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読書感想文というには散らかってるかもなやつ
映画・小説【たたら侍】感想 2017.6.2
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アメブロから転載。画像等省略。
※ストーリーの核に迫るネタバレあり
もともと観るつもりもなく、ただなんとなく暇だからという理由で何の期待もせず、あらかじめ前情報を頭に入れつつ、映像美とED主題歌に期待しつつ、直己さんの演技見てみたいなくらいのノリで行ってきました。ガチな話、10人いなかったです、同じ時間帯に観た人。
ストーリーの核心に迫るネタバレ(小説版映画版パンフレット問わず)を含みますのでご注意ください。他作品名を出したりします。
ネタバレする直前にアテンションなど含みませんのでご注意して。
まず一言で要約すると、「非力なEXILE」というところ。
とりあえず大まかにキャラ紹介とわたくしなりの解釈を。
伍介(演:青柳翔)
・村伝統の技術をそのうち受け継ぐ家系の人。
・その出来次第で村が稼げるか決まるくらい重要な立場。
・ある意味死神的役回りだったのは主人公的ではある。
・小説版では小柄設定。187㎝、184㎝に挟まれた180㎝はある意味小柄といえるかもしれない(?)
・小説版では若干空回った正義感を見せつけてくれる。イライラせず見守ろう。
新平(演:小林直己)
・寡黙な伍介の幼馴染で伍介の憧れの人物その①平次郎の弟。
・襲撃事件を起こして無双状態にはなるが鉄砲には敵わなかったりする。
・小説版で上記の襲撃事件についての裏が語られるが映画版では尺の都合でカット!
真之介様(演:AKIRA)
・伍介と新平の憧れ?ヒーローみたいな存在(舞台挨拶レポによると演者によって真之介のヒーロー性は否定されている)←小説版に於いてはヒーロー性を欠いてしまった合理的な部分が描かれている。
・映画ではあまり掘り下げられないため様々な謎が残ってしまう。
・画像や紙媒体だと分からないが映画本編だと衣装の赤がかなり美しい。
仙吉(演:音尾琢真)
・村を出た伍介の新しい就職先の先輩。
・小説版では伍介の中でも大きな存在になっている。
・伍介の中ではひとつの「戦乱の若者」の象徴といえるかもしれない。
・特に演者に文句はないがある意味では伍介の転換点となるキャラとも言えたのでここに身内演者投入してもよかったのでゎ感があった(HIRO神的にはEXILE起用は消極的で3人起用は監督側の熱烈なオファーだったと後に知る)
・↑小説版では伍介の2人いるうちの1人の息子の名前に一字取られるレベルには大きなキャラになっている。
あらすじ
鋼作る家系に生まれたけど憧れの人殺されし信長はパンピーを取り立てるらしいから侍になりたいわって感じで村に来た商人経由で村から出てそこで紹介されたおっさんに職場紹介されたけどそこの職場がヤバくて逃げて村に戻ってきたら職場紹介してくれたおっさんの話に乗せられて村乗っ取られかけてる、っていうのが大まかな流れ。
実はわたくしがみた前情報(という名のネタバレ感想)が散々な有様で、
・シナリオがダメすぎる
・カットが雑すぎる
・キャラ各々が何したいのか分からない
って感じで、
・侍になってないじゃん
という意見もありつつ、まぁ、侍についての意見は、多分本当の意味の侍ではなくて、多分たたら村や村下を継ぐ、背負うということを侍に喩えているというか、役職的な意味合いでの侍ではなく意訳的というか比喩的な意味合いでの侍という意味ではなかろうか、という解釈ならば、まぁまぁまぁというところ・・・だろうか?
