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生理のケアは夫の役目

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「あなた、ナプキン切れてるわよ。すぐ買って来て!」
妻の生理用品の補充は夫の役目だ。
夜中に妻に蹴り起された僕は、慌てて買いだしに走る。
でもおかしいな。
次の生理までまだ余裕があった筈。
僕はスマホの生理管理アプリでチェックする。
妻のスマートウオッチとリンクしてる優れモノだ。
あれっ?何か点滅してる。
しまった。生理不順の警告が出てる。
これを見逃していたんだ。
ああ、大失敗。
これは僕が完全に悪いかも。
妻の生理管理を怠ったんじゃ、夫失格って言われちゃう。

ショッピングモールは深夜でも明るい。
よかった、ドンタならまだやってる。
夜中の3時まで営業時間なのは助かる。
妻ご指定のナプキンって、コンビニじゃ売ってないんだよな。
それにしても、ナプキンって種類が多すぎ。
この前買ったときは、長さが違うとかでちょっと怒られたんだ。
でも、今回は日中と違って人も疎らで却ってよかったかも。
女性に混じってナプキン買うのって、今でも結構恥ずかしいんだよね。
あっ、首元に結婚首輪。隣のメイド服の人も男性なんだ。
僕と同じで妻のナプキンのお使いなのかな。
なんとなく親近感を覚えて、ちょっと嬉しい。

「なにこれ、違うじゃない!」
帰るなり僕は妻にビンタされた。
しまった、羽根つきじゃなかったんだ。
普段は優しい彼女だけど、生理の時って結構我が儘だ。
僕は慌てて床に手をついて謝ると、今度は頭を踏まれて額が冷たい床に押し付けられる。
でも、ここは我慢しなくちゃ。妻に従うは夫の務めだもの。

「これパンツにつけてみて」
数日後、妻が僕に渡したのは夜用の巨大ナプキン。
僕は素直に妻の言葉に従う。
妻には調教権があって、夫の僕には服従義務がある。
「夫のクセに妻に逆らう気?」
って、叱られて鞭で打たれたこともあるんだ。
パンツの内側にナプキンをつけて、パンツを履く。
なんか、ごわごわする。いっちゃなんだけど、これってオムツみたいだ。
次に彼女が取り出したのは貞操帯。
今回の調教は、僕に生理を擬似体験させて、女性の大変さを知ってもらうのが目的だそうだ。

『ううっ、蒸れる』
なんだか、パンツの中が蒸れてきた。
彼女に貞操帯の鍵をかけられたから、パンツが脱げないんだ。
それに、今回は貞操帯をかなりきつく締められた。ぴったり肌に密着してビクともしない。これじゃ、いつもと違って、隙間から少しずらして空気を通すこともできない。
『ううっ、痒い』
今度は、なんだか内側が痒くなってきた。
貞操帯の上から手でかくけど効果はない。
ううっ、もどかしい。
僕は身をよじって何とかごまかそうとする。
ダメだ、気になってしょうがない。
『ううっ、おしっこもれちゃうよぅ~』
今度は、なんだかトイレに行きたくなってきた。
でも、いつもとアレの位置が違う。
おしっこ用の穴がある位置じゃなくて、ナプキンの内側に密着してるんだ。
僕は必死に我慢する。
妻が帰ってくるまで、あと1~2時間だろう。
ダメだ。限界だ。
僕はパンツの内側に放出する。
「ふぅ~、スッキリ、スッキリ」
思わず声に出した。
でもよかった、貞操帯から漏れてない。
最近のナプキンの吸収率は凄いって言うけど、本当のようだ。
でも、内側はビショビショ、さっきの蒸れ蒸れより酷いとんでもない状況だ。

「ううっ、ご主女さまぁ~」
僕は帰ってきた妻の胸に飛び込むと、幼児のように泣きじゃくった。
妻は僕の頭を軽く撫でると、いつまでも僕を優しく抱きしめてくれた。
よかった。いつもの優しい彼女だ。
「愛しています。ご主女さま」
僕は彼女の耳元にそっと囁き、愛と貞節と従順を誓った。


【生理のケアは夫の役目】
妻の生理用品の補充は夫の役目です。
妻のスマートウォッチとリンクしているスマホの生理管理アプリで生理周期を把握し、ナプキンの補充を行ないます。
毎月の生活費を預かる夫にとって、スーパーの特売チラシ等でのナプキンの価格チェックも欠かせません。
また、未婚女性や単身赴任の女性は自分でナプキンを買うので、日中かち合うと、結構気まずく感じる夫も多いようです。
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