俺は首を伸ばして、そこに鼻を埋めた。
「あ………あ………」
「いい匂いだ、御世。今日も馨しいな」
存分に彼女の絹みたいな陰毛を嗅ぎ、頬擦りすると俺は彼女のその奥に舌を伸ばした。
「ぁ………っふ、」
舌先に肉感が触れた。小さくも硬くなっている。豆を転がしているみたいだった。突つき、舐め摩る。
「あ、あ………ん」
御世の身体が揺れた。漏れ出る甘い声聞きたさに、俺はさらに舌を動かした。肉弁の生えたところから先端までを撫でる。掬い上げるように舐め上げると、先端部にさらに小さな球体があるような気がした。
「や……ああんっ!」
手では俺を拒むが、彼女はその股ぐらを俺に押し付け、甘い声はいやらしさを増している。彼女が膝立ちをして架かる真下で、俺の下腹部は熱を集めていた。視認できるだろう。けれど彼女にそれを確かめる余裕もなければ、おそらく関心もないだろう。
女の敏感な部分を舐め続け、やがて、彼女の腰を抱き寄せると、俺は後頭部をソファーの背凭れに預け、背中を下に滑らせた。御世のさらに奥を味わいたくなった。
「んや……っ、あ……!」
「こんなに濡らして、溺れそうだ」
朱色の彼女の肉は、潤んで光り輝いていた。俺はすべて啜りとるつもりでかぶりつく。複雑な襞と襞の狭間に舌を這わせ、質感の違いを探る。そして、薔薇の花の中心部みたいな孔へと入った。
「あ……!な、か………、は………」
御世が腰をくねらせる。俺の顔に愛液を塗りつけたいみたいだった。俺は舌を彼女に突き刺して、内部を漁る。けれども舌では限界がある。御世の快いところには届かない。
俺は御世から口を離した。見上げると、彼女は蕩けた目をしていた。唾液まみれにした孔へ指を突き入れる。
「んぁ………っ、ああ……っ」
「可愛いな。昨日したんだろう?なのにもうこんなにきついのか」
兄上と体格はそう変わらないが、細部までは分からない。兄上は小さいのだろうか。それとも御世の才なのか。
「卑猥な音がするな。それだけ濡れているんだ。いやらしいね、御世」
「あ、あ、あ………っ、あなたが、舐め……んっううう!」
気の強い女だ。俺は手淫を剥がしくした。親指で陰核も捏ねることにした。
「舐めただけでこんなに唾液がつくわけないだろう?」
粘着質な音を聞かせてやれば、御世は顔を真っ赤にした。
「だ、め………やら………や、あっ!」
彼女は腰を前後に揺らしてエプロンも黒いドレスも揺蕩った。オーガンジーのフリルが靡き甘い香りが爆ぜる。
「拒んでばかりで悪いメイドさんだ」
指の締め付け、快楽に悩んだ顔、媚びた声から、彼女の絶頂が近いことを悟る。だから俺は手を止めた。
「ん………っ、あ」
「今日は悪いメイドさんを労う日だからね。兄上にたくさん気持ち良くしてもらったのだろうが、兄上のペースだろう?」
俺は彼女の股ぐらの下にある俺の性器を取り出した。すでに硬くなっている。
「扱いてもっと大きくしてくれ」
御世は怯えていた。何度見ても怖いものらしい。確かに単純な造形に見えて先端付近から妙な構造をしているのはグロテスクだ。
細い手を取って俺のに触らせる。
「メイドさん」
「い、いや……!いや!」
彼女の手を介して自涜している気分だ。そのまま出してしまいたくなる。
「メイドさん。挿れてくれ。好きに動いて、憎い憎い俺を苦しませることもできるぞ」
「し、しない………放って………おいて………」
「いいのか。俺がメイドさんを好きにして」
腰を両側から押さえて、彼女の腰を落とそうとする。背中で縛るエプロンで、細い腰がさらに細く見えて、スレンダー好きの俺の心を弄ぶ。
「いや!いや………!」
「抵抗しないと俺のが入るぞ、御世」
彼女は腰を引いて、俺の完全に勃ち上がったものを恐れている。
「俺の好きにしていいんだものな?」
御世の中に入りたくて、俺のものはだらしなく跳ねている。
「………赦して、赦して………」
「赦す?何に対して」
俺の先端が、彼女の粘膜に触れている。避妊具は着けなかった。俺の子でも兄上の子でも、跡継ぎが生まれるのはいいことだ。俺や兄上の結婚相手が子を産めるとは限らないし、産まれるのが男児とは限らない。
「お邪魔するぞ」
徐々に彼女の体内に入っていく。弾力と温かさが俺の敏感な部分を締め上げる。
「あああっ……!」
すべて一気に突き入れたくなる。御世は天井を仰ぎ、口元を押さえていた。突き入れたい……突き入れて、動きたい……!