・EXILEだからムリ
これはもう各々のあれだからあれよな。先入観の問題だったりもするので。あまり演技に若干の荒削りさはあっても問題はないレベル。かえって過剰でないくらいが雰囲気に合っているくらい。
いや、期待しないで行ったのにわたくし的に正直楽しめてしまったので何とも言えない。EXILEがちょっとおっさん臭いけど爽やかな曲歌うおっさんたちという印象から色黒黒ジャケ黒シャツ成金ネックレス衣装にホスト引き連れた集団という印象へ、そして人数が増えて謎の田舎ヤンキー感を帯び、段々高彩度電飾パリピという印象へ移行はしたが、そろそろ拭う頃なのかも分からないっすね。
正直な話、今をときめく岩田登坂白濱町田辺りを投入しないと興行収益とか大丈夫なのか?くらいには素人目に思ったワケで(2回目だがEXILE身内起用に消極的だったのは後に知る)前情報(という名のネタバレ感想)に目を通しただけでもこれは大コケしているのでゎ感はあったが、世界観的にこの3人だからこそ泥臭さと汗臭さが伝わる感じはあった。あとサイバー歴史モノ、歴史モノパロディお祭り企画ではないので上記4人だと世界観に合わなかったのかもな~ってのは観てから分かった。ちなみにお察しの通りかもしれないが、HiGH&LOWのような華々しさや派手さはない。
それからたたら侍は血液の描写が控えめなんすわ。皆無ではない。身体から離れた血液は、描写されているんすわ。たとえば戦場の旗だとか。撃たれた後に流れる血とか。でも斬られた時に血は吹き出さない。だから死んだのか生きているのか、そしてヒットしているのかしていないのか分からない。近くの老夫婦は真之介様が生きているか死んでいるか分からないと話合っていましたな。
めっちゃ個人的な話だけれども真之介のお付の者(演:田畑智子)は救命救急24時の時から知っていたのでキャスティングされていると知ったときはおお!って感じだった。なかなかいい役でした。
映画だけでは結局のところ、本当に“何か”のダイジェストみたいになってしまうんですわな。時間的尺の都合で。つまりこれは小説ありきで完結する話ということで。小説、買ってきました。小説→映画だとどういった感想になるかは分からないですけれども、わたくしは映画→小説で良かったな、と。小説で紐解かれていくという感じで。映画のこのシーンは実はこういう裏があったのか、という感じが。
特に真之介様が何故赤い衣装を身に纏っているのか、とか。どうして新平は村に戻ってきたのか、とか。それから謎に出てくる村の刀鍛冶みたいな兄ちゃんの正体だとか。
んでももうちょっと内容に踏み込んだ感想に入りますわ。
映画で伍介の父ちゃんが村下-ムラゲ-(伍介がいずれなるやつ)になるんだが、それに対してもともとの性格もあるのかちょっと不安げというか。それも小説版で明らかになるんすけど、これって村の稼ぎを左右するらしいんすわ、出来栄え次第で。鋼が高く売れるらしいから小説版でも明らかになる、伍介はこの時代珍しく主食がお米。これは仙吉から指摘されるんすけれど。それくらい村が豊かなんすわな。それからこれは映画とか小説とか関係なしにわたくしが調べたんすけど、高温度の炎の光見るから視力が著しく下がるんだと。失明することもあるとか。多分伍介が村を出たのはこの辺りの理由が主ではないとは思うんだけれども。自分探しの旅っすかね。村を守るとかなんだとか言ってるけど。あと憧れの平次郎さん死んじゃったし。っていうか殺された。人為的に殺されたワケだがある意味で乱世に殺されたと言えなくもない。
初っ端から伍介が問題提起というかテーマを口にしてしまうから、それにストーリー自体が答えられ回収できているかは正直分からないんだよな。強さとは何かと。力とは何かを果たして伍介は理解できたのかってこと、そして監督はそれを受信者側の知能の差はあれど上手く映画に乗せて受信者に分からせているのかっていう作品にすることの難しさね。むしろ伍介ではなく新平や真之介様はそれを回収できたとは思うんだわ。新平は村長の家の次男で、村を想い結局は果てるわけだけれども、村を想って不安因子を排除しようと行動した。真之介様も様々なことが重なって本懐は遂げられなかったけれど自身のすべきことを成し遂げ果てた、という点では。それで伍介は?って話よ。