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ブレイジンググレイス 1話完結/一人称視点/眼鏡美男子/潮吹き/near寝取り

ブレイジンググレイス 憧れの女性の性的観念の不潔さが赦せない潔癖症男子()の話。

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 いけない人だ。三民みたみさんは、いけない人。
 俺は潔癖症で、いつも白い手袋をつけていたけれど、彼女は綺麗だから大丈夫と衛生観念が言っていた。素手で、彼女の陰部に触れる。他の人間だったら嫌悪していただろう。陰部なの汚い。自分のでさえ触りたくないのだから。
 女性はここに悪魔を飼っていると聞いたことがある。男も変わらないくせに。俺は信じていなかったけれど、今は信じてしまいそうだった。
 三民さんは清い人だと思っていたのに。
「あ……」
 彼女は今、テーブルの上に仰向けに寝ている。俺がそうした。腕を縛って。
「三民さんは、帝城寺ていじょうじと付き合っているのではないのですか?何故、君主河原きみすがわらと接吻していたのです。不潔では」
 今時の他人の性事情など、俺の知ったことではないが、彼女が何を企んでいるのかは気になるところだ。美女離間の計というものもある。あの2人の仲を引き裂くつもりなのか、はたまた、あの2人は互いに知っていて認めているのか。喧嘩をされても厄介だ。火種は潰す。
「誤解だよ、誤解だから……放して、皇坂すめらぎざかさん!わたし、誰とも付き合ってなんてない!あれは……」
「付き合っていない?誰とも?帝城寺は強引ですからね、分かります。ですが君主河原は?貴方は接吻をしていましたね。寝ている彼に。付き合っていないのですか?付き合ってもいない、意識のない相手に、貴方は……?」
 俺は、無遠慮にソファーで寝ている君主河原へおそるおそる接吻する彼女を見たのだ。清楚で、淑やかで、優しく聡く、時には気が強い、しかし嫋やかさもある三民さんは、俺の密かな憧れでもあった。なのに。
「そ、れは……」
「思わせぶりな態度は良くありません。貴方も他の女たちと同じように……帝城寺のような艶福家を手玉に取って、ご自分の価値を高めようなどという愚かな考えがおありなんですか」
 俺の指先で擦った彼女の肉塊がぬるつく。指の腹が滑る。元の位置に戻そうとするだけ滑り、小振りなものを弾いてしまった。
「あっ……んっ、」
 彼女の白い腿が跳ね、腰が揺れる。
「帝城寺でも君主河原でも果ては俺でも、構わないんじゃないですか」
「や……っ、あっんっ、あっ……や、ぁっ!」
 しこりを甚振るような感触だった。彼女は面白いほどに反応を示す。口で話すよりも、全然。
「構わないんですね」
「やめ………っ、皇坂く、………なんで、っ、あんんっ」
「お口より素直なようですから」
 少し動かし方を変えて捏ねると、彼女は下唇を噛んで目蓋を閉じた。
「ああああんっ」
 腰が上下に揺れた。俺の指が濡れて照りつける。
「帝城寺とは交合まぐわう仲なのでしょう」
「……え…………?」
 惚けた目が潤んでいて、意識はあるけれどここにはない。もしかしすると見えているのは俺ではないかもしれない。
「君主河原のように中には入っていけなかったけれど、俺もあのとき傍を通った。貴方の声を聞いて……貴方は帝城寺と付き合っているものと思ったのに、貴方は君主河原に接吻していた。何故?」
 一夫多妻というものは、妻に等分に尽くさねばならないという話だが、まさか彼女も、平等に2人に尽くすつもりではあるまい。
