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主人公じゃなかったから 全14話/三角関係/大学生/陽気攻/意地っ張り受/イラマ/乳首責め

主人公じゃなかったから 9

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 恋人とかセフレとかペットとか結局ケモノの僕等には荷が重いんじゃない?


 呼ばれた気がして目が開いた。くるっと横向くと達央と桐島が2人して僕を見ていた。達央はちょっと困ったカオで「邪魔してる」って言ってた。僕は何のおもてなしも出来ないことを軽く謝った。
「アイス食うか」
「うん」
 達央はにこって笑ってかっこよかった。取ってくる、って言って立ち上がった時にふわって達央の気にならない程度の香水の薄い匂いがした。冷蔵庫開けてる姿を僕を見ていたけれど桐島は僕を見ていた。
「体調はどう」
 ぶっきらぼうに桐島が聞いた。
「良くなってきた」
 達央がカップアイス持って戻ってきて僕は答えたのに桐島はそっぽ向いた。カップアイスは達央の手の中で、達央に口まで運んで食べさせてもらった。その間桐島はずっと居心地が悪そうで、ちょっと申し訳なくなった。でも美味いか?美味しいか?腹壊すなよ、これ好きだったよなって達央も頻りに話しかけてきて、桐島に声掛けられなかった。僕の寝てる間になんかあったのかな。
「熱は?」
 アイスを食べ終わると達央は訊いてきて、体温計もないから「分かんない」って答えたら前髪除けておでことおでこぶつけ合った。桐島に悪いなって思った。
「ちょっと熱いか。泊まろうか、今夜」
 桐島のほうを見たけれど桐島は僕等のいないほうに顔を逸らして俯いていた。桐島、僕等はそんなんじゃないから大丈夫だよ。桐島も僕におでこ当てなよ。桐島…
「長居するのも悪いから、そろそろ帰る」
 桐島は立ち上がってそのまま玄関に行こうとした。泊まるんじゃなかったのかよ。
「真樹ち!なんでさ!」
「邪魔した。またな」
 慌ててベッドから降りようとすると布団が足に絡んで上半身だけベッドから降りようとして達央に支えられた。桐島は玄関を開けた。振り向いてくれない。手も振らせてくれない。
「もしかして桐島が泊まる予定だったのか」
 達央はちょっと気遣う感じで訊いた。新品のパンツと歯ブラシの袋がテーブルの端に置いてある。レジ袋なんか綺麗に小さく畳んであった。
「…まっさか!泊まってくれるワケないじゃん、桐島は僕のコト嫌いなんだから」
「そんなはずはないさ。礼斗はみんなに愛されてる、だろ?」
 前髪くしゃくしゃに撫でられて、僕はちょっと疲れちゃってちゃんとベッドに入った。
「タっちゃんはさ、桐島のコト、怒ってる…?」
「…怒ってるとか、怒ってないとかじゃないんだ。ただ、戸惑ってる。礼斗に気を遣わせてるな。桐島にも」
「タっちゃんは優しいね」
「オレも似たようなものだから、オレは桐島を責められない」
 達央と桐島が似たようなものだなんて思ったことなかった。不思議なこと言うな。人類皆兄弟的な意味かな。達央は博愛主義だから。
「僕が桐島と一緒にいても、苦しくない?」
「……苦しい。でも桐島は関係ない」
 返事は意外だった。意味が分からない。なんで。踏み込み過ぎたかな。自分で訊いたくせに反応に困って黙っちゃつた。
「なんてな、冗談だ」
 またくしゃくしゃに髪を撫でられて達央は爽やかに笑った。
「さ、寝ろ。騒がしくしたな」
 布団の上に置いてた腕を達央はせっせと布団の中に押し込んで、ぽんぽん叩いてくれた。子供かな、僕は。
「眠くない」
「寝かせてやる」
