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「二公子、そのような…」
「いいじゃない。やっと弟に人としての人権が与えられる。仕事は犬でもね。多様性ってやつだよ、公子のね。この国的じゃないけど」
彼は肩を竦めた。
「でも、ま、弟を奴隷にしたかったら言ってよ。オレの代わりに虐められるよ、よかったじゃん。この黒鞭で叩いてやりなよ。お前は世の中を舐め腐ってるってね」
「そのようなことは今後ともございませぬ」
「どうかな。彩はああいう生っ白い年下の男を虐めたいんだよ。踏み躙って叩いて、罵りたいんだよ」
鎖が鳴り、天藍はまた極彩を引っ張った。私室に向かっている。二公子を呼ぶと彼は犬の鳴き真似をするばかりだった。私室の扉脇に待機していた天晴組の羽織りを摘まみ、巻き添えにする。それは溺れかけ必死に葦を掴む様にも重なった。淡藤は主人に許しを乞い、そのために犬に成り済ます二公子に明かされてしまう。
「別にいいけど、公務するだけだから暇だよ」
この言葉のとおり、天藍は山積みの書類に目を通したり記名したり、訪れる官吏の報告を聞いたりするばかりで、もう極彩には見向きもしなかった。しかし首枷は付けたままで、やって来る者たちは目を剥いた。淡藤はすぐ傍で参照の書状を読み上げ、硯を磨き、筆を整えるなどしていた。長いこと彼等は集中していた。鈍器かと思うほど大きな上下左右対称の瓢箪を思わせる器具の中の砂が上からすべて下に落ちる。異国情緒な意匠のあるそれは短い時間を計る道具だった。淡藤がふと時間を告げると二公子はすぐ隣に座る極彩の膝に寝転んだ。
「あの娘さ、昔のオレの妻の話してたよね。もっと聞きたい?」
「…いいえ」
「よかった。もしかして聞いてる?縹から」
「いいえ…」
微笑こそ浮かべているが、その目元はまったく笑っていなかった。極彩は二公子があの娘に何か仕出かさないかとそればかりが気になっていた。
「君ばかり贔屓するの、やめたほうがいいかな」
返事のしようがなく、彼女は黙った。
「君に劣情を催している連中はオレや群青の他にも何人かいるからさ、気を付けてね。女の子たちだけじゃなく、君を殴って蹴り付けて、甚振りたい輩がいっぱいいるんだよ。それは恨みじゃなくて、欲望でね。淡藤くんは…違うみたいだけど」
極彩は一度淡藤を見遣った。変わり者はきょとんと視線を合わせるのみだった。
「そういう輩も、ま、利用するんだけどさ」
寝心地が悪いらしく天藍は首枷を外した。極彩の手からも鎖を結んだ紐を解く。
「疲れたでしょ。明日、楽しみにしてるから。オレはまだたんまりお仕事あるし、残念だけど今日はここまで。泊まっていくでしょ?」
「いいえ…帰ります」
「残念だな。夜這いしようと思ったのに」
図らずも眉の筋肉が動いてしまう。天藍はそれを気にした様子もなく笑った。
「明日の朝、早いけど迎えを送るから。オレに会ったから眠れなくなっちゃうかな。ちゃんと起きておくんだよ。じゃないと…何されちゃうか分からないね。若いんだし」
極彩は適当な返事をした。それが最も早く話を切り上げる手段だった。
「彩が、じゃなくて、オレの天晴組員たちが、だよ」
「承知しております」
「―ならいいけど」
淡藤に促され二公子の私室から出る。城の庭に着いた牛車に2人は乗った。天晴組の長は御者に行先を告げてから対面に座った。
「ごめんなさい。今日も巻き込んで」
「気になさらないでください。姫様は若様を避けておいでなのは見て分かります」
何事もないように軽々しく彼は口にした。言葉にされると居心地の悪さを感じる。
「若様はそれを愉しんでいらせられます。ですから私からは何も申し上げることはございません」
「二公子は皆にこうなのですか」
「いいえ。姫様だけにです」
極彩は嘆息した。淡藤は小首を傾げる。
「わたしより素敵で家柄の良い、それでいて聡明な御方がこの城には、城下にも沢山いらっしゃいます。それなのにどうして…」
「姫様は恋をしたことがないのですね」
淡藤は揶揄するような笑みを浮かべた。幼子を侮るような色を含んでいる。極彩は浅く眉を顰めた。
「あります。一度くらいは」
表情の乏しい淡藤の眉がわずかに関心を示す。切れの長い目が丸まり、年相応かそれよりも若い印象をそこに与えた。
「その方の、どのようなところを好きになったのです?」
「覚えておりません。稽古の師でした。当時は随分と歳が離れて見えたものですから。父性と恋慕を取り違えていたのかも知れませんけれど」
帰還の宴に参加していたならばこの者も姿を目にしているはずだ。その惨い末路も。あるいは話くらいに聞いているだろう。
「びっくりしました。群青殿の話かと思いましたので」
「やはり誤解があるようです。一体誰がどういう意図を以ってそういう噂を流すのでしょう?同じ歳の男女というだけです。それから…」