わたくしの当初の解釈では、ただ生まれながらに敷かれたレールに抗わず進めよってメッセージだと思ってたわけ。そうしなかったから伍介は大事なもの色々失ったのかな、って。これはなんというか、自分次第でうんたらかんたらと綴られているHiGH&LOW THE MOVIE主題歌のHIGHER GROUNDの歌詞となかなかに対を成してるなって感じがしたけれども(何故ここでHiGH&LOW が出てきたかは知らない)。他の解釈としては、色々なことをやってみて大事なモノを失くすかもしれないけれどもそれも背負って覚悟して一皮も二皮も剥けろ、と。小説版はハッピーエンドっぽかったけど映画版だとあまりハッピーエンドって感じはしなかったな。ただ、たたら侍のパンフレットの監督インタビューにある「真の強者は弱者の気持ちを知っている」(意訳)みたいな部分はHiGH&LOW 本編でのMUGENの曲『MUGEN ROAD』とか先述のHIGHER GROUNDの歌詞でも触れてるんだよね。これが伍介が初っ端問題提起した「強さとは何か」そしてまるでそれは結局のところ「力ではなかった」といいたげだった部分の裏にあるものなのだろうか?己の非力さの自覚そして守る覚悟、という感じの。という点では小説版では結構それは真之介様が担っていた部分はあるんですわな。っていうのも映画では端折られてしまっている新平が村へやって来るシーンが実は真之介様の差し金であるだとか。これネタバレなんですけれども。若干ここ映画と小説で構成が違うのでその都合で新平の最期の台詞が違ったりする。そこが少し切なかったり。
総括すると
EXILEがワイルドな俺()といって暴れまくる話では、なかったんですわな。とにかく主人公の空回りっぷり、新平の愚直な覚悟、真之介様の乱世ではヒーローでいられきれなかった感じがなんというか、泥臭く汗臭く、って感じですわ。
それからこの映画、戦国時代の有名人は一応でてきます、名前だけ。戦国時代が舞台で主人公が一般ピーポーな作品は少ないらしいのですが(パンフレット情報)これはちょっと映画観る数が少ないわたくしからはそうですね!とは思えないのだが大概まぁ戦国時代の有名人と出会ってしまいそこから話が進む、みたいな話はあるかもしれないですな。(
Ex:信長のシェフ、戦国自衛隊)ただ本当に戦国時代の有名人の血筋の者は出てきても、結局は乱世の中の狭い村の中で閉鎖的に事が起こり、乱世の中誰かが知ることもなく終わるって話なんですよな。伍介が撒いた種で大事なモノを失い、伍介が回収する、そんな話。
そしてもっと外面的な話になると、映像はかなり綺麗。特に、予告動画にもある帆が開くシーンは印象に残っていますわ。他にも田園を歩くときの遠くの山の木々の映り込みね。さすが少し特殊な撮影機器を使っていらっしゃる。
すっごい個人的な話になるんですけれども、なんとなく新平のイメージが布袋寅泰の「嵐が丘」の曲にかぶる。それから夏目漱石の「こゝろ」のKね。
2017.6.2
※ストーリーの核に迫るネタバレあり
もともと観るつもりもなく、ただなんとなく暇だからという理由で何の期待もせず、あらかじめ前情報を頭に入れつつ、映像美とED主題歌に期待しつつ、直己さんの演技見てみたいなくらいのノリで行ってきました。ガチな話、10人いなかったです、同じ時間帯に観た人。
ストーリーの核心に迫るネタバレ(小説版映画版パンフレット問わず)を含みますのでご注意ください。他作品名を出したりします。
ネタバレする直前にアテンションなど含みませんのでご注意して。
まず一言で要約すると、「非力なEXILE」というところ。
とりあえず大まかにキャラ紹介とわたくしなりの解釈を。
伍介(演:青柳翔)
・村伝統の技術をそのうち受け継ぐ家系の人。
・その出来次第で村が稼げるか決まるくらい重要な立場。
・ある意味死神的役回りだったのは主人公的ではある。
・小説版では小柄設定。187㎝、184㎝に挟まれた180㎝はある意味小柄といえるかもしれない(?)
・小説版では若干空回った正義感を見せつけてくれる。イライラせず見守ろう。
新平(演:小林直己)
・寡黙な伍介の幼馴染で伍介の憧れの人物その①平次郎の弟。
・襲撃事件を起こして無双状態にはなるが鉄砲には敵わなかったりする。
・小説版で上記の襲撃事件についての裏が語られるが映画版では尺の都合でカット!