 片手はぽんぽん僕を叩いたまま、枕元に突っ伏して達央のかっこいい顔が近い。ずっと僕のことを見つめていた。僕のこと見てるより達央は鏡見てるほうが楽しいだろうに。
「ホットミルク作ろうか?蜂蜜入れてやる」
 元カノの蜂蜜の瓶が一人暮らし用の背の低い冷蔵庫に置いてあるから多分それを見つけたらしい。
「ううん…いい。さっきアイス食べたから…」
 髪を撫でられて気持ち良かった。僕って赤ちゃんなのかな。達央がパパだったらな。桐島がママだったらな。エッチだな。夜、ママとパパはセックスするからね。好きな人といやらしいことする桐島ってどうなっちゃんだろう。僕とだってどろどろのとろんとろんになっちゃうのに。
「礼斗」
「んぉ…っ、ちょっと異次元いってた」
「寝そうだった?」
「ううん。僕本当、大丈夫だからさ。達央も帰ったほうがいいんじゃない。感染っちゃうよ」
 僕はちょっとぼわぼわする頭痛をやり過ごした。
「オレに感染して礼斗が元気になればいいのに…」
 達央は何か言っていたけれど僕は上の空でテーブルの上のパンツの袋と歯ブラシと畳まれたレジ袋ばっかり見てた。そこにまだ桐島がいるような気がしたし、戻ってきてくれるんじゃないかとまだ期待していた。うどんも置いてある。お湯で温めるお粥もあった。僕がこの前買ったやつと同じメーカー、同じ味付け。よく分かってるじゃん。ちょっと嬉しかったのに切なくなった。達央のこと忘れさせてあげるなんて言ってかっこつかない。
「小松さんって覚えてるか、オレの元カノの…」
「うん」
「桐島に告白していた」
「えっ!いつ…!」
 僕は勢い余って飛び起きた。
「お前が休んでた日だよ。せめて礼斗の様子くらい伝えてやりたいと思って、その時に」
「は?」
 達央はへらへら笑っていた。僕はまた頭の中がカーッとなった。喉がまたがらがらする感じがした。
「そんなこと一言も僕には教えてくれなかった!」
「言えるものじゃないだろう。言い触らしたら相手の子に悪いしな」
 言い触らしちゃうタイプだ、僕。達央とか桐島を好きになった子は幸せだね。だって告白って自己責任じゃん。なんで告白された僕等が気を遣うの?って話で。好きだって言うなら僕がそういう人間だって見抜いてよ。出来ないなら僕のこと好きじゃないんだよ。上辺しか好きじゃないんだよ。きっとあの女だって桐島の綺麗な顔しか知らないんだ。桐島が綺麗で律儀で優しくて繊細で可愛いくて意外と素直ででも突っ走っちゃうタイプって知らないんだ。知らなくていいよ!あんな女に桐島の綺麗さが分かるはずないんだ。桐島がどれだけ馬鹿正直で純情で清楚な人なのか分かる訳ない。理解する能がないんだから!
「ただのゼミの友達だって言ってたもん…ただの知り合い程度かもって…」
 それは僕が言わせたんだけれど。
「桐島は僕のだもん。桐島が自分のコト僕の好きにしていいって言ったんだもん…本当だもん…」
 僕は愚痴っぽく繰り返した。達央に言ったって仕方ない。でも止まらなかった。喉が痛くなる。うっうって腹の辺りから何か込み上がる。口に出すと思ってたより怒りとかより悲しくて悔しくて涙が出てきちゃった。
「変な話してごめんな。礼斗は桐島のこと………大好きなんだもんな。泣かないでくれ」
 僕はぐすぐす鼻詰まり鳴らして袖で目元拭いてたけれど達央に背中摩ってもらった。達央の指が僕の目元から涙を払ってくれる。
「別に好きじゃない」
「そうかな」
「桐島が目の中に入るから全部ぐちゃぐちゃになる。不安で嫌で怖くなる。僕が僕じゃなくなっちゃう」
 達央だから全部言える。僕は僕が大好きなのに、桐島のせいで僕が僕じゃなくなっちゃう。僕の知らないところばっか出てくる。僕が嫌いな面倒臭いカノジョになっちゃう。桐島なんか大っ嫌い。