 どうなんだとばかりに俺は彼女の陰核を押す。
「ん……っ、ダメ!今、や!ぁんっ」
 ガムテープで縛っている。暴れて紐状になったテープが白い皮膚を傷付ける。
「答えてください」
 さらに奥へ指を進める。濡れて生温かい粘膜に触れた。濡れている。少し粘こさがある。女性の肉体とは縁がない。帝城寺ほどではないけれど女性から慕われることは多いが、俺は他人の肌や、そこに纏った汗だの皮脂だのがどうも苦手だった。それを……俺は今、三民さんの陰部をまさぐっている。それに汚さを覚えない自分に驚く。むしろ惹かれている。興味がある。彼女がもしかしたら、誰かの子を産むかもしれない箇所。帝城寺に暴かれていた。この華奢な肉体で、あの乱暴者の大柄な身体を受け入れた……
 なんて倒錯的なんだろう。俺の指だってきついのに。ゆっくりと射し込めば、彼女の中の肉襞もゆっくり俺を圧迫する。
「う………ぅ、」
「狭いんですね。帝城寺だけですか?君主河原とは?」
 女性に持て囃される帝城寺が唯一執着する相手の中。他の女性はこうではないのだろうか。他人の体液が苦手な俺の知るところではない。などと、今、好き好んで他人の体液を触っている俺が言うのもおかしな話で。
「誤解なの。誤解だから……」
「誤解?貴方が帝城寺と交尾をして、甘い声をあげていたことですか。意識のない君主河原に接吻しようとしていたことですか。俺の見たものは、誤解だと」
 彼女の指が俺の指を柔らかな肉壁で噛み砕こうとする。確かに、ここに陰茎を挿入すれば自涜では得られない快楽に打ちひしぐのかもしれない。俺は性欲が強い。いいや、正確には……人より官能表現を受容しやすいのかもしれない。たとえば彼女の小さく開かれた唇だとか。散らばった髪だとか、俺に怯えた目だとか。つらそうに歪んだ眉もいい。気怠げに晒された首筋には、俺の嫌いな他者の匂いが蒸れて籠っていそうなのに、惹かれている。
「待って……待って、………あ、」
 ざらついた質感が面白くて動かしてみる。奥へと引き込まれ、圧迫されるのはマッサージに似ていた。多少の不潔に目を瞑り、性器を突き合わせてみたくなる世間の男女の気持ちが分からなくもない。
「まさか不埒なことなんて、ありはしませんよね」
「あ……っん……指、抜いて………」
 俺は聞かなかった。小さな泡が弾けるような音をさらに増長させる。
「あっ、あっ、あっ……」
「ここですか」
「や、ぁあんっ!」
 彼女の声が一際高くなる箇所を知ってしまった。彼女は膝を立て、脚を開いた。細くも、ただ骨張って弱々しいばかりではない彼女の脹脛が魅力的だった。
 卑猥な動画では、女優がここを触られて激しく叫ぶ。あれは演技だろう。けれど、これは……?俺は今、騙されようとしているのか。
「演技ですか」
 俺は女性を知らないから、これが演技なのか否か分からなかった。
「あ……んん」
 陰核もおやゆびの腹で押さえる。性に興味がないわけではない。女性はここが本当に感じるのか。創作物の過剰表現か。どうやらまったくの嘘ではないようだが。
「んっあ、そこ、やぁんっ」
 外側と内側。同時に擦れば、両手首が痛むのも構わずに彼女は腰を浮かせて暴れた。言葉とは裏腹に膝が開いて、俺は手を動かしやすくなった。
「だめ、だめ、あっ!あああんっ」
 帝城寺や王旗院、或いは俺を囲うときばかり、女性たちが発するような甘く高い声だった。彼女の膣内が収斂して、中に挿れた俺の中指と薬指の狭間に液体が満ちていく。掌も濡れた。
「演技でも、イくときはイくと言ってくださらないと困ります」
