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<アナザーストリー>美夫さんとボク
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<アナザーストリー>は、美夫(ミオ)さんの設定が本編とは異なるパラレルワールドの世界です。
「コイツ、アタシの夫」
ご主女(しゅじん)さまはボクの頭をコツンと軽く叩いて、お客様に紹介します。
「主女がいつもお世話になっております。夫の操夫(ミサオ)と申します。どうぞよろしくお願いします」
ボクはスカートの両端を摘んで、片足を下げて挨拶しました。美夫さん仕込のカーテシーの挨拶。
このカーテーシーの挨拶を初めて見たのは、ボクがご主女さまの婚約者としてこのお屋敷に入ったとき。
スカートの両端を摘んで、片足を下げて丁寧に挨拶する美夫さんの姿に、ボクはすっかり魅了されてしまいました。
当時の記憶はいまでも鮮やかに蘇ってきます。
婚約期間中ボクは花婿修行の一環の名目で、見習いメイドとして美夫さんに教育されることとなりました。
メイドなんて誰でも出来る仕事だって高をくくっていましたが、甘くはありませんでした。
夜が明ける前に起きて、誰よりも遅く寝ること。
お風呂は一番最後に入って風呂掃除も行なうこと。
毎日トイレ掃除をすること。
時間を問わず、お酒や煙草の使い走りをすること。
主女の手荷物を持って三歩下がって歩くこと。
主女の脱いだ靴を揃えること
勝手な外出は許されず、外出には美夫さんの許可が必要なこと。
等々・・・
そして夜は部屋の鍵を外から美夫さんに掛けられます。
『こんなのまるで奴隷だ!』
厳しい教育方針に根を上げて、美夫さんが鬼のように感じたこともあります。
美夫さんが憎たらしくて堪らなくなって、ボクはとんでもない暴言を吐いてしまったことも。
「ボクは彼女の奥様になるの!あんたなんかクビにして、追い出してやる!」(※妻が主で、夫は奥さんです)
そんな我侭なボクを上手に操縦して、美夫さんはボクを一人前(まだ半人前かもですが)のメイドに仕上げてくれました。
「操夫ちゃん」
「はい、お兄さま」
最後には、美夫さんとボクは、まるで仲のよい兄弟のように気持ちを通わせるようにまでなりました。
美人でスタイル抜群、そのうえ頭脳明晰な自慢の兄。
立場が逆になった今でも、ボクは美夫さんに対して崇拝に近い尊敬の念を心に抱いています。
もしも男同士でなかったら、二人は恋人になっていたかも知れません。
結婚式の数日前までメイド教育は続きましたが、最終日の夜、美夫さんはボクの前で、腰をかがめながら片足を斜め後ろに下げてお辞儀をしました。
『わぁ、ロイヤルカーテシーだ、素敵』
普段のスカートを摘んだ略式のものではなく、相手に対して恭順の意思を示す、物語に出てくるような男性の挨拶。
ボクは、しばし見とれてしまいました。
「ミサちゃん。これであなたは一人前のメイドとして卒業です。
そして、操夫ちゃん、いいえ、奥様、これからはあなたが男主人で私は一介のメイドです。
どうぞ、私を単なる召し使いとしてご自由にお使いください」
と、うやうやしく宣言しました。
ボクはあの美夫さんに一人前のメイドとして卒業を認めてもらった誇らしい気持ちと、立場が逆転することが申し訳なく思う気持ちとがない交ぜになって、思わず美夫さんの胸に飛び込んで泣き出してしまいました。
ご主女さまの都合に合わせて、ご主女さま立会いのもと、月に何度かボクが美夫さんを指導の名目で調教することとなりました。
これは、美夫さんを調教することだけが目的ではなく、ボクが、ご主女さまの留守を預かる立派な男主人となるよう教育するためでもあるそうです。
そして、今日はボクが初めて美夫さんを調教する日。
先月まで見習いメイドだったボクにとって雲の上の存在だった美夫さんを、逆にボクが調教するなんて、ちょっと不思議な気持ちです。
美夫さんは鞭を捧げ持ってボクの前に跪きます。
「本日はご指導よろしくお願いいたします」
ボクは鞭を受け取り、美夫さんに命令します。
「鞭にキスしなさい」