「カラダの相性が良いだなんて次元じゃなく桐島が特別なんだろう?気になって、もう桐島のことしか見えなくなって、桐島に触れる他の奴等が憎くなるんだ」
「…っ、達央も、桐島のコト、そう思うの?」
 良かったじゃん桐島って思ったのにいきなり胸がどーんと苦しくなった。風邪のせいだ。数年ぶりの風邪のせい。達央のことずっと見てる桐島がエッチ過ぎるから僕はおかしくなって風邪引いた。だから桐島のこと言われて苦しいんだ。喉も痛いんだ。泣きそうだよ。桐島のせいだ。責任取ってよ。
「いいや…」
 達央はへらって笑った。昔読んだ子山羊たちに腹に石詰め込まれたオオカミみたいな気分が飛んでいくのに、もっと別なところで残念な気がした。
「ただそういう経験をしたことがあるってだけの話。これからもするし、今もしてる」
「しんどくないの」
「正直しんどいな。でも秤に掛けて、決めたんだ。もう付き合っていくしかない。終わらせるのは簡単だけどな…ずっと傍に居たいんだ」
 何事もなく笑う達央はかっこよかった。根本の出来から違うんだよ、器も気力も根性も。
「罪作りな女がいたもんだな!」
 そこまで達央に言わせるんだとしたら付き合い長い子かな。幼馴染とか?それで多分その子には他に好きな男がいるんだろうな。でも達央と付き合い長いくせに達央に靡かないってとんでもない馬鹿か鈍感か変態だな。それかその好きな男が達央に並ぶかちょっと劣るくらいのいい男か。やっぱり
「そうだな、罪作りだな。言えるものなら、言いたい。オレを選んでくれってさ。オレだけ見てくれって。誰とも付き合ったりしないでってさ…でもオレはただ気を引きたくなってひとりの女の子を利用した。人並みに恋愛する資格なんかない」
「ある!好きならどーんとやらなきゃだよ」
 僕もどーんとやるか。達央に勝つとか負けるとか、達央を越えるとか越えないとか、そんなんじゃない。桐島には僕しかいない、桐島には僕が最高なんだって、桐島のカラダは僕のものなんだって知らしめてあげなきゃ。ヤれない美女よりヤれるブスって、僕ブスじゃないけれども、桐島は知らなきゃいけない。高嶺の花に届くまでに死んじゃうよ。


 桐島が僕の上に乗る。ちんこが溶けそうだった。僕も桐島のこと気持ち良くしたくてちんこ握ろうとするのにちんこなかった。桐島って女の子だった。女の子みたいにあそこが僕のちんこをきゅんきゅん締め付ける。結婚しようねって僕が言ってた。言われたらガン萎えするのに僕が言ってた。きゅんきゅん桐島の女の子の部分が僕を締めて、赤ちゃん産まれたら僕も桐島のおっぱい飲めたいなって思った。赤ちゃん欲しいって言われたらその子とはもうお別れするのに僕が思ってた。恋人みたいに手を繋いで僕は桐島の女の子になったあそこを突き上げる。熱くてきつくて、今まで虚しく死んじゃった何億もの僕の赤ちゃんが早く桐島のお腹の中に届かないかなって。だめだよ、桐島は僕のだから赤ちゃんに上げない。絶対あげない。桐島は絶対に渡さない。
 びゅるるってパンツの中で嫌な脈打つ感じがあった。部屋は真っ暗。顔を横に向けると達央が腕だけベッドに乗せて寝てた。腰痛くするじゃん。背中も。また泊まるかもって置いて行った着替えに変わってたから僕は結構長いこと寝てたんだ。なんで誰か来てる時に夢精なんかしちゃうかな。もぞもぞ動いてたら達央が起きちゃった。どう誤魔化すの。ぱりっぱりになる前にパンツ洗わなきゃなんないのに。
「どうした、礼斗」
「……~~夢精した」
 達央は電気を点けてくれた。あれこれ言うの面倒だし観念して告白したはいいものの、僕は恥ずかしくて俯いちゃった。達央もフリーズしてるのか黙った。