 おそらくその可愛い耳には届いていない。眉も口も蕩けて、腰を緩やかに上下させながらも、彼女の目は虚空を見つめていた。
「お答えください。帝城寺や君主河原とはどういう関係なのです」
 膣の中の痙攣が治まるまで、俺は緩めながらも手を動かしていた。
「あ………ん……っ………」
「帝城寺と身体の関係にありながら、君主河原を慕っているのですか?」
 陰核を撫でた。彼女が溢れさせた膣粘液を塗りたくると、滑って上手く捏ねることもできない。
「君主河原くん……」
 甘えた声が返ってくる。ろくに俺の話も聞かずに、彼女は違う男の名前を呼ぶ。その目を見れば、正気でないのは明らかだった。意識を手放そうとしている。ああ……彼女は現実と非現実の境界で別の男にこうされている。
「違います。皇坂すめらぎざか礼奈れなです」
 顔を近付ける。少し汗ばんでいる額を撫でてみた。張り付いた前髪を掻き分けてみる。
「ん……っ」
 悪夢に魘されているかのような悩ましい表情が、俺の胸をうつ。三民さんが対する憧れが、もっと突き詰めた興味に変わる瞬間だった。
「いけない人だ、貴方は」
 陰核に容赦していた俺は、そこを押し潰す。柔らかな弾力を小さく感じる。
「あんっ………だめ、もう、だめ………今、は………あっんっ」
 凪いでいた肉体がまた暴れだす。絶頂直後の敏感な部分を刺激されて、彼女の小さな尻が撥ねた。滑らかな膝が震えて、淑やかな腿が軋むように開閉している。嫋やかな足首が下肢のために踏み留まって、待針みたいな小指が躍る。はしたない。だが、美しい。
「そうはおっしゃっても、貴方の中は俺を食い締めますが。何故です。俺は君主河原きみすがわら理衣りいではありません」
「あ、ああ……はぁ……ん……」
 眇められた目が潤みを増す。口で答えなくても、彼女はその瞳で答えている。あの剽軽者が好きなのだろう。見目も悪くない。膣でも答えいる。君主河原の名を出すたびに、奥へと引き込もうとしている。真面目な三民さんらしい。そしてこんなのは淫らだ。不埒で美しい。はしたなくて可憐だ。
「お好きでない帝城寺に対しても、このように?それは誤解されてしまいますね」
「う、ん、んんっ」
 陰核を左右に弾き、その裏側少し奥を摩る。またもや彼女は徐々に腰を浮かせる。催促に思えた。素直な反射がいじらしい。帝城寺に対する態度ばかり見ていたが、俺には優しく、爽やかで、真面目だ。他の女性みたいに二面性があるとは思わなかった。媚びているのではない。その都度、適した相手に適した対応をしているのだ。帝城寺のような強引な乱暴者に、俺たちにするみたいな接し方をすれば呑まれてしまう。叱責を知っている彼女は優しい。
「イくときはイくとおっしゃることですね」
「で………ちゃう………でちゃう!押すの、いや!あっ、あっあっ!」
 構わずに俺はそこを突いた。彼女は腰を上へ突き上げる。スタッカートのように短く切られた嬌声と共に、彼女は俺の指に合わせて膣付近から液体を噴射する。水が彼女を縛り付けたテーブルを叩く。
「貴方はお恥ずかしい方だ」
「あ、あ、あ………いや………!こんなの………ああっ………」
 紅潮した顔が泣きそうで、可愛らしい。胸の張るような心地がする。抱き締めてしまいたくなる。数秒息を止めたようなわずかな苦しさを覚え、彼女の膣を削ることで誤魔化した。
「もう放して………お願い、お願い、どうして………」
「素直に答えてくださればいいんですよ。ありのままを」
「わたし、あなたに、何か悪いコト、していたの………?」
 涙ぐんだ目は今にも泣き出しそうだった。またじんわりと、彼女を抱き寄せて困らせたい欲求に駆られてしまう。
