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読書感想文というには散らかってるかもなやつ

絵本の感想 2017.6.10  2017.10.16

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ブログから転載。




「ぼくの図書館カード」という黒人差別を描いた絵本がありまして、それの感想を調べていたところ、「わたしのとくべつな場所」というこれも黒人差別を描いた絵本がありまして、この2冊の時系列は20年か30年くらい差があるのですけれどもね。黒人差別を描く絵本はまだ他にもあってネットで調べた時は見なかったのですが、この小さい図書館にまさかないだろうと思っていた「わたしのとくべつな場所」があったのと、その近くにキング牧師の本とか「ヘンリー・ブラウンの誕生日」とか黒人差別の本、ありましたな。それから「なぜ戦争はよくないか」という絵本も興味をそそりましたな。
 絵本って結構すごいんですわ。対象年齢のこともあって言葉が噛み砕いてあるから。だからこそ、ある程度知識や経験や技量、価値観や偏見を持ってから見てしまうと、なんか新しい発見染みたものとか再確認できたりとかできるんすわ。



※なんとなくあらすじ

☆ぼくの図書館カード/新日本出版社
 字は読めるが本が手に入らない環境にいる黒人の少年が勤務先の白人の図書館カードを借りて本を借りる話。(当時の黒人は図書館で本を借りられない、識字率が低い)
 
☆わたしのとくべつな場所/新日本出版社 
 おばあちゃんと行く「とくべつな場所」へ1人で向かう黒人の少女が道中黒人差別に遭い落ち込みながらも出会う知り合いたちに励まされ、「とくべつな場所」へとたどり着く話。
 
☆ヘンリー・ブラウンの誕生日/鈴木出版 
 奴隷は家族を持っても引き離されると幼い頃から身を以て知っていたが最愛の妻子と引き放された黒人の青年が自由を求めて逃亡を果たす話。

☆なぜ戦争はよくないか/  偕成社 
 戦争がどうしてよくないのか、自然や母親や平凡な青年の例を取って比喩的に、少し具体的に淡々と描かれている。ストーリーがあるというよりは説かれているタイプの絵本。




 わたくしは「ぼくの図書館カード」っていう絵本みてから、本を読むってのはどういうことなのかって思ってたワケですわ。どういうことなんだろうって。答えは結局出なかったわけですわ。まぁあれです、実は中央図書館から少し離れた小規模な図書館の方に置いてあった「本を味方につける本」てのを手に取ってしまったのである意味カンニングみたいなものなんですけれども。要するに他者と通しての手前の選択が分かるってこともひとつの答えみたいなんですわ。この主人公はこういう選択したけど手前ならこうしたわ、みたいな手前の中の考えがひとつ分かるってこと。そうすることで自分が見えてくる、かもしれないということ。本が役に立つってのは主語がデカすぎて断定的すぎるけど、役に立たない本も数多くあるってこと。自分が見られない世界を見られるということ。自分はこうは思わなかった、っていう否定的な考えでもひとつ手前の答えになるということ。らしいですわ、その本の感じ。解釈が違ったらあれですけど。


( ※手前=自分のこと。わたくし。私。僕。俺。その他自分を差す。)

 読書に無理矢理意義を見出す必要はないし、興味のある本を読んだらいいんですわな。それは割かし大前提としても、なかなか本に興味持つのって難しくもあるんですわな。わたくしも読書嫌いではないけれども好きかというと怪しい。面白そう!と思えば躊躇なく購入したり図書館で読んでみたりするけれども…あと書体ね。フォント。出版社によって少し違ったりするの。個人的に「す」と「ら」の最後の払いが好きなんですけれども。
 ちなみに三島由紀夫の「仮面の告白」は比喩的というか小難しいので読みやすくはないです。意味が通るとおお!ってなるのですけれども。