「ちょっとパンツ洗ってくるから、寝ててよ。ついでにお風呂も入る。うるさくしたらごめんだケド」
「大丈夫か、風呂入って」
 僕はこくこく頷いた。時計はもう深夜帯。でも汗だくだくだし。ちゃんと定期的どころか頻繁に抜いてるのに桐島のやつ、僕のカラダまでおかしくさせる。許さない。会ったらチュウしてやる。深いやつ。股間がなんかべちょってして気持ち悪いけど達央の前では何事もないようにベッドから出て桐島が適当に選んだ服脱いで風呂入りながらパンツ洗った。汗流すのは気持ち良かった。でもガラガラ音がしてモデルが入ってきたと思ったら達央もすっぽんぽんでたまげた。
「あ、れ??達央もうお風呂…」
「また入りたくなった。礼斗のことも心配だし」
 トイレと風呂場別六畳一間。ちょっと高かったけれど時給いいバイト頑張って駅から15分家賃4万。日当たりはちょい悪いから安いほう。ユニットバスならこうはならなかったってめちゃくちゃどうでもいいこと考えて背中に当たったタイルはちょっと冷たかった。180の男と173の健康優良児稀に風邪っぴき含む2人には狭かった。違う、達央が近いんだよ。ちょっとぼんやりしてる達央の目はずっと僕を見て僕の平たいおっぱい触られる。欲求不満か?でも僕が桐島にやるみたいなやらしい触り方じゃない。大事な壺に触る祖母ちゃんに似てた。弟が健康になるために買ったおまじないの壺に触る祖母ちゃんみたいに。色んな宝石の指輪が嵌ってた手を思い出す。僕がプレゼントしたシルバーの指輪、風呂に入る時くらいは外したほうがいいよ。
「礼斗」
 シャワーが半乾きでいつもと違う雰囲気の達央の髪をまた濡らす。水も滴るいい男に見惚れてた僕の顔の真横に達央の腕がついて、うるせぇ!って僕がやられるやつとは違う壁ドン。
「で、るよ。パンツ洗い終わったし、た、た、タッちゃんゆっくり温まって…」
 肉体美。彫刻よりずっと。達央は一歩また半歩近付いて、胸当たりそう。レズの漫画好きだよ、可愛い女の子がおっぱいぶつけ合うやつ。でも僕等は野郎でおっぱいは関東平野。
「礼斗…」
 僕は風邪ひいてるらしいのに達央はキスした。髪撫でられて、マッサージするみたいに首回されて、達央とのキスは気持ち良いとは思う。シャワーの音がまだ夢の中にいるみたいだった。片手が脇腹撫でていく。女の子みたいな柔らかさなんかないのに。それとも僕太った?ボーイッシュな子なのかな。明るい茶髪で、ボーイッシュで筋肉質な子なのかな。その子より太ってるまであるかもよ、僕。アイス食べ過ぎた?桐島にもいっぱい食べさせなきゃ。お腹壊しちゃうかな。お腹撫でてあげよ。下唇吸われて口開けられる。なんで拒否しないんだ、僕。達央のこと好きなのかな。達央のことは好きだよ、当たり前だ。シャワーがザーッて落ち着いた。大雨みたい。胸も腕も腰も腿も当たる。スカスカな桐島とは全然違う。舌が入ってきて絡んでふわふわした。ちょっと躊躇って僕から行った。でも離された。
「嫌じゃない?」
 次々落ちてくるシャワーで泣いてるように見えた。嫌とか嫌じゃないとか考えたこともなかった。僕は返事に困る。
「そういうのもありでしょ」
 捻り出した答えは無難だった。僕は桐島、桐島は達央、達央はボーイッシュな幼馴染みの女の子。無い物ねだりで代わりで、誤魔化して。でも達央は桐島と全然反発も体温も違う。僕だっていくらボーイッシュで筋肉質でも女の子と違うでしょ。
「桐島と色々あった時、ずっと礼斗のコト考えてた」
「僕はずっとタっちゃんのこと考えてるのに?」
 僕はけらけら笑い飛ばしてやろうと思ったのにガバッと画面ごとサメに喰われる映画みたいに一瞬視界が暗くなってぎゅむぎゅむの筋肉に包まれてちょっと苦しかった。冗談言うところじゃなかったよな、流石に。いくらなんでもある意味っていうか実質的にもレイプなんだし。エロ漫画のジャンルだと逆レイプってやつになるけれども。