「いいえ」
「じゃあ、どうし………て、ああんっ」
 俺は彼女の膣を真正面から捉えられる位置へ移動した。同じところをさいなめば、彼女は言葉を続けられなかった。荒々しく呼吸をして、失禁したみたいにさらさらとした液体を噴く。俺の眼鏡にかかっていく。レンズを滴り落ちる。俺は自ら浴びたのだ。人の肉体わ経由した液体がきれいなはずはない。だが浴びたかった。彼女の潮が、恵みの雨のように思えたから。
「俺の眼鏡が濡れました。髪も。頬も……」
 本人に見せると、顔を逸らされる。俺は怒ってなんていないが。
「ご、ごめんなさい………ごめんなさい。謝る………謝るけれど、謝るけれど……」
「謝るけれど、何ですか」
 眼鏡を外す。度は入っていない。俺の視力は悪くない。ただ、人と距離を取るためだけに、厳つい眼鏡を選んだだけだ。折り畳みもせず拭くこともなく傍に置き、彼女の顔を追う。だがまた反対を向かれてしまった。
「三民さん」 
「こんなことするなんて……酷い。皇坂くんは、こんなこと……」
「俺も帝城寺と同じ男ですよ。それも悪い男です。君主河原もそうですよ。彼も男だ。それも悪いほうの……」
「やめて!名前………出さないで……」
 俺は私物のウェットティッシュで手を拭いた。そして携帯用のアルコールスプレーで消毒をしてから、ハンドクリームを塗りたくる。三民さんの怯えた目が、俺を観察する。いくらか安堵しているように思えた。
「貴方も、善良な女性ではなかったようですね。それとも彼を、悪い男だと看破していたのですか。だから、あんな真似を?悪い男を煽って、それで?」
「嫌!嫌!違うの!ちが……」
「見目は麗しい男ですからね。人当たりも悪くない。むしろお人好しだ。上手く異性をあしらえずに冷めていくことも多いみたいですが、薄情になれないそこが美点といえなくもない」
「やめて……」
「優しい男です。けれど、俺と同じ、悪い男ですよ。このような貴方を前にしたら、貪り食ってしまう類いの……」
 俺は彼女のブラウスに手を掛けた。ひとつひとつ、時間をかけてボタンを外す。彼女は言葉を失っている。
 インナーを着用しているのが好ましい。透けたブラジャーは目のやり場に困る。開けられた胸元で迫られるのも。誤解し、誤解されている。一人格を好いたわけではなく、女体に対する関心ゆえの反応に過ぎないのだと。男の肉体は短絡的で愚直だが、そこに乖離した感情もあるのだと。
 これは男女問わないことだけれども、何より汗が可視化されるのが、俺には不快だ。男は俺に寄りつかないけれど、一定の女性は至近距離まで詰めてくる。汗を吸ったブラウスが触れるのは、おぞましい。俺にとっては女性の汗だからきれいだなんてことはないのだ。
 三民さんのキャミソールは、少ししっとりしていた。
「脱がしちゃ嫌………」
 震えて消え入りそうな語気が俺を堪らなくさせる。俺も汗ばんでいる。ハンドクリームを塗る必要はなかったかもしれない。
「嫌ですか。ですが脱がせます」
「嫌……っ!」
 彼女は身を捩る。キャミソールを捲ると、淡い紫色のブラジャーが現れる。センターに小さなリボンのついて、レースカーテンのようなデザインが妖艶だ。清らかに爽やかな彼女の服の下は、正反対に色香を籠もらせていた。瞳孔の奥を灼かれるような心地がする。
「綺麗ですね。とても。君主河原にも見せたのですか。あの様子では、まだそこまでは至っていらっしゃらない?」
「やめて……」
 彼女の目から、やっと溜まりに溜まった涙が落ちていく。可愛らしい。
「君主河原は黄緑色が好きだったかと思いますが、下着は紫色なんですね」
