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ご主女さまと海へ~男性保護法2~
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「コツッ、コツッ、コツッ」
ハイヒールの小気味いい音を床に響かせながら、ボクはご主女(しゅじん)さまの後ろをついていきます。
首元にスカーフ、タイトスカートにハイヒール姿で、二人分の荷物をつめたキャリーバッグを引くボクってCAさんみたいかも。
「Oh! Cute boy」
「Kawaii!」
数人の外国人観光客が足を止め、ボクにカメラを向けてきます。
『もう、勝手に撮らないで』
でも、実はまんざらでもありません。
まるでボクって、ランウェイを颯爽と歩くスーパーモデルみたい。
搭乗手続きを終えて、ご主女さまは出発ロビーへ、ボクは男性用ペットキャリーに入って一足早く貨物室へ運ばれます。
男性保護法の改正によって、男性は法律上モノとしての扱いとなりました。
その法律の隙間を利用して、こんな風に男性をモノとして輸送する格安サービスが始まったんです。
ご主女さまと離れるのはちょっと寂しいけど『夫は質素を旨とすべし』だもん、質素倹約に努めます、ボクってばデキル夫かも。
男性保護法施行後、性犯罪は一時急減したが、その後、男性の泣き寝入りを狙う犯罪が増加した。
そのため、男性を女性の所有物と法律上みなすことによって、本人だけでなく所有者による届出を可能とし、男性の一層の保護を図るため男性保護法が改正された。
また、不評だった保護者規定を緩和し、成人男性の酒、煙草の購入が自由化された。
同法改正後、性犯罪は急減。特に所有者による届出が相次いだため相当な効果を発揮したもようである。
【男性保護法】
犯罪からの男性の保護を目的として制定された法律。
特に男性に対する性犯罪を厳罰化。
また、成人男性にも保護者の設定を義務づけた。
【同法改正】
男性の一層の保護のため、男性を女性の所有物とし、性犯罪を所有権侵害として厳罰化(国外追放等)。
また、成人男性の保護者規定を緩和し、酒、煙草の購入を自由化した。
手荷物引渡場でボクはご主女さまに引き渡されホテルへ。
「わー、窓から海が見える~」
海が見えるビーチホテルって夢だったの。嬉しい、ご主女さま。
ボクは早速水着に着替えます。
「うわあぁっ、かわいいぃ~!どうしたのよ、そんな水着」
嬉しい!褒めてもらえた。そしてご主女さまが驚く顔ってかわいい。
「ハンドメイドです」
この水着、実は少し手作りなんです。既存の安物水着に今風のスカートをつけてアレンジしたもの。
「きゃっ」
彼女ったらふざけてスカートを捲ります。
水着なのにボクはなんとなく恥ずかしくなり、小さな悲鳴を上げてしまいます。
イチャイチャはそのへんで止めておいて、ホテルの無料パラソルを借りて、二人はビーチへ向かいます。
小型のアイスボックスとパラソルを持って、ボクは彼女の後ろの砂浜をついていきます。
もちろん彼女は手ぶらでボクは荷物持ちです。手荷物を持つのは夫の役目だもん。
でも、ちっとも嫌じゃありません。こんな素敵な女の人が、ボクの彼女なのよって周りにアピールできるチャンスなんだもん。
あっ、もうご主女さまってば歩くの速すぎ。ボクは少し引き離されてしまいました。
「おねいさ~ん、どこからきたんですか~?」
ちょっとバカぽい派手目な男性がご主女さまに話しかけてます。逆ナンか商売男でしょうか。
「ご主女さま!」
ボクは、慌てて叫びます。
「ちっ!男連れかよ、なによこのビッチ!ぺっ!」
彼はボクの足元に唾を吐いて消え去りました。
ひどい、あんたこそビッチじゃない。