「そんな、締め、るな………」
「抜いて………」
俺の勃起に彼女の熱くきつい内壁が吸いついて、焦らされている心地だ。
「ぃや……!いやぁ!」
御世は腰を上げた姿勢で俺にしがみつく。何度かやっているけれど、跨る体位には慣れないようだ。
「かわいいな」
彼女から来てくれるなんてありがたい話だ。俺は彼女の頭を撫で、髪を梳いた。それでいて片手は腰を落とすよう促している。
「抜いて、抜いて……お願い………」
「だめだ。ご主人様の言うことをきけ、悪いメイドさん」
泣き出しそうな御世の唇を吸った。
「ゃら………」
「口を開きなさい。舌を吸ってやる」
俺にキスされて驚いたのか、強張った四肢から力が抜け、彼女の腰が落ちてくる。理性を保つのも楽ではない。絡みつかれて、すぐにでも抽送をはじめたいところだった。
俺という情けない男には忍耐がない。様子をうかがいながら自分の腰を持ち上げる。
「動、いちゃ……んんう、」
喋った隙に口を塞いでしまった。御世とのキスは甘くて困る。脳が溶けて、骨も肉も融解していくような心地になる。これは十分に物質的な快楽なのだが、どこか物理的でないような気がしてくる。
抗う小さな舌を押し除けて、俺が主導権を握った。マウンティングして、滑らかな裏側から彼女に巻きついた。
「ん……くんんっ」
女はみんなはこうなのか?好奇心旺盛、経験豊富な兄上とは違い、俺は他に女を知らない。飽きたとか不和だとかで、いつも傍にいる女は違うけれど、兄上は御世に対して色々買ったり、着せ替えたり、様々な要求をするから、御世は兄上や俺にとって相性のいい女なのだろうか?他に女を知らない俺には、御世で満足できてしまう。のめり込むのは拙い。俺には父上の選んだ女と結婚して、子供を作る使命がある。
その女が御世ならいいのに……
俺は彼女を突き上げてしまった。オーガンジーのフリルが風を含んではためく。
「ああっ」
御世はごく一般的な家庭の生まれだ。俺と結婚なんてできるはずはない。妾にするのも許されなかろう。
「メイドさん。気が変わったよ」
俺は彼女と繋がったまま、その華奢な姿態を抱き寄せた。ソファーから立って、座面へ寝かせる。
「あっ!」
「気持ち良くなってくれ」
彼女の腕を左右交差させて握った。リストバンドみたいな袖口のカフスが腕の細さと長さを際立たせる。素肌には縄の痕が刻まれていた。昨日はどんな目に遭ったのだろう。ろくでもない男だ、俺は。彼女に打ち込んだものが固く膨らむ。
「あ……おっき………ああっ!ゃあ!」
もう我慢しなかった。俺はぬるついた彼女の狭い孔を好き放題突いた。俺の下腹部も爆発し、漏出するしかないエネルギーを孕んでいく。
オーガンジーがざりざり擦れて低い音を奏でた。ソファーも軋む。俺の吐息と彼女の嬌声を伴って。
上下に跳ねる彼女の頭からヘッドドレスが滑り落ちていく。艶やかな髪質だ。落ちるのも無理はない。
「俺の専属メイドになるか?」
それには兄上と言い争いになるかも知れないが……
「い、や!抜いて………も………赦し、」
彼女は話を聞いていなかった。半開きになった唇は濡れ濡ち、虚ろな瞳は潤んでいる。
「俺の専属メイドになると言え」
そうしたら、スカートはもっと長くしよう。けれど下着の着用は許さない。毎夜同衾して、入浴は共にする。
興奮した。劣情が抑えきれない。俺は腰の動きを速めた。オーガンジーの衣擦れと、ソファーの悲鳴。間隔の短くなった粘着質な水音は、俺と交合わっていることを実感させる。
「あ、!あっ!あっ、あっ、!」
胸が揺れている。大きさは分からないが、全体的に細いから大きく見えた。兄上は胸の大きな女が好きで、その感覚がよく分からなかったが、この瞬間ばかりそれが理解できる。射精間際は。
「御世、愛してる」
「ああああ!だ、め………っ、イく―」
「………っう、」
激しい収縮。凄まじい火照りと発汗。魚みたいに放精した。彼女を抱き寄せていないと、射精の勢いに気圧されそうだった。それくらいに濃く長い射精だった。自涜では得られない強い快楽の余韻はなかなか引かなかった。俺は御世に覆い被さり、頬を擦り寄せる。下腹部に当たる硬いフリルの感触ばかり生々しい。毛と毛を擦り合わせているみたいだった。腰もまだ緩やかながら止まらない。彼女を俺のものにしようと、精を塗り込んでいる。
自涜ならここで冷え切っていくはずだ。冴えていくはずだ。けれど満足できなかった。俺は首輪に手を伸ばしてしまった。そして嵌めてしまった。汗ばんだ首筋と髪に、また俺の情けないものが勢いづく。白い肌と、色のないメイド服に鮮やかな赤色がよく映え、汗ばんだ手に冷たい鎖が心地良い。
「いいんじゃね、専属メイドにすれば?」
兄上は簡単にそれを許した。
「けれど、兄上は」
「オレはお前に言いようにされてる御世チャンが見られれば別に、な?でもたまには貸せよ。それから、触らせろ?」
俺はそこですぐに頷けなかった。
「オレも御世が好きなんでね。姉上もなんだかんだ、レズの相手にしようとしてるみたいだぜ。義兄さんを辱めるのが大好きなのさ。緋加璃、忘れるなよ。専属メイドにしてもいいが、結局あの子は三途賽川の共同所有物。弟人質に、人権買ってんだ。妻にも妾にも、恋人にもできねぇんだから、やめとけ。苦しくなるだけだぜ。ただの雇ったメイドじゃねぇってこった」
【完】
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