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詩
お題「あの人の匂いがした」薫りぬ
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無条件にある 鼻腔をくすぐる あたしの身体を包む
温かい 柔らかな優しさとか 少し似ている
寝て起きて 天井を見るか窓をみるか あの時の虚しさに
よくあるありふれた洗剤の何気ないにほひ
思い出して 木漏れ日にまどろむみたいな日々
手を伸ばして 嘆いてみても届かないから 掻き毟ってみて現実
だってもう形なんかなくて 風みたい 幻想もなくて
あたしから抱いてみる 向かい風だろうと もう知ってるから
目が乾いて今日も泣く お腹が空いて 何も起きはしない
やっぱり感情だけが思い求めていく どこかにあるはずだと
柔らかなグリーンフローラルのかほり 青のパッケージ
突っ走っても叶うことのない 指は虚無ばかり掴んで
頭だけアルバムの中 少し寒いのに 名前もないフォルダ
空に昇っていくクセに 踵の裏で眠ったのを見た
土のにほひがするはずなのに 雨のにほひが 落葉のにほひが
いつでもなんとなく 柔らかなグリーンフローラルのかほり
ただの洗剤みたいだってひとつしかないから 有名なにほひなのに
春にも紛れないで 夏にちょっと見つけて 秋に少し恋しくなる 冬なら一緒に待って寝る
ちょっと口にした一言 あのかほりに溶けていく 知ってるにほひ
忘れられない温もり まだ鼻が覚えていて 肌にゆっくりと滲み渡る
潤んでいく目も唇も詰まってきた鼻も お腹が空く どこかで美味しそうな夕飯のにほひ
誰かの来た日々のにほひ あたしも探して追っていく そしてまた忘れる 薫るまで どこかで あるいは 再会の日まで
<2021.10.1>
温かい 柔らかな優しさとか 少し似ている
寝て起きて 天井を見るか窓をみるか あの時の虚しさに
よくあるありふれた洗剤の何気ないにほひ
思い出して 木漏れ日にまどろむみたいな日々
手を伸ばして 嘆いてみても届かないから 掻き毟ってみて現実
だってもう形なんかなくて 風みたい 幻想もなくて
あたしから抱いてみる 向かい風だろうと もう知ってるから
目が乾いて今日も泣く お腹が空いて 何も起きはしない
やっぱり感情だけが思い求めていく どこかにあるはずだと
柔らかなグリーンフローラルのかほり 青のパッケージ
突っ走っても叶うことのない 指は虚無ばかり掴んで
頭だけアルバムの中 少し寒いのに 名前もないフォルダ
空に昇っていくクセに 踵の裏で眠ったのを見た
土のにほひがするはずなのに 雨のにほひが 落葉のにほひが
いつでもなんとなく 柔らかなグリーンフローラルのかほり
ただの洗剤みたいだってひとつしかないから 有名なにほひなのに
春にも紛れないで 夏にちょっと見つけて 秋に少し恋しくなる 冬なら一緒に待って寝る
ちょっと口にした一言 あのかほりに溶けていく 知ってるにほひ
忘れられない温もり まだ鼻が覚えていて 肌にゆっくりと滲み渡る
潤んでいく目も唇も詰まってきた鼻も お腹が空く どこかで美味しそうな夕飯のにほひ
誰かの来た日々のにほひ あたしも探して追っていく そしてまた忘れる 薫るまで どこかで あるいは 再会の日まで
<2021.10.1>
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参考資料
ギリシャ神話
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オルフェウス
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オデュッセウス
イリアス
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