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三従四徳、従徳学院~高校時代の思い出~
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「さんじゅう~」
「しとくっ」
「「じゅうとく!!」」
高校時代の先輩だった美夫(ミオ)さんとハイタッチ。
今日は、美夫さんとお昼過ぎのお茶会です。
いつもボクのグチや相談事を、やさしく聴いてくれる美夫さん。
今では、少し年上の親友のような存在です。
中学を卒業した後、ボクは第一志望の公立が受からず、止む無く第二志望の私立高校に通うことに成りました。
先ほどの『さんじゅう、しとく、じゅうとく』っていうのは、その高校時代、応援のとき使ったフレーズ。
「三従四徳、従徳」といって、ボクたちが通っていた私立従徳学院の校訓でもありました。
当時美夫さん達と一緒に応援したころをつい思い出してしまいます・・・
「フレー、フレー、じゅうとく!ガンバレ、ガンバレ、じゅうとく!、ガンバレ、ガンバレ、じゅうとく!」
今日は、全校生徒が野球部の応援に借り出されています。
元男子高だった従徳学院ですが、今ではスポーツ特待で入学した女子も結構います。
共学になったのに男子教育の『三従四徳』の校名なんて、女子は気にならないのかな。
三従・・・母、妻、娘に従う、というアレです。
四徳・・・男性の備えるべき四つの徳。夫徳・夫容・夫言・夫功 といって、
夫徳:男性の心立てが善いこと
夫容:男性の身だしなみが善いこと
夫言:男性の言葉遣いが善いこと
夫功:男性の務めに励むこと
だとか、少し古臭く感じます。
今日の相手は貞淑学園、同じく元男子高でライバル校です。
女子達は学ラン、ボク達男子は、チアリーダーの衣装を着て応援です。
ミニスカートにアンスコ。
今風のコスパンじゃなくてアンスコなんです。ちょっと恥ずかしいけど、こっちのほうがフリルがあってかわいい。
「さんじゅう~」
「しとくっ」
「「じゅうとく!!」」
ボク達は足を高く上げて決めポーズ。
いつの間にか集まってきた、にわかカメラ小娘がローアングルで構えます。
バカだなぁ、下着じゃないんだよ、アンスコって言って下着の上に着るから、ハーフパンツやスパッツと同じなのに。
女子達にはやっぱりパンツに見えるのかな。
そんなに見られると、なんだか少し恥ずかしくなってきます。
女子達って、もう野球の応援なんか関係ないみたい。
あと、思い出すのは、マナー研究部。
男子高時代の元生徒会用の別館だった建物。
当時はマナー研究部の部室で、ボクと美夫さんの出会った場所。
上品な手つきで紅茶を淹れてくれた美夫さんに、ボクは魅了されてしましました。
そして、少しふざけながら気取って行なう、カーテシーの挨拶。
まるでフランス貴族のサロンみたいな雰囲気。
ゆっくりと過ぎて行く時間が心地よかった。
小説のように秘密の契りをした訳ではないけれど、美夫さんとボクの心は深いところで繋がっていきました。
高校卒業後は二人とも、付属の短大へ入学。
就職先は別でしたが、二人とも結婚した今でもお付き合いは続いています。
昔のように、美夫さんはボクにお茶を淹れてくれました。
「ああ、美味しい、さすが美夫先輩」
いつのまにか、呼び方が昔に戻ってしまいます。
「しとくっ」
「「じゅうとく!!」」
高校時代の先輩だった美夫(ミオ)さんとハイタッチ。
今日は、美夫さんとお昼過ぎのお茶会です。
いつもボクのグチや相談事を、やさしく聴いてくれる美夫さん。
今では、少し年上の親友のような存在です。
中学を卒業した後、ボクは第一志望の公立が受からず、止む無く第二志望の私立高校に通うことに成りました。
先ほどの『さんじゅう、しとく、じゅうとく』っていうのは、その高校時代、応援のとき使ったフレーズ。
「三従四徳、従徳」といって、ボクたちが通っていた私立従徳学院の校訓でもありました。
当時美夫さん達と一緒に応援したころをつい思い出してしまいます・・・
「フレー、フレー、じゅうとく!ガンバレ、ガンバレ、じゅうとく!、ガンバレ、ガンバレ、じゅうとく!」
今日は、全校生徒が野球部の応援に借り出されています。
元男子高だった従徳学院ですが、今ではスポーツ特待で入学した女子も結構います。
共学になったのに男子教育の『三従四徳』の校名なんて、女子は気にならないのかな。
三従・・・母、妻、娘に従う、というアレです。
四徳・・・男性の備えるべき四つの徳。夫徳・夫容・夫言・夫功 といって、
夫徳:男性の心立てが善いこと
夫容:男性の身だしなみが善いこと
夫言:男性の言葉遣いが善いこと
夫功:男性の務めに励むこと
だとか、少し古臭く感じます。
今日の相手は貞淑学園、同じく元男子高でライバル校です。
女子達は学ラン、ボク達男子は、チアリーダーの衣装を着て応援です。
ミニスカートにアンスコ。
今風のコスパンじゃなくてアンスコなんです。ちょっと恥ずかしいけど、こっちのほうがフリルがあってかわいい。
「さんじゅう~」
「しとくっ」
「「じゅうとく!!」」
ボク達は足を高く上げて決めポーズ。
いつの間にか集まってきた、にわかカメラ小娘がローアングルで構えます。
バカだなぁ、下着じゃないんだよ、アンスコって言って下着の上に着るから、ハーフパンツやスパッツと同じなのに。
女子達にはやっぱりパンツに見えるのかな。
そんなに見られると、なんだか少し恥ずかしくなってきます。
女子達って、もう野球の応援なんか関係ないみたい。
あと、思い出すのは、マナー研究部。
男子高時代の元生徒会用の別館だった建物。
当時はマナー研究部の部室で、ボクと美夫さんの出会った場所。
上品な手つきで紅茶を淹れてくれた美夫さんに、ボクは魅了されてしましました。
そして、少しふざけながら気取って行なう、カーテシーの挨拶。
まるでフランス貴族のサロンみたいな雰囲気。
ゆっくりと過ぎて行く時間が心地よかった。
小説のように秘密の契りをした訳ではないけれど、美夫さんとボクの心は深いところで繋がっていきました。
高校卒業後は二人とも、付属の短大へ入学。
就職先は別でしたが、二人とも結婚した今でもお付き合いは続いています。
昔のように、美夫さんはボクにお茶を淹れてくれました。
「ああ、美味しい、さすが美夫先輩」
いつのまにか、呼び方が昔に戻ってしまいます。
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