足に少し彼の唾がついて気持ち悪いです。
「ここにしましょう」
ご主女さまがスコップで穴をほり、パラソルをたてます。
あっと言う間に完成。頼もしいご主女さま。スキです。
シートをしいて早速缶ビールを彼女にお渡しします。
「乾杯」
砂浜で飲むビールっておいしい~。
男性保護法の改正で、保護者である彼女の許可を一々とらずにお酒が飲めるようになりました。
アレって、結構面倒だったんだよね、コンビニでも保護者の同意カードが必要だったりして。
法律で男はモノ扱いっていうのはちょっと癪だけど、犯罪も減ってるっていうし。
実際、電車に乗っていても男性専用車両じゃなくても痴漢に会わなくなりました。
あと、所有権の著しい侵害として男性への犯罪は国外追放っていうのも効果あったみたい。
これは男性として安心できて素直に嬉しいです。
「あなた、サンオイルを頼むわね」
「はい、ご主女さま」
彼はその場にうつ伏せになります。
『はあ~、ご主女さまの背中、広くて素敵』
ボクは思わず後ろからしがみ付きます。
「こらっ!暑苦しいわ、止めなさい」
怒られました。
またしても「夫は礼儀を正しくすべし」を破ってしまいました。
でも、せっかくのビーチなんだし、大目に見て欲しい。
サンオイルを塗ったあと、選手交代。
「ねえ~ん、サンオイルをお願い」
ブラ紐をはずし、映画の男優さんみたいにちょっと色っぽく言ってみます。
「生意気な奴隷男ね」
そう言いながらも、彼女は優しくオイルを塗って下さいました。時々、悪戯しながらですけど。
「ご主女さま、そろそろ泳ぎに連れてってください」
ドラマの幸せカップルみたいに、早く波打ち際でイチャイチャしたいんです。
「もうっ、まだオイル塗ったばかりでしょ」
痺れを切らしたボクは、一人で海へ向かいます。
『足がつかない、いつのまに・・・』
ボクはパニックに陥りました。
そうなると体が思うように動きません。
「ザップ~ン」
不意に大きな波を被ります・・・
うっすらと目を開けるとご主女さまの顔のアップ
「ふぅ~」
人口呼吸です。
気がつくと周りに人が集まってました。
こんな間近にいる大勢の人前で人口呼吸とはいえキスなんて、恥ずかしい。
「馬鹿っ!心配させないで」
叱りながらも、ご主女さまはボクを優しく抱きしめてくださいました。
「ごめんなさい、ご主女さま、グスっ」
ボクは彼女の胸に顔を埋めて泣き出してしまいました。
翌日、ボクは罰として宅配便で自宅まで輸送されることになりました。
ボクは、ホテルのカウンターで男性用宅配BOXに入れられます。
男性用宅配BOXって、風俗のデリヘリで流行して評判らしいです。
『わあ~、こうなってるんだあ』
内部は分厚い衝撃吸収材で覆われていて、以外と快適そうです。
少し不安だったけど、安心しました。
一応小さな電灯あるし、すごく窮屈なカプセルホテルって感じです。
箱の中に入って彼女の元へ届けられるなんて、なんだかボクってクレオパトラみたい。
えへへ、これって罰じゃなくて、ボクにとってはご褒美みたい。
・・・長い。
飛行機だけじゃなくて、トラック輸送もあるため、思ったより結構時間がかかるようです。
・・・つらい。
トイレに行きたくなってきちゃいました。
水分をとらないようにしていたんですが、そろそろヤバイです。
「ピンポーン、ちわ~宅配便でーす」
自宅に着いたようです、ご主女さま、早くして、お願いです。
「ぱかっ」
天井の蓋が開けられました。
ですが・・・
「ジャー」
ボクは安心した瞬間、盛大にやらかしてしまいました。
もう、箱の中はオシッコまみれです。
「グスッ、ご主女さまぁ~」
ボクは泣きながらご主女さまにしがみ付いてしまいました。
ご主女さまの罰ってこれのことだったんだ。
もう、ご主女さまの意地悪!