「そうだな。ずっと、四六時中礼斗のコト考えてる」
「いやいやいや、ちょっとは例の好きな子のコトも考えてやれって」
 あと桐島のことも。だって僕が1日中桐島のこと考えたって桐島は僕のこと必要としてない。僕のものになってくれるのカラダだけ。カラダだけでいいけれど。ココロなんてもらってどうするの。ココロなんてもらったって。なんで達央に抱き締められながら桐島のこと考えてるのさ。シャワーを次々と綺麗な達央の肌が弾いていく。桐島、ここ変わってやろうか?出来るなら変わる。だから泊まってね。ちんこ舐めさせて。おっぱい揉ませて。チュウさせて。僕のことちゃんと呼ぶんだよ。「俺は成瀬のものだ」ってちゃんと誓ってね。ココロなんか要らないから。睫毛に水滴が絡む。
「桐島も誰かのことを考えてるみたいだった」
 多分君のことだよ、達央くん!って言いたかった。でもそれは桐島が自分で言ってこそ面白いけれど桐島は言わないって。だから僕のものになってくれた。だから僕は桐島にアイスを食わせられる。動物園でヤギとかに野菜食べさせるコーナー好きなんだよ、僕。
「礼斗はどうする?桐島に好きなやつがいたら」
 ちょっと達央の力が強くなった。達央分かって行ってるのかな。でも達央はそういうの疎いからな。鈍感だし。見るからにあの子達央のコト好きじゃんって時も全然分かってなかったし。
「僕の知ったことじゃないよ。誰を好きだって桐島は僕のなんだから」
 僕は桐島の好きなやつが誰なのか知ってて、その人は全然桐島のことなんか見ちゃいないことを知ってる。達央は僕の俺様主義を笑って聞いてくれた。分かる人だよ。
「そういうのもありだな」
 水滴付きまくってる僕の髪を撫でてくれた。でも寒くてくしゃみして、僕は自分が、達央は僕が風邪っぴきってことを思い出したみたいだ。
「タっちゃん」
 僕は動こうとした。腰に当たる熱くて硬いやつ。達央のご立派なもの。ちょっと動かしちゃって達央の口から色っぽい声が出ると何とも言えない気分になった。
「ぼ、僕、もう出るから…」
 2回も抜いてもらって?手コキならなんとか…でも達央が萎えるんじゃない?いやでもフェラまでしてもらって手コキもしてやんないのか?それはそれで男が廃るよな?
「あ~、僕抜こうか?この前やってもらったし、他の人からやられたほうが気持良いって言うし。目、瞑ってさ」
 別に今更恥ずかしがる関係でもない。何度も見たことあるし、僕だって夢精したこと告白したんだし。
「いや……いい。礼斗にそんなことさせられない…」
「僕はソンナコトしてもらったんですケドね?」
 僕だけイかされたところ見られてるんだよな、そういえば。達央の見たいか?見たくはないけれど僕だけ見せてるのもな。看病もしてもらってるしいっちょやるか。僕は達央のご立派なものを触った。直視できないから手探り。達央がまた色っぽい声出して僕をまたタイルと胸筋の中に閉じ込める。桐島のと指の回り方も全然違う。ごつごつしてて大きいし太いし硬いしで。桐島のは舐めてばっかでそんな触ってないからよく分からないけれども。女の子が絶対気持ち良くなる形状なんだろうなって思った。桐島これ受け入れたクセに僕のちんこで処女みたいにケツ切らせたんだ。気持ち良かっただろうな。桐島のケツ事情は知らないけれども、達央と比べちゃったら粗ちんの僕でも気持ち良さそうだったし。かなり硬くて太いの擦った。僕もズル剥けだけれど前から扱くの初めてで上手くできてるか分からない。達央は項垂れてぴくぴくしてたしちょっと腰動いてたから気持ち良いのかな。疲れマラ?ご無沙汰?