極彩は呆れに任せ口を滑らせていた。淡藤が聞き流すことを期待したが甘かった。彼は興味深げに前のめりになりながら次の言葉を待った。極彩は口を閉じる。
「それから?」
「言いません」
「気になります。誤解を解く意味でも」
「……だから、要するに……ちょっとした手違いで偽装夫婦を演じていただけで、そこに中身なんてなかったし、やはり、男女としても何もなかった。そういうことです」
淡藤は前にのめった上体を引いた。
「あの出来事は…何と申し上げてよいか」
「何もおっしゃらないでください」
「いやいや、何かしら申し上げさせてください」
「終わったことですから」
不思議な気の遣い方だった。また厄介な話題を振られそうで極彩は身構える。
「では何も申し上げないことにいたします」
極彩は安堵の溜息を漏らす。
「そうしてください」
「ですが夫婦生活は良いものだったでしょう」
「完了した関係でなければそうとは言い切れなかったかもしれませんね」
「何故です」
本当に何も分からないといった様子で彼は訊ねた。
「ある秘密を背負ったとき…その柵を重く感じました。許されようと、許されなかろうと。負い目から放たれないとばかりにその秘密を打ち明けて、許すか許さないかの選択を迫りました。外からみても良い妻とは言えないでしょう。もし許されていなかったら恨んでいたかも知れません。終わったからこそ良かったと言えますが、続いていればただただ重苦しい日が今でも続いていたと思います」
牛車が揺れる。人除けの鉄の細棒が繊細に鳴った。淡藤の身体一度大きく傾いた。
「私の妻は腹に子を宿したまま死にました。他の妻子ある男の元に寄った帰りです。辻斬りに殺されました。ところで姫様は、辻斬りの正体ってご存知ですか」
彼は姿勢を直した。少し声が低くなる。極彩は首を振った。
「噂、これは本当に恐ろしいものです。火のないところでも煙を立たせようとする者がありますから。ですが、それが真っ当な事実であるか、本当ではない噂か、どの部分が偽りか、見極めるなんてことは軍師でも参謀でも困難です。しかし姫様は噂というものに対しての取り扱いというものを心得ていると信じ、私は申し上げますが…辻斬りはおそらく、華族か高等官吏の試し斬りや憂さ晴らしが目的とされています。もしくは……任務の巻き添えか、辻斬りと見せかけての粛清か…」
愛想がなく不機嫌ながらも常に穏和な雰囲気を崩さなかった淡藤の調子が少し変わってみえた。
「それはつまり、淡藤殿の妻子は…城に…?」
「いいじゃない。やっと弟に人としての人権が与えられる。仕事は犬でもね。多様性ってやつだよ、公子のね。この国的じゃないけど」
彼は肩を竦めた。
「でも、ま、弟を奴隷にしたかったら言ってよ。オレの代わりに虐められるよ、よかったじゃん。この黒鞭で叩いてやりなよ。お前は世の中を舐め腐ってるってね」
「そのようなことは今後ともございませぬ」
「どうかな。彩はああいう生っ白い年下の男を虐めたいんだよ。踏み躙って叩いて、罵りたいんだよ」
鎖が鳴り、天藍はまた極彩を引っ張った。私室に向かっている。二公子を呼ぶと彼は犬の鳴き真似をするばかりだった。私室の扉脇に待機していた天晴組の羽織りを摘まみ、巻き添えにする。それは溺れかけ必死に葦を掴む様にも重なった。淡藤は主人に許しを乞い、そのために犬に成り済ます二公子に明かされてしまう。
「別にいいけど、公務するだけだから暇だよ」
この言葉のとおり、天藍は山積みの書類に目を通したり記名したり、訪れる官吏の報告を聞いたりするばかりで、もう極彩には見向きもしなかった。しかし首枷は付けたままで、やって来る者たちは目を剥いた。淡藤はすぐ傍で参照の書状を読み上げ、硯を磨き、筆を整えるなどしていた。長いこと彼等は集中していた。鈍器かと思うほど大きな上下左右対称の瓢箪を思わせる器具の中の砂が上からすべて下に落ちる。異国情緒な意匠のあるそれは短い時間を計る道具だった。淡藤がふと時間を告げると二公子はすぐ隣に座る極彩の膝に寝転んだ。
「あの娘さ、昔のオレの妻の話してたよね。もっと聞きたい?」
「…いいえ」
「よかった。もしかして聞いてる?縹から」
「いいえ…」
微笑こそ浮かべているが、その目元はまったく笑っていなかった。極彩は二公子があの娘に何か仕出かさないかとそればかりが気になっていた。
「君ばかり贔屓するの、やめたほうがいいかな」
返事のしようがなく、彼女は黙った。
「君に劣情を催している連中はオレや群青の他にも何人かいるからさ、気を付けてね。女の子たちだけじゃなく、君を殴って蹴り付けて、甚振りたい輩がいっぱいいるんだよ。それは恨みじゃなくて、欲望でね。淡藤くんは…違うみたいだけど」
極彩は一度淡藤を見遣った。変わり者はきょとんと視線を合わせるのみだった。
「そういう輩も、ま、利用するんだけどさ」
寝心地が悪いらしく天藍は首枷を外した。極彩の手からも鎖を結んだ紐を解く。