【男性用ペットキャリー】
改正後の男性保護法の隙間を利用して、飛行機の貨物室で男性をモノとして輸送するものです。
ペット用キャリーの男性版です。
【男性用宅配BOX】
改正後の男性保護法の隙間を利用して、宅配便で男性をモノとして輸送するための箱です。
風俗のデリヘリでの利用も流行しています。
長時間の利用の場合は紙おむつを使用しますが、主人公は罰として紙おむつが着用されませんでした。
ハイヒールの小気味いい音を床に響かせながら、ボクはご主女(しゅじん)さまの後ろをついていきます。
首元にスカーフ、タイトスカートにハイヒール姿で、二人分の荷物をつめたキャリーバッグを引くボクってCAさんみたいかも。
「Oh! Cute boy」
「Kawaii!」
数人の外国人観光客が足を止め、ボクにカメラを向けてきます。
『もう、勝手に撮らないで』
でも、実はまんざらでもありません。
まるでボクって、ランウェイを颯爽と歩くスーパーモデルみたい。
搭乗手続きを終えて、ご主女さまは出発ロビーへ、ボクは男性用ペットキャリーに入って一足早く貨物室へ運ばれます。
男性保護法の改正によって、男性は法律上モノとしての扱いとなりました。
その法律の隙間を利用して、こんな風に男性をモノとして輸送する格安サービスが始まったんです。
ご主女さまと離れるのはちょっと寂しいけど『夫は質素を旨とすべし』だもん、質素倹約に努めます、ボクってばデキル夫かも。
男性保護法施行後、性犯罪は一時急減したが、その後、男性の泣き寝入りを狙う犯罪が増加した。
そのため、男性を女性の所有物と法律上みなすことによって、本人だけでなく所有者による届出を可能とし、男性の一層の保護を図るため男性保護法が改正された。
また、不評だった保護者規定を緩和し、成人男性の酒、煙草の購入が自由化された。
同法改正後、性犯罪は急減。特に所有者による届出が相次いだため相当な効果を発揮したもようである。
【男性保護法】
犯罪からの男性の保護を目的として制定された法律。
特に男性に対する性犯罪を厳罰化。
また、成人男性にも保護者の設定を義務づけた。
【同法改正】
男性の一層の保護のため、男性を女性の所有物とし、性犯罪を所有権侵害として厳罰化(国外追放等)。
また、成人男性の保護者規定を緩和し、酒、煙草の購入を自由化した。
手荷物引渡場でボクはご主女さまに引き渡されホテルへ。
「わー、窓から海が見える~」
海が見えるビーチホテルって夢だったの。嬉しい、ご主女さま。
ボクは早速水着に着替えます。
「うわあぁっ、かわいいぃ~!どうしたのよ、そんな水着」
嬉しい!褒めてもらえた。そしてご主女さまが驚く顔ってかわいい。
「ハンドメイドです」
この水着、実は少し手作りなんです。既存の安物水着に今風のスカートをつけてアレンジしたもの。
「きゃっ」
彼女ったらふざけてスカートを捲ります。
水着なのにボクはなんとなく恥ずかしくなり、小さな悲鳴を上げてしまいます。
イチャイチャはそのへんで止めておいて、ホテルの無料パラソルを借りて、二人はビーチへ向かいます。
小型のアイスボックスとパラソルを持って、ボクは彼女の後ろの砂浜をついていきます。
もちろん彼女は手ぶらでボクは荷物持ちです。手荷物を持つのは夫の役目だもん。
でも、ちっとも嫌じゃありません。こんな素敵な女の人が、ボクの彼女なのよって周りにアピールできるチャンスなんだもん。
あっ、もうご主女さまってば歩くの速すぎ。ボクは少し引き離されてしまいました。
「おねいさ~ん、どこからきたんですか~?」
ちょっとバカぽい派手目な男性がご主女さまに話しかけてます。逆ナンか商売男でしょうか。
「ご主女さま!」
ボクは、慌てて叫びます。
「ちっ!男連れかよ、なによこのビッチ!ぺっ!」
彼はボクの足元に唾を吐いて消え去りました。
ひどい、あんたこそビッチじゃない。
足に少し彼の唾がついて気持ち悪いです。
「ここにしましょう」
ご主女さまがスコップで穴をほり、パラソルをたてます。
あっと言う間に完成。頼もしいご主女さま。スキです。
シートをしいて早速缶ビールを彼女にお渡しします。