「…っ、」
 何か言いたい感じもしたけれど達央は多分脳内でボーイッシュな幼馴染の女の子とよろしくやってるだろうから僕は黙った。桐島にやるみたいな要領じゃダメだ。桐島だったなら言うよ、頭の中で達央とよろしくやってても気持ち良くしてるのは僕なんだって。達央のこと好きなクセに僕に気持ち良くされちゃうってなんかエッチだもんな。人妻みたいで。桐島はなんかもう人妻みたいだもんな。単身赴任の旦那を健気に待つ人妻とか、熟れたカラダを持て余す未亡人とか。旦那の葬式で人妻レイプする話好きだよ、僕。興奮してきた。拒絶されて引っ掻かれたいな。でも桐島、深爪なんだよな。達央のご立派なものの血管とか筋とかに指の腹が慣れてきてほぼ惰性になってた。それでも達央の押し殺した声がシャワーの雨音の奥に聞こえた。
「あ、やと、…っ」
 大きな手が僕の手を止めようとする。自分で何度か腰を揺らす達央はかなりエロかった。
「もう……っぅ、ぁ…」
 僕の腹に達央のあれがかかった。色も粘度もAV女優のあそこから流れ出てきたら一番エッチなやつで、セックスひとつとっても本当に優秀なオスなんだなって感じがした。僕の腹筋を達央のあれが落ちていく。
「わ、悪い!すぐ洗う!」
 ぼんやりした目と目が合うと達央はシャワーヘッド取って僕の腹を洗ってくれた。
「すごく気持ち良かった」
 礼儀正しいよ、本当。僕はそんなことカノジョに言ったことない。いや、僕は達央のカノジョではないけれども。カノジョは言ってくれたな。僕も今度から桐島に言お。気持ち良い!って言わせたくてしつこく訊いちゃうけれど僕から気持ち良いって言わないし。言う習慣ないもん。おっ勃っててイってるんだから言わなくても分かるでしょ。でも桐島は自分で気持ち良いって言わないし、嫌ってる僕に気持ち良くされてることちゃんと認識させてあげないと。桐島のお上品なことしか言わないしお上品にしか物食べない品の良いお口で僕で気持ち良くなってるってちゃんと言わせないと。いやしかし、親友の達央から「気持ち良かった」って言われるとちょっと複雑だな。風呂から上がって達央に髪乾かしてもらってなんかちょっとまた熱上がった気がしたけれども明日こそは本当に、桐島取っ捕まえる。

 でも朝起きたら喉がごっほごっほいってて達央に休むように言われた。僕は行きたかった。桐島に会いたいんだろうって言われて僕は返事が出来なくなった。
「電話するか?」
「桐島のアドレス知らないの…」
 訊こうと思っても会うと忘れちゃう。あとなんか1日中電話しちゃいそうで怖い。
「オレが知ってる。掛けるか?」
 は?達央知ってるの?なんで僕には教えないんだよ。達央から訊いたんだろうな、多分。桐島って本当ムカつくな。達央のアドレスしかないんじゃないの、あの旧型のスマホ。達央のアドレスをオカズにオナニーしてるに決まってる。
「い、いい……」
「いいのか?」
 僕はこくこく頷いた。声聞いたらまた1日中オナニーしちゃう。そしたらまた悪化する。風邪ひいて桐島の声聞いてオナニーして風邪悪化する。また桐島の声聞いて1日中オナニーして風邪が悪化する。死ぬよ、そんなの。テクノブレイクしちゃうよ。ちんこ削れちゃうよ。
「何か伝えておくことはないのか」
「馬鹿野郎!って言っておいて。大っ嫌いだって。許さないからなって」
「大好きだって伝えておこうか」
 達央はけらけら笑っていた。達央の口から桐島に「大好きだ」なんて告げられれんだ。この駆け引きどうしよう。
「なんてな。適当に伝えておく」