 あの男の私物のほとんどが黄緑色だ。下着はそうではないらしい。脱がせたパンティも、今思えば紫色だった。
「う………う、う………」
「泣かないでください。貴方に黄緑色は確かに似合いませんし、貴方は君主河原のものではないのだから、彼色に染まる筋合いなんてそもそもないのですものね」
 落ちていく涙を指で受け止めた。火傷しそうなほど熱い。ダイヤモンドみたいだ。しかしすぐに溶けていく。宝石にいちいち「人魚の涙」だの、「女神の涙」などと仰々しく浮ついて歯の浮くような名前を付けたがる気持ちが分かる。
「言わないで………」
「どうして告白しないんですか。彼の前で帝城寺に激しく抱かれ、彼の目の前ではしたなく果ててしまったからですか。君主河原だって満更でもなかったでしょう。あんな乱れきって淫猥な貴方を見たら、恋心はどうだか知りませんが、肉体への興味は湧くと思いますが。特に慎み深い貴方に対してなら。寝ている相手に接吻しようとする貴方でも、外面はいいでしょう?」
「わたしが悪かったの……認めるから………君主河原くんに、謝りに行くから……」
「本人には言わないでほしいと?言いませんよ。謝りに行く必要もありません。彼もそこまで男女平等という考えの持ち主じゃありませんからね。女性からの悪戯おいたならば赦すほかないと考えていますよ。艶福家の宿命です」
 大粒の涙に俺は意識を奪われている。もっと泣け、もっと落涙せよ、と欲求はとどまるところを知らない。
「それに君主河原は、ショートカットでグラマラスで、賑やかな年上女性が好みだとか以前、言っていたような」
 これは俺の脚色が入っている。以前、雑誌に載っていたグラビアアイドル複数名から選んだ人の印象と特徴を言っただけだ。
「わ、分かってるから……君主河原くんが、わたしに興味ないって、ことくらい………」
 彼女が好いた男の名を言うたびに翳る。夏場の倉庫みたいな情感を覚える。
 俺は彼女の拘束を外した。俺もベルトを外し、ファスナーを下ろす。泣いている彼女は気付かない。華奢な身体を抱き上げて、今度は俺がテーブルに寝そべる。腰の上に彼女を落とした。
「あっ………く、うんんんっ!」
「ぅ………く、」
 真下から三民さんを貫いた。鋭い快楽が俺の陰茎で逆巻く。帝城寺が雄牛みたいになっていたのも頷ける。熱く柔らかく狭い、そして彼女とは別に意識を持った生き物みたいに俺のペニスを扱いている。やはり予見したとおりの、自涜では得難い猛烈な悦び!
 上で仰け反った身体を引き寄せた。
「あ……、抜いて………抜いて……」
 彼女は肩で息をしながら顔を隠してしまった。俺は、赤くなって気触かぶれてしまった両腕を奪い取った。そして放す。
「いやよ!いや!こんなの、いや!」
 俺の好きな色をしたブラジャーを上へやって、彼女の乳房が露わになる。小振りのようだが、盛り上がりのある形の良い乳房だった。ピンク色の乳頭も普段みせる彼女のように奥ゆかしい。
「ああ!」
「綺麗ですね」
 俺は彼女の乳房を揉んだ。搗きたての餅を触っているのかと錯覚してしまう。この柔らかに夢中になった。
「触らないで……うう………う……」
「君主河原だと思ってくださっても結構です。体格もあまり変わらないでしょう。声が違いますか?では黙ります」
 目論見どおり、他の男の名を出せば、彼女の膣肉は俺を食い締めた。堪えても腰が進んでしまう。濡れた摩擦を止めるのは難しい。
「う………うう………」
 少しだけ彼女も腰を揺らした。本当に、俺に君主河原を馳せたのか。胸の翳りが色濃くなる。掌で乳房を揉みながら、指は小さな乳頭を摘んだ。