鞭の先にキスした後、頭を床に伏せる美夫さんに、ボクは片足を上げてハイヒールでその頭を踏みつけました。
「ぅぐぅ」
美夫さんの小さな悲鳴が聞こえます。
ちょっとした優越感を感じます。そう、子供のころ遊び友達に勝ったときのような。
ボクは美夫さんの髪の毛を掴み、ソファーへ誘導します。
ソファーの上で美夫さんのスカートを捲くり、下着も下げて
「バチン」
ボクは勢いよく鞭を振り下ろしました。
「ふぐぅ」
美夫さんが呻きます。
『ふぐぅ』だって、それって何語なの?笑っちゃう。ボクは少し愉快になってきました。
スパンキングの後も調教を続けます。
往復ビンタの後、涙ぐんでうつむく美夫さんがかわいい。
そして、あの鞭踊り、
よーし、ここでオトコの厭らしい部分をさらけ出させてみせるぞ。
ボクは気分が乗って来ました。
ボクの鞭のペースで、狙い通りに美夫さんが反応します。
美夫さんの嬌声のような悲鳴。
全裸になって跪く美夫さんの背中をここぞとばかり鞭打ち、・・・
なんだか楽しい。もしかして女の人もオトコを調教するときって、こんな風に感じるのかな・・・
「ストップ!やめなさい操夫!」
ご主女さまの制止の声。
気がつくと目の前には息も絶え絶えとなった美夫さん。
ボクったら、なんて酷いことを・・・
美夫さんを抱き寄せ、ボクは必死に謝りました。
「いいえ、奥様。メイドに謝ってはいけません。メイドはすぐ付け上がるものです。
本日は、いたらない美夫をご指導いただき、ありがとうございました。
またいつでも奥様がお気が召すときに、どうぞ私をご指導ください」
もう、見ていられません。ボクは泣きながらうわ言のように謝り続けました。
その夜、ボクは初めてご主女さまに本格的に鞭うたれました。
初夜のように撫でるような甘い鞭ではなく、空気を切り裂くような鞭。
「ふぐぅ、うぎぇ、ぐはぁ」
たった三回の鞭でボクは身動きが取れなくなりました。
美夫さんはこんなつらい思いをしていたんだ。
それでも美夫さんは、ボクに男主女のあり方を身をもって教えてくれた。
そしてご主女さまはそれをボクに気がつかせてくれた。
ありがとうございますご主女さま。
そして、ありがとうございます美夫さん。ボクの大切なお兄さま。
「コイツ、アタシの夫」
ご主女(しゅじん)さまはボクの頭をコツンと軽く叩いて、お客様に紹介します。
「主女がいつもお世話になっております。夫の操夫(ミサオ)と申します。どうぞよろしくお願いします」
ボクはスカートの両端を摘んで、片足を下げて挨拶しました。美夫さん仕込のカーテシーの挨拶。
このカーテーシーの挨拶を初めて見たのは、ボクがご主女さまの婚約者としてこのお屋敷に入ったとき。
スカートの両端を摘んで、片足を下げて丁寧に挨拶する美夫さんの姿に、ボクはすっかり魅了されてしまいました。
当時の記憶はいまでも鮮やかに蘇ってきます。
婚約期間中ボクは花婿修行の一環の名目で、見習いメイドとして美夫さんに教育されることとなりました。
メイドなんて誰でも出来る仕事だって高をくくっていましたが、甘くはありませんでした。
夜が明ける前に起きて、誰よりも遅く寝ること。
お風呂は一番最後に入って風呂掃除も行なうこと。
毎日トイレ掃除をすること。
時間を問わず、お酒や煙草の使い走りをすること。
主女の手荷物を持って三歩下がって歩くこと。
主女の脱いだ靴を揃えること
勝手な外出は許されず、外出には美夫さんの許可が必要なこと。
等々・・・
そして夜は部屋の鍵を外から美夫さんに掛けられます。
『こんなのまるで奴隷だ!』
厳しい教育方針に根を上げて、美夫さんが鬼のように感じたこともあります。
美夫さんが憎たらしくて堪らなくなって、ボクはとんでもない暴言を吐いてしまったことも。
「ボクは彼女の奥様になるの!あんたなんかクビにして、追い出してやる!」(※妻が主で、夫は奥さんです)
そんな我侭なボクを上手に操縦して、美夫さんはボクを一人前(まだ半人前かもですが)のメイドに仕上げてくれました。
「操夫ちゃん」
「はい、お兄さま」
最後には、美夫さんとボクは、まるで仲のよい兄弟のように気持ちを通わせるようにまでなりました。
