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使い走りは夫の喜び
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「喉が渇いたわ。あなた、ちょっと飲み物を買ってきて頂戴」
僕は近くのコンビニまで走る。
「はい、お茶をどうぞ。ご主女さま」
家ではいつもコーヒーだけど、スポーツの後って、カノジョの好みは濃ゆいお茶だ。
「あらっ、濃ゆいお茶だわ。良く見つけたわね。ありがとう、あなた。」
やった!狙い通り、彼女に褒められた。
夫が妻の使い走りするのって当たり前のことだし、今では彼女の役に立てて嬉しいって思うようになったど、昔は結構反発してたっけ。
今更だけど、何だか恥ずかしい。
「ったく、使えないわね」
不機嫌そうに呟く彼女。
何だよ、せっかく買ってきたやったのに。それに、ちょっと銘柄が違ってるぐらいいいじゃないか。同じお茶だろ。
なんだか、婚約してからの彼女って、結構キツクなった感じがする。
「こらっ!あたしを呼ぶ時は様付けでしょっ」
彼女は僕の名前を呼びつけるクセに、自分を呼ばせるときは様付けだし、彼女はタメ口なのに、僕は彼女に対して敬語を要求される。
何だよもうっ、憲法にも女男平等って書いてあるのに...、女性と男性は対等だろ。
「バカね、女男平等なんて学生じゃあるまいし。社会じゃそんなの通用しないわよ」
彼女に窘められる。もうっ、男って損だ。
「バカね、そんなことでいじけないの。貴方はあたしの夫になるんだから、もっとしっかりしてもらいたいだけなのよ。」
彼女は僕をやさしく抱きしめてくれた。
僕は彼女の胸に顔を埋めてすすり泣く。
すると、彼女はいつまでも優しく僕の頭を撫でてくれた。
「グスンっ、愛しています。ご主女さま」
やっと泣き止んだ僕の鼻頭を彼女は弾く。
「こらっ、ご主女さまだなんて、まだ早いわよ」
・・・・何だか、ちょっと昔を思い出して、僕はちょっと涙ぐんだ。
すると彼女は、何も言わずに僕を抱きしめて頭を撫でてくれた。
『愛しています。ご主女さま』
僕は心の中で呟いて、首元に手を添える。
涙を拭った指で少し濡れた金属がキラリと輝く。
永遠の愛のしるし、結婚首輪。
【妻に様付け、敬語】
婚約から結婚までの間は、男性にとって花婿修行の期間です。
夫となる男性は、妻となる女性の名前に様付けし、敬語で話すようになります。
なお、結婚後は妻を名前ではなく、「ご主女さま」と呼びます。
【女男平等】
憲法には崇高な文言で女男平等が謳われていますが、実際には、女男平等なのは学生時代までで、社会に出ると女社会の実力主義で、女尊男卑なのが現実です。
僕は近くのコンビニまで走る。
「はい、お茶をどうぞ。ご主女さま」
家ではいつもコーヒーだけど、スポーツの後って、カノジョの好みは濃ゆいお茶だ。
「あらっ、濃ゆいお茶だわ。良く見つけたわね。ありがとう、あなた。」
やった!狙い通り、彼女に褒められた。
夫が妻の使い走りするのって当たり前のことだし、今では彼女の役に立てて嬉しいって思うようになったど、昔は結構反発してたっけ。
今更だけど、何だか恥ずかしい。
「ったく、使えないわね」
不機嫌そうに呟く彼女。
何だよ、せっかく買ってきたやったのに。それに、ちょっと銘柄が違ってるぐらいいいじゃないか。同じお茶だろ。
なんだか、婚約してからの彼女って、結構キツクなった感じがする。
「こらっ!あたしを呼ぶ時は様付けでしょっ」
彼女は僕の名前を呼びつけるクセに、自分を呼ばせるときは様付けだし、彼女はタメ口なのに、僕は彼女に対して敬語を要求される。
何だよもうっ、憲法にも女男平等って書いてあるのに...、女性と男性は対等だろ。
「バカね、女男平等なんて学生じゃあるまいし。社会じゃそんなの通用しないわよ」
彼女に窘められる。もうっ、男って損だ。
「バカね、そんなことでいじけないの。貴方はあたしの夫になるんだから、もっとしっかりしてもらいたいだけなのよ。」
彼女は僕をやさしく抱きしめてくれた。
僕は彼女の胸に顔を埋めてすすり泣く。
すると、彼女はいつまでも優しく僕の頭を撫でてくれた。
「グスンっ、愛しています。ご主女さま」
やっと泣き止んだ僕の鼻頭を彼女は弾く。
「こらっ、ご主女さまだなんて、まだ早いわよ」
・・・・何だか、ちょっと昔を思い出して、僕はちょっと涙ぐんだ。
すると彼女は、何も言わずに僕を抱きしめて頭を撫でてくれた。
『愛しています。ご主女さま』
僕は心の中で呟いて、首元に手を添える。
涙を拭った指で少し濡れた金属がキラリと輝く。
永遠の愛のしるし、結婚首輪。
【妻に様付け、敬語】
婚約から結婚までの間は、男性にとって花婿修行の期間です。
夫となる男性は、妻となる女性の名前に様付けし、敬語で話すようになります。
なお、結婚後は妻を名前ではなく、「ご主女さま」と呼びます。
【女男平等】
憲法には崇高な文言で女男平等が謳われていますが、実際には、女男平等なのは学生時代までで、社会に出ると女社会の実力主義で、女尊男卑なのが現実です。
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