「乾杯」
砂浜で飲むビールっておいしい~。
男性保護法の改正で、保護者である彼女の許可を一々とらずにお酒が飲めるようになりました。
アレって、結構面倒だったんだよね、コンビニでも保護者の同意カードが必要だったりして。
法律で男はモノ扱いっていうのはちょっと癪だけど、犯罪も減ってるっていうし。
実際、電車に乗っていても男性専用車両じゃなくても痴漢に会わなくなりました。
あと、所有権の著しい侵害として男性への犯罪は国外追放っていうのも効果あったみたい。
これは男性として安心できて素直に嬉しいです。
「あなた、サンオイルを頼むわね」
「はい、ご主女さま」
彼はその場にうつ伏せになります。
『はあ~、ご主女さまの背中、広くて素敵』
ボクは思わず後ろからしがみ付きます。
「こらっ!暑苦しいわ、止めなさい」
怒られました。
またしても「夫は礼儀を正しくすべし」を破ってしまいました。
でも、せっかくのビーチなんだし、大目に見て欲しい。
サンオイルを塗ったあと、選手交代。
「ねえ~ん、サンオイルをお願い」
ブラ紐をはずし、映画の男優さんみたいにちょっと色っぽく言ってみます。
「生意気な奴隷男ね」
そう言いながらも、彼女は優しくオイルを塗って下さいました。時々、悪戯しながらですけど。
「ご主女さま、そろそろ泳ぎに連れてってください」
ドラマの幸せカップルみたいに、早く波打ち際でイチャイチャしたいんです。
「もうっ、まだオイル塗ったばかりでしょ」
痺れを切らしたボクは、一人で海へ向かいます。
『足がつかない、いつのまに・・・』
ボクはパニックに陥りました。
そうなると体が思うように動きません。
「ザップ~ン」
不意に大きな波を被ります・・・
うっすらと目を開けるとご主女さまの顔のアップ
「ふぅ~」
人口呼吸です。
気がつくと周りに人が集まってました。
こんな間近にいる大勢の人前で人口呼吸とはいえキスなんて、恥ずかしい。
「馬鹿っ!心配させないで」
叱りながらも、ご主女さまはボクを優しく抱きしめてくださいました。
「ごめんなさい、ご主女さま、グスっ」
ボクは彼女の胸に顔を埋めて泣き出してしまいました。
翌日、ボクは罰として宅配便で自宅まで輸送されることになりました。
ボクは、ホテルのカウンターで男性用宅配BOXに入れられます。
男性用宅配BOXって、風俗のデリヘリで流行して評判らしいです。
『わあ~、こうなってるんだあ』
内部は分厚い衝撃吸収材で覆われていて、以外と快適そうです。
少し不安だったけど、安心しました。
一応小さな電灯あるし、すごく窮屈なカプセルホテルって感じです。
箱の中に入って彼女の元へ届けられるなんて、なんだかボクってクレオパトラみたい。
えへへ、これって罰じゃなくて、ボクにとってはご褒美みたい。
・・・長い。
飛行機だけじゃなくて、トラック輸送もあるため、思ったより結構時間がかかるようです。
・・・つらい。
トイレに行きたくなってきちゃいました。
水分をとらないようにしていたんですが、そろそろヤバイです。
「ピンポーン、ちわ~宅配便でーす」
自宅に着いたようです、ご主女さま、早くして、お願いです。
「ぱかっ」
天井の蓋が開けられました。
ですが・・・
「ジャー」
ボクは安心した瞬間、盛大にやらかしてしまいました。
もう、箱の中はオシッコまみれです。
「グスッ、ご主女さまぁ~」
ボクは泣きながらご主女さまにしがみ付いてしまいました。
ご主女さまの罰ってこれのことだったんだ。
もう、ご主女さまの意地悪!
【男性用ペットキャリー】
改正後の男性保護法の隙間を利用して、飛行機の貨物室で男性をモノとして輸送するものです。
ペット用キャリーの男性版です。
【男性用宅配BOX】
改正後の男性保護法の隙間を利用して、宅配便で男性をモノとして輸送するための箱です。
風俗のデリヘリでの利用も流行しています。
長時間の利用の場合は紙おむつを使用しますが、主人公は罰として紙おむつが着用されませんでした。
応援ありがとうございます!
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