「疲れたでしょ。明日、楽しみにしてるから。オレはまだたんまりお仕事あるし、残念だけど今日はここまで。泊まっていくでしょ?」
「いいえ…帰ります」
「残念だな。夜這いしようと思ったのに」
図らずも眉の筋肉が動いてしまう。天藍はそれを気にした様子もなく笑った。
「明日の朝、早いけど迎えを送るから。オレに会ったから眠れなくなっちゃうかな。ちゃんと起きておくんだよ。じゃないと…何されちゃうか分からないね。若いんだし」
極彩は適当な返事をした。それが最も早く話を切り上げる手段だった。
「彩が、じゃなくて、オレの天晴組員たちが、だよ」
「承知しております」
「―ならいいけど」
淡藤に促され二公子の私室から出る。城の庭に着いた牛車に2人は乗った。天晴組の長は御者に行先を告げてから対面に座った。
「ごめんなさい。今日も巻き込んで」
「気になさらないでください。姫様は若様を避けておいでなのは見て分かります」
何事もないように軽々しく彼は口にした。言葉にされると居心地の悪さを感じる。
「若様はそれを愉しんでいらせられます。ですから私からは何も申し上げることはございません」
「二公子は皆にこうなのですか」
「いいえ。姫様だけにです」
極彩は嘆息した。淡藤は小首を傾げる。
「わたしより素敵で家柄の良い、それでいて聡明な御方がこの城には、城下にも沢山いらっしゃいます。それなのにどうして…」
「姫様は恋をしたことがないのですね」
淡藤は揶揄するような笑みを浮かべた。幼子を侮るような色を含んでいる。極彩は浅く眉を顰めた。
「あります。一度くらいは」
表情の乏しい淡藤の眉がわずかに関心を示す。切れの長い目が丸まり、年相応かそれよりも若い印象をそこに与えた。
「その方の、どのようなところを好きになったのです?」
「覚えておりません。稽古の師でした。当時は随分と歳が離れて見えたものですから。父性と恋慕を取り違えていたのかも知れませんけれど」
帰還の宴に参加していたならばこの者も姿を目にしているはずだ。その惨い末路も。あるいは話くらいに聞いているだろう。
「びっくりしました。群青殿の話かと思いましたので」
「やはり誤解があるようです。一体誰がどういう意図を以ってそういう噂を流すのでしょう?同じ歳の男女というだけです。それから…」
極彩は呆れに任せ口を滑らせていた。淡藤が聞き流すことを期待したが甘かった。彼は興味深げに前のめりになりながら次の言葉を待った。極彩は口を閉じる。
「それから?」
「言いません」
「気になります。誤解を解く意味でも」
「……だから、要するに……ちょっとした手違いで偽装夫婦を演じていただけで、そこに中身なんてなかったし、やはり、男女としても何もなかった。そういうことです」
淡藤は前にのめった上体を引いた。
「あの出来事は…何と申し上げてよいか」
「何もおっしゃらないでください」
「いやいや、何かしら申し上げさせてください」
「終わったことですから」
不思議な気の遣い方だった。また厄介な話題を振られそうで極彩は身構える。
「では何も申し上げないことにいたします」
極彩は安堵の溜息を漏らす。
「そうしてください」
「ですが夫婦生活は良いものだったでしょう」
「完了した関係でなければそうとは言い切れなかったかもしれませんね」
「何故です」
本当に何も分からないといった様子で彼は訊ねた。
「ある秘密を背負ったとき…その柵を重く感じました。許されようと、許されなかろうと。負い目から放たれないとばかりにその秘密を打ち明けて、許すか許さないかの選択を迫りました。外からみても良い妻とは言えないでしょう。もし許されていなかったら恨んでいたかも知れません。終わったからこそ良かったと言えますが、続いていればただただ重苦しい日が今でも続いていたと思います」
牛車が揺れる。人除けの鉄の細棒が繊細に鳴った。淡藤の身体一度大きく傾いた。
「私の妻は腹に子を宿したまま死にました。他の妻子ある男の元に寄った帰りです。辻斬りに殺されました。ところで姫様は、辻斬りの正体ってご存知ですか」
彼は姿勢を直した。少し声が低くなる。極彩は首を振った。
「噂、これは本当に恐ろしいものです。火のないところでも煙を立たせようとする者がありますから。ですが、それが真っ当な事実であるか、本当ではない噂か、どの部分が偽りか、見極めるなんてことは軍師でも参謀でも困難です。しかし姫様は噂というものに対しての取り扱いというものを心得ていると信じ、私は申し上げますが…辻斬りはおそらく、華族か高等官吏の試し斬りや憂さ晴らしが目的とされています。もしくは……任務の巻き添えか、辻斬りと見せかけての粛清か…」
愛想がなく不機嫌ながらも常に穏和な雰囲気を崩さなかった淡藤の調子が少し変わってみえた。
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