お題アリ掌編集。

詩

お題「棺桶の中から始まる物語」空中の蚕蛾

生まれ変わりを信じているかい？　たびたびキミが口にした問い

シンジテナイ　あたしは答えた　理由は特にない　考えたことない

直視してやっと訪れる問題　キミは綺麗な刺繍に包まれて繭の中

大きな花の模様　一緒に過ごした日々のレースカーテンを思い出す

何にも染まらない白の色　純真無垢な子供を表す　ウソだね　また論破して　キミの小賢しい時代　なんとなく茜色　空色　それで優しい黄色　ピクニックでみた小さな花の色　インスタントラーメンに浮かべて　ちょっと嬉しいふわふわの色


あたしはキミの好きな黒を来て　漆黒ウェディングドレス　なんてね　このままここで　指輪を交換してもいいけれど　

「サヨナラ」じゃなくて「ヨロシク」って言う　確かなコトバはなかったけれど　キミの考え　ホントは知ってて　知らないフリ


これもあれもただの形式　キミのためじゃない　あたしたちの区切りのため　長たらしい清めのコトバ　慰めにはならなくて　だって何言ってるか分からない　眠っちゃいそうなのに　眠れないのは夢じゃないから

キミに向けた言葉うたじゃない　送り出されるのはあたしたちのココロ　オカルトとか嫌いでしょう？　生まれ変わりなんてシンジテナイ


木箱は閉じて　もう二度と会えない　生まれ変わりはシンジテナイ

今頃賽の河原を行って　三途の川を渡る　あともう少しであの世にいくのね　そういう設定　生まれ変わりなんかシンジテナイ

線香の匂い　替える花束　鳴らす金属　美味しくない菓子　生まれ変わりなんてシンジテナイ　合わせた手にイミもない

キミは天国に往く　あたしの中で　白い粉になりながら　石の下で