★男女逆転リバースワールド

みさお

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結婚記念日は婦夫の絆

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「ご主女さま遅いなぁ~」
今日は婦夫の結婚記念日なのに。
張り切ってお料理作ったのに冷めちゃうじゃない。
それに、僕のプレゼントとして用意した手作りケーキだって、出来立てのケーキを食べさせてあげて、彼女を喜ばせたかったのに....
遅くなるって連絡あったけど、何時に帰れるかわからないって...
本当に残業なの?
他の男の人と夜遊びでもしてるんじゃないの?
ダメダメ、妻を信じなくちゃ。妻を信じて待つのは夫の務めだもの。

「ガチャ」
あっ、彼女が帰って来た。
僕は玄関の床に行儀良く跪いて三つ指をつく
「お帰りなさいませご主女さま、お食事になさいます?お風呂になさいます?それとも僕?」
久しぶりの新婚三択。
「あなたよぉ~」
僕は嬉しくて彼女の胸に飛び込む。
いつもより濃厚なキス。
さっきまでの不満が吹っ飛んでしまいます。
僕は上着と鞄を受け取って書斎に運びます。
あれ?プレゼントは?
他に何も荷物持ってなかったよね。
もしかして、今日は何の日か忘れちゃってるのかな。
もう、盛り上がってるのが僕だけだったなんてさみしい。
急に気持ちがしぼんでしまします。
気持ちが上がったり下がったり、男の子の悪い部分です。
ダメダメ、彼女が疲れて帰ってきたんだもの。
僕が笑顔で癒してあげなくちゃ。
キッチンに戻って料理を温めなおします。
「ガタン」
あれ、彼女が書斎から出てきた。
手には有名ブランドの包装紙に包まれたリボン付の小箱。
「あなた、こっちへいらっしゃい」
彼女に手招きれ、僕はリビングに戻ります。
彼女は小箱を床に放り投げると、僕は上品に床に跪いて小箱を手に取ります。
妻から夫への正式な下賜の儀式です。
うふふっ、なーんだ彼女ったら、とっくにプレゼント用意してたんだ。
ああ、僕ってバカ。彼女だって婦夫の大切な日を忘れるわけないんだ。
「あけて御覧なさい」
僕は丁寧に包装紙を取って、中の箱を開ける。
『わぁ、ブレスレットだぁ』
ブレスレットって、ちょっと大人のメディーのアイテムってイメージだったけど、最近はカワイイデザインのものが出てきて、若者にも人気です。
僕、知ってるもんね。
ブランドショップの若者向けブレスレットって、雑誌で特集してたんだ。
シックな全金属製だけどパステルカラーでハート型の模様がついてたりして、エレガントだけどカワイイって評判のもの。
もちろん僕も欲しいなって思ったけど、お値段もそれなりだった。
「これって、高かったんでしょう?」
彼女は僕の鼻の頭を軽く弾く。
「こら、野暮なこと言わないの」
お決まりのやり取り。
でも、こんなの身につけたら、ちょっと大人のメディーって感じじゃない。
うふふ、緩んだ頬が戻りません。
しかも、色は僕の大好きなパステルピンク。
彼女の優しさが伝わってくるようです。


「はい、あーん」
僕の手作りケーキを彼女にフォークですくって食べさせます。
お待ちかねの婦夫の団欒タイム。
あんな素敵なプレゼントもらったんだもの、彼女に至れり尽くせりのサービスしちゃいます。
「ワインをどうぞ、ご主女さま」
お酒のお酌は夫の役目、もちろん僕は怠りません。
そして、期待通りのキスでお酒の口移し。
嬉しいぃ~。
「僕にブレスレットつけて下さい」
僕は彼女におねだりします。
「パチン、パチン、ガチャリ」
彼女は僕にブレスレットをつけると、後ろ手にしてロックしました。
カワイイけど、ちゃんと拘束機能もあるんです。
しかも、本体だけでロックできるから、別に鍵を用意しなくて済む親切設計のスグレもの。
さすが高級品です。
バスローブ一枚でソファーで寛ぐご主女さまの前の床に跪いて、クンニのご奉仕。
「愛しています。ご主女さま」
ご奉仕の後、感謝を込めて彼女の足にキスしました。
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