真之介様(演:AKIRA)
・伍介と新平の憧れ?ヒーローみたいな存在(舞台挨拶レポによると演者によって真之介のヒーロー性は否定されている)←小説版に於いてはヒーロー性を欠いてしまった合理的な部分が描かれている。
・映画ではあまり掘り下げられないため様々な謎が残ってしまう。
・画像や紙媒体だと分からないが映画本編だと衣装の赤がかなり美しい。
仙吉(演:音尾琢真)
・村を出た伍介の新しい就職先の先輩。
・小説版では伍介の中でも大きな存在になっている。
・伍介の中ではひとつの「戦乱の若者」の象徴といえるかもしれない。
・特に演者に文句はないがある意味では伍介の転換点となるキャラとも言えたのでここに身内演者投入してもよかったのでゎ感があった(HIRO神的にはEXILE起用は消極的で3人起用は監督側の熱烈なオファーだったと後に知る)
・↑小説版では伍介の2人いるうちの1人の息子の名前に一字取られるレベルには大きなキャラになっている。
あらすじ
鋼作る家系に生まれたけど憧れの人殺されし信長はパンピーを取り立てるらしいから侍になりたいわって感じで村に来た商人経由で村から出てそこで紹介されたおっさんに職場紹介されたけどそこの職場がヤバくて逃げて村に戻ってきたら職場紹介してくれたおっさんの話に乗せられて村乗っ取られかけてる、っていうのが大まかな流れ。
実はわたくしがみた前情報(という名のネタバレ感想)が散々な有様で、
・シナリオがダメすぎる
・カットが雑すぎる
・キャラ各々が何したいのか分からない
って感じで、
・侍になってないじゃん
という意見もありつつ、まぁ、侍についての意見は、多分本当の意味の侍ではなくて、多分たたら村や村下を継ぐ、背負うということを侍に喩えているというか、役職的な意味合いでの侍ではなく意訳的というか比喩的な意味合いでの侍という意味ではなかろうか、という解釈ならば、まぁまぁまぁというところ・・・だろうか?
・EXILEだからムリ
これはもう各々のあれだからあれよな。先入観の問題だったりもするので。あまり演技に若干の荒削りさはあっても問題はないレベル。かえって過剰でないくらいが雰囲気に合っているくらい。
いや、期待しないで行ったのにわたくし的に正直楽しめてしまったので何とも言えない。EXILEがちょっとおっさん臭いけど爽やかな曲歌うおっさんたちという印象から色黒黒ジャケ黒シャツ成金ネックレス衣装にホスト引き連れた集団という印象へ、そして人数が増えて謎の田舎ヤンキー感を帯び、段々高彩度電飾パリピという印象へ移行はしたが、そろそろ拭う頃なのかも分からないっすね。
正直な話、今をときめく岩田登坂白濱町田辺りを投入しないと興行収益とか大丈夫なのか?くらいには素人目に思ったワケで(2回目だがEXILE身内起用に消極的だったのは後に知る)前情報(という名のネタバレ感想)に目を通しただけでもこれは大コケしているのでゎ感はあったが、世界観的にこの3人だからこそ泥臭さと汗臭さが伝わる感じはあった。あとサイバー歴史モノ、歴史モノパロディお祭り企画ではないので上記4人だと世界観に合わなかったのかもな~ってのは観てから分かった。ちなみにお察しの通りかもしれないが、HiGH&LOWのような華々しさや派手さはない。
それからたたら侍は血液の描写が控えめなんすわ。皆無ではない。身体から離れた血液は、描写されているんすわ。たとえば戦場の旗だとか。撃たれた後に流れる血とか。でも斬られた時に血は吹き出さない。だから死んだのか生きているのか、そしてヒットしているのかしていないのか分からない。近くの老夫婦は真之介様が生きているか死んでいるか分からないと話合っていましたな。
めっちゃ個人的な話だけれども真之介のお付の者(演:田畑智子)は救命救急24時の時から知っていたのでキャスティングされていると知ったときはおお!って感じだった。なかなかいい役でした。
映画だけでは結局のところ、本当に“何か”のダイジェストみたいになってしまうんですわな。時間的尺の都合で。つまりこれは小説ありきで完結する話ということで。小説、買ってきました。小説→映画だとどういった感想になるかは分からないですけれども、わたくしは映画→小説で良かったな、と。小説で紐解かれていくという感じで。映画のこのシーンは実はこういう裏があったのか、という感じが。
特に真之介様が何故赤い衣装を身に纏っているのか、とか。どうして新平は村に戻ってきたのか、とか。それから謎に出てくる村の刀鍛冶みたいな兄ちゃんの正体だとか。
んでももうちょっと内容に踏み込んだ感想に入りますわ。
