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男の浅知恵
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<<<玉ねぎ18円お一人様10個まで>>>
スゴイ!激安だ。
僕はスマホチラシで毎日のように価格チェックする。
時としてこんな特売情報があるから、結構馬鹿にできない。
僕は早速お買い物の準備。
目的地のスーパーは隣街なので、今日はマイカーだ。
妻に買ってもらった軽自動車。
もちろん色は大好きなパステルピンク。
うふふっ。
このクルマって、僕のお気に入りなの。
リッター30キロも走るから、家計にも優しい。
それに、自分で運転するのも気持ちいい。
まあ、お洒落して妻のクルマの助手席に乗せてもらうのも好きだけど。
でも、そういう時って、結構気を使うんだよね。
上品に脚を揃えて乗り降りしなくちゃいけないとか、僕みたいなエレガントな男性って、所作に気を使って結構疲れるんだ...って、自慢かよ。
ふぅ、スーパーについた。
初めてきたスーパーだけど、男性用駐車スペースがあって止めやすい。
これって、幅が広くて男性に優しいんだよね。
男性保護法の影響で、男性用駐車スペースって増えてるってニュースでもやってた。
あった!
玉ねぎ18円!
僕は10個フルに詰め込むと、店内を見て回ります。
う~ん。
他の商品は近所のスーパーと大して変わらない値段だ。
適当に今日の食材を買って、クルマに戻る。
まあ、玉ねぎ10個は大成果だし、こんなもんだろう。
「お帰りなさいませ、ご主女さま。うふふっ、今日はね、玉ねぎが大安売りだったの」
僕は早速、妻に自慢します。
「馬鹿なの?あなた」
僕はきょとんとします。
玉ねぎって普通30円位するのが18円だったんだよ?
12円x10個で120円も得したのに...
「男の浅知恵ね。ガソリン1リットルが抜けてるわよ」
隣街のスーパーまで1片道15キロですから、燃費30キロの僕のクルマだと、丁度ガソリン1リットルです。
あれっ?
ガソリン1リットル135円だったから、玉ねぎ120円の得なんて吹っ飛んでる。イヤ、マイナス15円で逆に損してるじゃない。
「全く、男って浅はかなんだから」
酷い。そこまで言うことないじゃない。
もう、女の人ってすぐ男を馬鹿にするんだから。
ふと、子供の頃、女子に「男は下等動物」て、囃し立てられたことを思い出す。
学校の授業で女性の脳は男性よりも進化してることを習った時、先生が女性を高等動物に例えて説明したら、女子の一人が「すると男は下等動物ね」って、得意気な顔して叫んだ。すると、クラス中の女子が「男は下等動物!!」って、囃し立てたんだ。
「馬鹿ね。そんなに落ち込まないの」
妻はそう言って、僕の頬を伝わる涙をそっと指で受け止めると、優しくキスしてくれました。
嫌な思い出なんて吹っ飛んでしまう、ご主女さまの魔法のキス。
僕は洗面で涙を拭うと、指先にキスしてその指を首元に押し付けました。
銀色に輝く、愛の印。
「愛しています。ご主女さま」
僕は妻に聞こえないよう、そっと呟きながら、鏡に映った結婚首輪にうっとりしました。
スゴイ!激安だ。
僕はスマホチラシで毎日のように価格チェックする。
時としてこんな特売情報があるから、結構馬鹿にできない。
僕は早速お買い物の準備。
目的地のスーパーは隣街なので、今日はマイカーだ。
妻に買ってもらった軽自動車。
もちろん色は大好きなパステルピンク。
うふふっ。
このクルマって、僕のお気に入りなの。
リッター30キロも走るから、家計にも優しい。
それに、自分で運転するのも気持ちいい。
まあ、お洒落して妻のクルマの助手席に乗せてもらうのも好きだけど。
でも、そういう時って、結構気を使うんだよね。
上品に脚を揃えて乗り降りしなくちゃいけないとか、僕みたいなエレガントな男性って、所作に気を使って結構疲れるんだ...って、自慢かよ。
ふぅ、スーパーについた。
初めてきたスーパーだけど、男性用駐車スペースがあって止めやすい。
これって、幅が広くて男性に優しいんだよね。
男性保護法の影響で、男性用駐車スペースって増えてるってニュースでもやってた。
あった!
玉ねぎ18円!
僕は10個フルに詰め込むと、店内を見て回ります。
う~ん。
他の商品は近所のスーパーと大して変わらない値段だ。
適当に今日の食材を買って、クルマに戻る。
まあ、玉ねぎ10個は大成果だし、こんなもんだろう。
「お帰りなさいませ、ご主女さま。うふふっ、今日はね、玉ねぎが大安売りだったの」
僕は早速、妻に自慢します。
「馬鹿なの?あなた」
僕はきょとんとします。
玉ねぎって普通30円位するのが18円だったんだよ?
12円x10個で120円も得したのに...
「男の浅知恵ね。ガソリン1リットルが抜けてるわよ」
隣街のスーパーまで1片道15キロですから、燃費30キロの僕のクルマだと、丁度ガソリン1リットルです。
あれっ?
ガソリン1リットル135円だったから、玉ねぎ120円の得なんて吹っ飛んでる。イヤ、マイナス15円で逆に損してるじゃない。
「全く、男って浅はかなんだから」
酷い。そこまで言うことないじゃない。
もう、女の人ってすぐ男を馬鹿にするんだから。
ふと、子供の頃、女子に「男は下等動物」て、囃し立てられたことを思い出す。
学校の授業で女性の脳は男性よりも進化してることを習った時、先生が女性を高等動物に例えて説明したら、女子の一人が「すると男は下等動物ね」って、得意気な顔して叫んだ。すると、クラス中の女子が「男は下等動物!!」って、囃し立てたんだ。
「馬鹿ね。そんなに落ち込まないの」
妻はそう言って、僕の頬を伝わる涙をそっと指で受け止めると、優しくキスしてくれました。
嫌な思い出なんて吹っ飛んでしまう、ご主女さまの魔法のキス。
僕は洗面で涙を拭うと、指先にキスしてその指を首元に押し付けました。
銀色に輝く、愛の印。
「愛しています。ご主女さま」
僕は妻に聞こえないよう、そっと呟きながら、鏡に映った結婚首輪にうっとりしました。
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