美人でスタイル抜群、そのうえ頭脳明晰な自慢の兄。
立場が逆になった今でも、ボクは美夫さんに対して崇拝に近い尊敬の念を心に抱いています。
もしも男同士でなかったら、二人は恋人になっていたかも知れません。
結婚式の数日前までメイド教育は続きましたが、最終日の夜、美夫さんはボクの前で、腰をかがめながら片足を斜め後ろに下げてお辞儀をしました。
『わぁ、ロイヤルカーテシーだ、素敵』
普段のスカートを摘んだ略式のものではなく、相手に対して恭順の意思を示す、物語に出てくるような男性の挨拶。
ボクは、しばし見とれてしまいました。
「ミサちゃん。これであなたは一人前のメイドとして卒業です。
そして、操夫ちゃん、いいえ、奥様、これからはあなたが男主人で私は一介のメイドです。
どうぞ、私を単なる召し使いとしてご自由にお使いください」
と、うやうやしく宣言しました。
ボクはあの美夫さんに一人前のメイドとして卒業を認めてもらった誇らしい気持ちと、立場が逆転することが申し訳なく思う気持ちとがない交ぜになって、思わず美夫さんの胸に飛び込んで泣き出してしまいました。
ご主女さまの都合に合わせて、ご主女さま立会いのもと、月に何度かボクが美夫さんを指導の名目で調教することとなりました。
これは、美夫さんを調教することだけが目的ではなく、ボクが、ご主女さまの留守を預かる立派な男主人となるよう教育するためでもあるそうです。
そして、今日はボクが初めて美夫さんを調教する日。
先月まで見習いメイドだったボクにとって雲の上の存在だった美夫さんを、逆にボクが調教するなんて、ちょっと不思議な気持ちです。
美夫さんは鞭を捧げ持ってボクの前に跪きます。
「本日はご指導よろしくお願いいたします」
ボクは鞭を受け取り、美夫さんに命令します。
「鞭にキスしなさい」
鞭の先にキスした後、頭を床に伏せる美夫さんに、ボクは片足を上げてハイヒールでその頭を踏みつけました。
「ぅぐぅ」
美夫さんの小さな悲鳴が聞こえます。
ちょっとした優越感を感じます。そう、子供のころ遊び友達に勝ったときのような。
ボクは美夫さんの髪の毛を掴み、ソファーへ誘導します。
ソファーの上で美夫さんのスカートを捲くり、下着も下げて
「バチン」
ボクは勢いよく鞭を振り下ろしました。
「ふぐぅ」
美夫さんが呻きます。
『ふぐぅ』だって、それって何語なの?笑っちゃう。ボクは少し愉快になってきました。
スパンキングの後も調教を続けます。
往復ビンタの後、涙ぐんでうつむく美夫さんがかわいい。
そして、あの鞭踊り、
よーし、ここでオトコの厭らしい部分をさらけ出させてみせるぞ。
ボクは気分が乗って来ました。
ボクの鞭のペースで、狙い通りに美夫さんが反応します。
美夫さんの嬌声のような悲鳴。
全裸になって跪く美夫さんの背中をここぞとばかり鞭打ち、・・・
なんだか楽しい。もしかして女の人もオトコを調教するときって、こんな風に感じるのかな・・・
「ストップ!やめなさい操夫!」
ご主女さまの制止の声。
気がつくと目の前には息も絶え絶えとなった美夫さん。
ボクったら、なんて酷いことを・・・
美夫さんを抱き寄せ、ボクは必死に謝りました。
「いいえ、奥様。メイドに謝ってはいけません。メイドはすぐ付け上がるものです。
本日は、いたらない美夫をご指導いただき、ありがとうございました。
またいつでも奥様がお気が召すときに、どうぞ私をご指導ください」
もう、見ていられません。ボクは泣きながらうわ言のように謝り続けました。
その夜、ボクは初めてご主女さまに本格的に鞭うたれました。
初夜のように撫でるような甘い鞭ではなく、空気を切り裂くような鞭。
「ふぐぅ、うぎぇ、ぐはぁ」
たった三回の鞭でボクは身動きが取れなくなりました。
美夫さんはこんなつらい思いをしていたんだ。
それでも美夫さんは、ボクに男主女のあり方を身をもって教えてくれた。
そしてご主女さまはそれをボクに気がつかせてくれた。
ありがとうございますご主女さま。
そして、ありがとうございます美夫さん。ボクの大切なお兄さま。
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