映画で伍介の父ちゃんが村下-ムラゲ-(伍介がいずれなるやつ)になるんだが、それに対してもともとの性格もあるのかちょっと不安げというか。それも小説版で明らかになるんすけど、これって村の稼ぎを左右するらしいんすわ、出来栄え次第で。鋼が高く売れるらしいから小説版でも明らかになる、伍介はこの時代珍しく主食がお米。これは仙吉から指摘されるんすけれど。それくらい村が豊かなんすわな。それからこれは映画とか小説とか関係なしにわたくしが調べたんすけど、高温度の炎の光見るから視力が著しく下がるんだと。失明することもあるとか。多分伍介が村を出たのはこの辺りの理由が主ではないとは思うんだけれども。自分探しの旅っすかね。村を守るとかなんだとか言ってるけど。あと憧れの平次郎さん死んじゃったし。っていうか殺された。人為的に殺されたワケだがある意味で乱世に殺されたと言えなくもない。
初っ端から伍介が問題提起というかテーマを口にしてしまうから、それにストーリー自体が答えられ回収できているかは正直分からないんだよな。強さとは何かと。力とは何かを果たして伍介は理解できたのかってこと、そして監督はそれを受信者側の知能の差はあれど上手く映画に乗せて受信者に分からせているのかっていう作品にすることの難しさね。むしろ伍介ではなく新平や真之介様はそれを回収できたとは思うんだわ。新平は村長の家の次男で、村を想い結局は果てるわけだけれども、村を想って不安因子を排除しようと行動した。真之介様も様々なことが重なって本懐は遂げられなかったけれど自身のすべきことを成し遂げ果てた、という点では。それで伍介は?って話よ。わたくしの当初の解釈では、ただ生まれながらに敷かれたレールに抗わず進めよってメッセージだと思ってたわけ。そうしなかったから伍介は大事なもの色々失ったのかな、って。これはなんというか、自分次第でうんたらかんたらと綴られているHiGH&LOW THE MOVIE主題歌のHIGHER GROUNDの歌詞となかなかに対を成してるなって感じがしたけれども(何故ここでHiGH&LOW が出てきたかは知らない)。他の解釈としては、色々なことをやってみて大事なモノを失くすかもしれないけれどもそれも背負って覚悟して一皮も二皮も剥けろ、と。小説版はハッピーエンドっぽかったけど映画版だとあまりハッピーエンドって感じはしなかったな。ただ、たたら侍のパンフレットの監督インタビューにある「真の強者は弱者の気持ちを知っている」(意訳)みたいな部分はHiGH&LOW 本編でのMUGENの曲『MUGEN ROAD』とか先述のHIGHER GROUNDの歌詞でも触れてるんだよね。これが伍介が初っ端問題提起した「強さとは何か」そしてまるでそれは結局のところ「力ではなかった」といいたげだった部分の裏にあるものなのだろうか?己の非力さの自覚そして守る覚悟、という感じの。という点では小説版では結構それは真之介様が担っていた部分はあるんですわな。っていうのも映画では端折られてしまっている新平が村へやって来るシーンが実は真之介様の差し金であるだとか。これネタバレなんですけれども。若干ここ映画と小説で構成が違うのでその都合で新平の最期の台詞が違ったりする。そこが少し切なかったり。
総括すると
EXILEがワイルドな俺()といって暴れまくる話では、なかったんですわな。とにかく主人公の空回りっぷり、新平の愚直な覚悟、真之介様の乱世ではヒーローでいられきれなかった感じがなんというか、泥臭く汗臭く、って感じですわ。
それからこの映画、戦国時代の有名人は一応でてきます、名前だけ。戦国時代が舞台で主人公が一般ピーポーな作品は少ないらしいのですが(パンフレット情報)これはちょっと映画観る数が少ないわたくしからはそうですね!とは思えないのだが大概まぁ戦国時代の有名人と出会ってしまいそこから話が進む、みたいな話はあるかもしれないですな。(
Ex:信長のシェフ、戦国自衛隊)ただ本当に戦国時代の有名人の血筋の者は出てきても、結局は乱世の中の狭い村の中で閉鎖的に事が起こり、乱世の中誰かが知ることもなく終わるって話なんですよな。伍介が撒いた種で大事なモノを失い、伍介が回収する、そんな話。
そしてもっと外面的な話になると、映像はかなり綺麗。特に、予告動画にもある帆が開くシーンは印象に残っていますわ。他にも田園を歩くときの遠くの山の木々の映り込みね。さすが少し特殊な撮影機器を使っていらっしゃる。
すっごい個人的な話になるんですけれども、なんとなく新平のイメージが布袋寅泰の「嵐が丘」の曲にかぶる。それから夏目漱石の「こゝろ」のKね。
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