★男女逆転リバースワールド

みさお

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メイド服は夫の誇り

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「もういいわ、下がってちょうだい」
眠気覚ましのコーヒーを運ぶと、妻に部屋から追い出された。
明日からの出張に備えて、妻は書斎に篭って準備に余念がないようだ。
あ~あ、今晩は独り寝かぁ。
僕は納戸に入って、自分の寝るスペースを準備する。
掃除用具にゴミ袋や古雑誌が占拠していて結構狭苦しいし、ちょっと匂う。
でも、納戸で寝るのって、なんだか久しぶりだなぁ。
なんだか、結婚前の婚約期間中を思い出してしまう。
あの時って、妻の実家で花婿修行してたんだよな。
婚約期間中、夫候補の男性は妻の実家の納戸で寝起きするのが慣例だ。
でも、花婿修行って結構厳しかったなぁ。
古着のメイド服を着せられ、家事全般はもちろん、義母父の雑用までさせらる。
そして、ちょっとしたミスがあっても、乗馬鞭でお尻を叩かれるんだ。
もうっ、調教権があるのは妻だけなのに。
でも、お義母さまや、お義父さまに逆らう訳にはいかない。
だって、ここで義母父の印象を悪くして婚約解消でもされたら男子一生の恥。
周りにだって、どんな噂をたてられるか判らない。
破談の時って、たいてい男性側に問題があるって思われるんだよなぁ。
不貞が発覚したとか、婿の癖に生意気で我が儘な不従順な男子だったとか...
僕だって、我が儘で従順じゃないとか、だらしのない尻軽男子なんて言われたくない。
それに、会社だって早々と寿退社したんだ。
破談等、特定の事情がある時は、会社に復職できる規定はあったけど、恥ずかしくって、元の職場になんて戻れない。
僕は必死で花婿修行に萬進し、妻の両親に認めてもらった。
そして、その証として新品のメイド服をプレゼントされた。
うふふっ、それが今着ているメイド服。
僕が立派な夫である証。
メイド服は夫の誇りなんだもの。

翌朝、僕は貞操帯を自分から妻に手渡して鍵を掛けてもらう。
だって、僕って貞淑で従順な立派な夫なんだもん。
「いってらっしゃいませ、ご主女さま」
僕は深々と頭を下げて、妻を送り出す。
そして、妻が道路から見えなくなるまで見送った後、指先にキスしてその指を首元に押し付けた。
妻に嵌めてもらった結婚首輪。
銀色に輝く愛のしるし。
『愛しています、ご主女さま』
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