 達央は玄関までいくのに何度も立ち止まって振り返ってを繰り返した。バカップルみたい。僕は手を振った。やらないって決めたのに達央から「大好きだ」って言われた時の桐島を想像してヌいた。



 やっと全快して桐島のいる朝から会いに行った。決まったところで朝日を浴びて本を読んでた。僕の言ったとおりに前髪下ろしてて、胸の辺りがきゅ~となって久々に動いて体力落ちてるんだな。飛び付いて桐島の優しい匂いを嗅いだ。頭の中がほわんほわんしてもっと嗅ぎたくて舐めたくて齧りたくなった。麻薬とかやったことないけれども、トぶってこんな感じなのかも知れない。
「おはよ、真樹ち!前髪!すごくよく似合ってる」
 整髪料付いてなかったから髪の毛に頬っぺたすりすりした。シャンプーの匂いがする。男物のだけど。
「ああ…成瀬、おはよう。久しぶりだな…何となく…」
 ぎこちなく桐島は言った。やっと本物に会えた。風邪の間は達央にめちゃくちゃ抱き締められたから桐島の身体はかなりすっかすかに感じた。
「痩せた?」
「痩せたのは成瀬のほうなんじゃないのか」
 僕は桐島の頬っぺたを触った。ウインクするみたいに触ったほうの目がちょっと閉じて可愛かった。
「中に入るか。ここは冷える」
 桐島は立ち上がって、ちゃんと僕が自分に用があることを理解してるみたいだった。ちゃんと僕のものって認識してるね。小難しい本ばっかり読んでるだけあって頭がいいね。カラダもいいよ。ちょっと、というかかなり達央にはバカなことしたけれども。
「いいよ、もう全快なんだし。ちょっと長く休んだくらいなんだから。真っ先に会い来たんだよ、嬉しいでしょ」
 桐島はただ僕を冷ややかに見るだけだった。いつものこと。
「達央と一緒じゃなくて残念だった?」
 動揺しなよ。そんなことない!って言いなよ。関係ないだろって。
「いいや、元気そうでよかった」
 色々言いたいことあったケド全部忘れちゃった。悔しくなった。桐島ってほんっとムカつくしつまらない。気に入らないし大っ嫌い。僕は桐島に抱き付いたまま放さなかった。困らせてやるからな。絶対許さない。
「成瀬」
「絶対泊まりにきてね。絶対だよ。もう途中で帰るとかヤだからね」
「2人も泊まるわけにはいかなかっただろう、あの部屋で」
 そのとおりだよ。そのとおり!しかも達央と桐島は一応和解してるけれど色々あった。
「それに佐伯にも悪い。俺よりも佐伯のほうが成瀬とは長いんだし」
 そうだよ。でも僕は桐島のこと許さない。ぐりぐり桐島に頭押し込んだ。すっかすか。痩せすぎ。細すぎ。骨張り過ぎ。
「中に入ろう。病み上がりに身体を冷やすのは良くない」
「入らない!絶対入らないからな!ここにいるの!」
 僕はもっと桐島を強く抱き締める。桐島の身体が傾いて身動き取れなくした。チュウしたい。嗅ぎたい。舐めたい。
「なんなんだ…」
「真樹ちのせいで頭もカラダもおかしくなっちゃった」
 そうしたら桐島はどんなカオするの?ちょっと悄らしく言ってみた。桐島はちょっと驚いたカオして僕を見ていた。楽しいな、面白いなって。チュウしちゃおうかと思った。頬っぺた抓ってちょっと歪む。食べたい。舐めたいな。桐島の口の中にアイス突っ込んで食べたら美味しいだろうな。ベロチュウしたい。口の中がうずうずする。
「成瀬……俺のこと好きなのか?…………―そんな訳ないな」
 分かってるじゃん。でもそこは僕が言うところだったの。
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