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お題「シティーポップ」臭い街

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何もしたくないカンジだ ガソリンはまだまだある

こういうときは疲れている アーバンな世界観に浸っていたい

かけるBGMは何を言っているのか分からない 音量を上げる

少し高い機械音 低いビートが効いていく 車輪の生えた鉄の柩

ブレーキの要らない高速道路 ただ駆け抜ける 踏み込むアクセル

静かなモーター音 肌を煽る冷気 橙色の木々


「あらゆる欲望の坩堝 希望の一人歩きする場所 上を見続けられるやつだけが生き残れる 硫黄臭い街 夢追い人の墓場」

誰かが言っていた あれからどれくらい経った ただ成り上がりたかった 肥やし臭い田舎を捨てて 待っているやつは誰もいやしない

あとは駆け抜けるだけ 突っ走るだけ もう振り向けない 後ろに迫っている 永遠の川を流れるみたいにアスファルトが溶けて見える 窓の奥のビルの森さえ


車は進む ハンドルを握る フロントガラスは明滅 単調な映画

助手席の野郎が呻く これでも安全運転だ  脆い蜂の巣みたいになって 

湧き出す蜂蜜はクランベリーの味がするってか いやに赤くてドス黒い

腐らない安い飯を食い 苦く不味い缶酒を飲み歩いたよな

消えた夜空が怒ったみたいに陰謀が渦巻く 空気の臭い小洒落た街で 

クーラーに消える寝息 走る意味を失くしかける 鉄の柩は街を巡る 明るい電子音が臭い街を包んでいく
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