★男女逆転リバースワールド

女男共用トイレで・・・

「シャー」
トイレの個室からおしっこの音が聞こえてくる。
音消しボタンないのかな？それなら水を流しておけばいいのに。
男子用と女男共用トイレの前で、僕はトイレ待ち。
僕の他にトイレ待ちの人がいないので、おしっこの音が余計に響く。
もう、おしっこの音聴かされてる僕の方が何だか恥ずかしくなってくる。
「ガタンッ」
勢いよく女男兼用トイレの扉が開いた。
『あっ、かっこいい人』
出てきたのは、スポーツウエアが良く似合ってる若い女性。
あれ？
その女性は洗面を素通りして、足早に出て行った。
はぁ、カッコよかったけど、ちょっと幻滅。
女の人って手を洗わない人が多いって言うけど、本当なんだな。
僕は気を取り直して、ドアを開けて便座に座る。
ひやりっ
「うわっ」
僕は思わず声を上げる。
便座が濡れていたのだ。
うげぇ～、あの女、便座におしっこ撒き散らしやがったなぁ～。
最近の女性って、中腰でおしっこするのが流行っているっていう。
普通の洋式トイレの時は他人が座った便座に座りたくないからだそうだけど、それって便器を汚すんだよな。
女子トイレならサニスタンドで立ちションできるけど、女男兼用トイレだと普通の洋式トイレだから、中腰でするのも仕方ないのかも知れない。
でも、後の人を考えて、汚したらちゃんと便座を拭いて欲しい。
僕は消毒スプレーをペーパーに吹き付けて念入りに便座を拭いた。
念の為、トイレットペーパーで便座シートを二つ作って両脇にしく。
僕はスカートを巻くって、便座に座りながらパンティーを降ろす。
はぁ～、やっと一息。
あれっ、なんだちゃんと音消しボタンあるじゃん。
僕は音消しボタンを押して、ようやく小をする。
その間にスマホでメールチェック。
男性用ビデで先端を洗って、ペーパーで拭く。
ふぅ～、スッキリ、スッキリ。
僕は嫌な気持ちを振り払う。
便器の蓋を閉じてその上に腰掛ける。
コンパクトを取り出して、ちょっと、メイクのチェック。
よしっ、問題なし。
「チっ、男のトイレはなげーな」
いつの間にかトイレ待ちしていた女の人に舌打ちされた。
ちょっと、嫌な感じ。

風呂上りの婦夫団欒タイム。
僕は妻にお酌をしながら、昼間のトイレの件について愚痴を言ったことまでは覚えてる。
なんだか不思議な事に、妻は中腰ションを実演して僕に見せてくれることになった。
丁寧に便座にギリギリに接近してやれば、おしっこも飛び散らないそうだ。
そして、腹筋のトレーニングにもなるからいいわよって、僕に薦められた。
『ああっ、恥ずかしい』
Ｈの時は裸を見られてるとは言え、おしっこしてる姿を見られるのって、結構恥ずかしい。
彼女は覗き込むように、屈んで僕の下半身を凝視している、
彼女の狙いが今頃になってわかった。
僕のおしっこしてる姿が見たかったのだ。
そんなに見つめられると、一層恥ずかしくなってくる。
でも、彼女の楽しそうな顔を見ると、なんだかちょっと嬉しくなってきた。
僕は頑張って、中腰を続ける。
あっ、ダメだ。腹筋がプルプル言ってきた。
僕は便座に尻餅をついた。
こんな大変な体勢でおしっこするなんて、僕には無理だよ。
女の人って、サニスタンドで立ちションしてるって言うけど、こんなに大変なの？
それに、女子トイレのサニスタンドって個室じゃなくて仕切りがあるだけだっていうから、他の人に丸見えで恥ずかしくないの？
そういえば、女権革命前の昔の男性も立ちションしてたって言うけど本当なのかな。
隣の人に丸見えでおしっこしてたってこと？
男性がそんなはしたないことしてたなんて、信じられない。


【女男トイレ事情】
女権革命以降、女性用立小便器サニスタンドが普及したことにより、女性の立ちションは一般化した。逆に男性はスカート着用が一般化したことにより、男性の座りションも一般化するという逆転現象が起き、この女男逆転現象は定着し現在に至っている。
その後、男性のトイレ混雑が日常化し、男子トイレは長蛇の列という光景がよく見られるようになった。
現在では男性保護法により、男子トイレは女子トイレに２倍の面積が義務付けられている。
これにより男子トイレの混雑は緩和され、この法制定は男性に大歓迎された。また、切羽詰った男性が女子トイレに乱入するといった珍現象も解消され、女性にも好評である。
なお、コンビニ等の小規模店舗では、女男共用トイレと男子トイレを設置することで基準を満たすことが認められている。