「ぅ……ん……」
 硬くなっている。小さいといっても男よりかは少し大きいが、女の乳頭とは硬さもこうなのだろうか。指の側面で転がす。陰部とは反対に、小規模の乾いた摩擦が楽しい。
「ぁ……、ぅんっ」
 彼女はまた口元を押さえてしまった。膣は俺を咀嚼して、粘着質な音を出している。射精したい欲が煽られる。
 動けばさらなる快感が得られるだろう。それは楽しみとしてとっておく。今は、彼女の乳頭を転がして得られる気持ちの良さに集中したい。
「ふ………ぅ、ぅう………」
 指と指の間で乳頭を捉える。指紋と指紋が作る質感を彼女に伝える。俺の陰茎を咥えた腰が前後に揺れている。俺も声を我慢する。固く閉ざされた彼女の目蓋の裏にいるのは、誰なのだろう。俺ではないのだろう。突き上げる。
「は、あんっ!」
 だが一撃だけだ。乳頭を捏ね続け、彼女は背筋を反らしてさらに胸を突き出した。
「あ………ぅん、んっ……あ………」
 膣のうねりが増す。俺も彼女の乳頭の虐め方が分かってきた。起き上がり小法師こぼしを倒すにしてやるのが好いらしい。
「あ……ん………ぁ、」
 乳頭だけでなく、膣も好くなってしまったらしい。ぎこちなかった腰の揺らぎが小慣れてきている。粘り気の強い音も大胆になってきた。三民さんの手が俺の腹に置かれ、俺が頭をもたげると避妊具もなく生の結合部が見える。彼女の中に入っているという実感がまざまざと現れる、大量の血潮が俺の陰茎に送り込まれた脈動を覚える。
「三民さん」
 呼びかけた俺は嗤っていた。彼女の目がゆっくり開き、だが俺を捕捉する眼差しは鋭かった。
「あ、いや!あっあっあっ!」
 拒否は甘たるい声に掻き消された。三民さんを突き上げる。清楚な彼女が膝を開き、奥へとさらに俺を迎え、軽快な音も粘着質な音も強くなった。結合部もよく見える。陰茎が太さを増していく。射精したい。彼女の膣に子種を注ぎたい。俺だけのものにしたい。
 俺は携帯電話を手にしていた。時計が目に入る。と同時に、ドアをノックする音があった。
『皇坂くぅ~ん?入ってい~い?取り込み中?』
 俺の陰茎で自慰同然のようにしていた三民さんがぴたりと止まった。俺は彼女を見遣る。強く首を振り、はためく髪に感じてしまう。
「ぅんっ……」
 俺のペニスの微細な変化を、敏感な彼女は気付いたらしい。
「入ってくれ」
「な、んで……っ」
 三民さんの絶望。急いで俺から逃げようとする。だが逃すわけはなかった。
 ドアが開く。君主河原が中に踏み入った。そして俺と、上に跨がる三民さんを認めて立ち止まる。
「えっと……」
「三民さんと付き合うことになった」
 俺は彼女の腰を掴んで突き上げる。テーブルが軋む。君主河原はそこに佇んでいる。
「あ、あ、あ、っやぁんっ、いや、いや、いやぁ!」
「は、はあ……そ、れで?」
 君主河原は相変わらず人を小馬鹿にしたような態度だった。
「彼女が俺のものになる瞬間を見ていけ」
「いや、!いやなの、やめて………!あ、あああああああっ!」
 彼女の肉体が波打った。俺は唇を噛んで強烈な快楽に耐えられず膣内に射精する。
「めっちゃ嫌がってない?」
「恥じらい……さ、……っ」
 余韻が上手く息をさせない。
「あ………んっ、あっ………あっ………赦して………好きなの………赦して………好き………」
「なぁんだ。よかったね、皇坂くん。おめでとう」
 俯いて硬直している三民さんから目を離した君主河原は、俺に向かって勝ち誇ったような顔をしていた。
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