 なんでわたくしが「ぼくの図書館カード」という絵本を手に取ったか、自分でも謎で、ただ図書館側のオススメみたいな感じで本だなの上に立て掛けられていたから手に取った…っていうと違くて、自分でもよく分からないけど可能性として近い部分でいうとEXILEの影があって、まぁ某メンバーが以前某バラエティ番組で「ブラックの人に憧れがある」と言っていたのを聞いていて、なんで?て思ったというか自分の中の差別意識みたいなのを自覚して、それからEXILEは突き詰めていくと黒人文化取り入れてる部分あったりするので、もしかしたらなんとなくそれが頭にチラっとあったのかもしれないし、同時に図書館で図書館カードってタイトルにあったからかもしれないし、わたくしが図書館カード持ってないってのもあったのかもしれない、今となってはマジでどういうつもりであの絵本を手に取ったのが非常に謎。ただ後悔はしていないし、むしろ、印象に残る一冊にはなった。それでいてわたくしが抱いた「読書の意義」ってのはこういうことだったのかも分からないわっていう。


2017.6.30


☆イワンのむすこ/河出書房新社
 これ話結局難しかったですわ。話自体の意味は分かるんですわ。ただ解釈次第ではオチが見当たらないというか。
大まかな話なんすけど、
 利口な子どものイワン(戦災孤児?)→イワンが王様になる?させられる?→周りに唆されるように戦争や処罰→結婚・子どもできる→純粋無垢な嬰児にイワンと名付ける
 みたいな話で、わたくしのかいつまみ方次第で解釈は異なると思うんすけど…歴史は繰り返すという解釈でいいのか、それとも自分の意思で決められたのが子どもの名前つけることくらいだったのか…解釈が難しい。多分なんすけど、メッセージがあるような気がして。このままありのまま受け取っていいだけならこういう絵本にはならないような…?イワンのむすこはイワンであり、ずっとそれが続いて、途絶えた時にやっと手前の意思を持った王様になる、という解釈も出来なくはないけれども。


☆悪い本/岩崎書店
 原作が宮部みゆき…?だったかな。何が悪いのかを明言する絵本ではなかったですな。いや、明言されているにはされているかな…成長するにつれて回りが見えてきて手前の感情の正体も分かってきて、ルールだの秩序だの法律だの倫理観だのが分かってきて、そうすると自ずと炙りだされる「悪」って概念とどう向き合うかというか、なんというか、この絵本の中ではこの絵本の作者が思う「悪」に対する対処?みたいな何かしらの答えは提示されていなくて、言葉に上手くしずらいのだけれども、本当の「悪」って何なのかな、って思ってしまって。結局のところ人の業、みたいな絵本かも分からないですな。わたくしは好きです。あとクマがかわいい。




☆たいせつなこと/フレーベル館
 他者との比較で優越感を覚えることもあれば劣等感を覚えることもあって。ただその優越感みたいなのって結構アホみたいに儚くない?わたくしだけかな。競争や競合は大切…っていうかその恩恵を社会的に受けているわけだからなんだけど、その規模が個人になったら、って時よね。んでもって他人と比べなくてもいいんだろうし、各々が持つ雰囲気だの生まれ持ったものだの性格だの個性はあるんだろうけれども、これもまた人の業というか。特に仕事という面に於いては接客業なりでもなければ求められるのはマニュアル化された作業だったりするわけで。取り替え引き替えが利く仕事だからこそ利点があったりもするんだろうけれども、何というか効率が求められたりするとどうも…って感じで。
 何の前置きかというと、 もう無意識無自覚ないし嫌でも周りを意識して自分の無力さ無能さを目にする日々だろうけど、比べなくていいと言われたって結局しちゃうワケですわ。でもそれってもう社会的に生きられる人間の性(さが)みたいなものだから仕方ないと割り切るしかないわけで。(社会的に生きられない人間もいるというか、なんというか。マイペースすぎるというか。もしくは割り切れて悟れてる人)
 この絵本は、リンゴとか風とか雪とかのそれたらしめるものを挙げていくワケですが、わたくしが読んだとき、マヂーヂ?(マジ?の意)って思ったというか、こっちよりあっちのが大事なのでゎ?みたいな。(りんごにとって大切なのは○○です、みたいな文面に対し、××じゃないの?みたいな)でも意外とそういう見方もアリなのかも分からない…。結局重要視されるところって分からんもん。
 んで、ぽまえ(お前の意)がぽまえたらしめるものってなぁに?みたいな問題提起をされて終わります。そういう文面じゃなけど。

2017.10.16

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