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ダブルデート
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今日は、先輩の美夫(ミオ)さん達とダブルデート。
集合予定の一時間前なのにもう美夫さんがいる。
「女の人を待たせては悪いでしょう」だって。
僕たち男の子二人でしばらく待っていると、ナンパの嵐。
暫く駅ビルに避難。ショーウインドーに見とれる。いけない、集合時間だ。
「パチン」
美夫さんは先輩にいきなりビンタされる。
そして言い訳もせずに深々と頭を下げて謝る美夫さん。
ボクがびっくりして見ていると、先輩に促されて彼女もボクをビンタ。
「ペチン」
撫でるような優しいビンタだ。
美夫さんに合図されて慌てて頭を下げる。
不思議と頬がちょっと熱くなる。言い訳させてもらえなくてちょっと悔しいけど、なんだか嬉しい。これって初ビンタだ。
あっいいな。美夫さんは先輩に頭を撫でられている。素直に謝ったご褒美だって。
ボクも彼女に頭を差し出す。「コツン」ボクは軽く頭を小突かれる。調子に乗るなだって酷い。
電車に乗って移動。先輩と彼女は美夫さんとボクの席を確保してくれた。
男子って得だね。
スターランド遊園地に到着。最初はやっぱりジェットコースターだ。やだ、髪の毛がグチャグチャ。美夫さんみたいに結んでおけばよかった。休憩タイムで美夫さんとボクはトイレで髪の毛を整える。美夫さんは結んでいた髪の毛を下ろしている。
休憩コーナーで先輩と彼女がジュースを用意してくれていた。あれっ?グラスが二つしかない。やられた。
ペアストローだ。ボクは彼女とペアで飲む。
うわぁ、恥ずかしい、でも嬉しい。
レンタサイクルで彼女の後ろの荷台に横座り。
憧れだった二人乗り、うっとりしちゃう。そして園内を移動して芝生広場へ。シートを広げてお弁当タイム。
「はい、あーん」
ボクは彼女に手作り弁当を食べさせる。
「あっ、ご飯つぶっ!」
彼女の頬についた米粒を手にとってボクの口の中へ。
「ねえ、おいしい?」
「美味い。お前いいお婿さんになれるよ」
「ねえ、それって誰の?」
定番のお惚気だ。
「どうでもいいけど、あんた作りすぎよっ」
彼女の食べ残しをボクは夢中で頬張る。えへへ、計算どおりだもん。
「お茶をどーぞ」
お茶くみは男子の嗜み。やった美夫さんチームに反撃成功だと思って隣をみると、先輩は美夫さんの膝枕で寝てる。ボクも負けない。彼女に膝枕だ。
ポツリって、にわか雨。お土産コーナーへ避難。
素敵!スターランド限定モデルのチョーカーを見つける。
一般モデルのカラーチョーカーにスターランドのマークやキャラクターをあしらった限定モデルだ。美夫さんとボクは目が釘付けになる。
やった!先輩と彼女から美夫さんとボクにプレゼント。
いつの間にか雨上がり。そしてやっぱり夕方は定番の観覧車。
それぞれペアで乗り込む。彼女はボクを手招きして、ひょいっと僕を片膝に乗せる。
彼女はさっきのチョーカーをボクの首に付けると、不意打ちのキス。
やられた。
もう、顔が熱くなる。ファーストキスの時よりもドキドキしてるかも。
観覧車から降りると美夫さんもチョーカーを付けてる。きっと女子達でチョーカーを付ける相談をしたんだ。
辺りはもう暗くなってナイトパレードの時間だ。
「カチッ」
不意に首が引っ張られる。彼女がいつの間にかボクのチョーカーにリードを付けたのだ。美夫さんをみるとやっぱり同じ状態だ。
「ただの迷子防止だ」なんて彼女は言い訳したけど嬉しい。結婚首輪をつけたお婿さんみたい。
美夫さんは先輩に腕を絡ませてる。ボクも負けない。彼女の腕に胸を押し付けて腕を絡ませる。
「おい、胸が当たってるわよ」
「当ててるんだもん」
お決まりのセリフで応える。リードを付けたお返しなんだから。それに今日のボクのブラは最新の衝撃吸収クッション付だから問題ないし。
「ボクのことはこれから呼び捨てにしてください」
ボクは彼女にお願いする。 だって呼び捨てされる美夫さんが羨ましかったんだもん。
「じゃあ、操夫(ミサオ)じゃ長いからミサでいいかしら?」
嬉しい。ペットに呼び名をつけるように、彼女に名前を付けられたみたい。
「ミサ!」
「はい。ご主女(しゅじん)さま」
ボクはコツンと頭を軽く小突かれる。
「こら!調子に乗らないの」
えへへ、夫が妻を呼ぶみたいな「ご主女さま」って、ちょっと気が、早かったかな。
<美夫さんサイド>
駅前の時計台で待ち合わせ。
あっ操夫ちゃんが走ってくる。そんなに慌てなくて大丈夫。まだ、一時間前だよ。
二人で待っていると、ナンパが凄い。そりゃあ男の子二人だとナンパ待ちに見えるよね。操夫ちゃんを誘って駅ビルのウィンドーショッピング。集合時間にわざと少し遅れる。
「パチン」
きゃっ、先輩にビンタされた。
操夫ちゃんの彼女もつられて操夫ちゃんにビンタ。
うん。計画どおり。操夫ちゃんは泣きそうなそれでいて嬉しそうな不思議な顔をしている。よかったね。きっと今のが初めてのビンタでしょ。
不意に先輩に頭を撫でられる。これは計算外だけど素直に嬉しい。
遊園地でジェットコースターのあと、飲み物休憩。先輩にカップル用をお願いしておいたけど、ペアストローは結構恥ずかしい。
芝生広場でお弁当タイム。
あっ操夫ちゃんやる気まんまんだ。はい、あーん。ほっぺにお弁当。彼女の食べ残しを頬張る。食後のお茶くみ。
こっちも、先輩に膝枕だ。
すると操夫ちゃんも彼女氏に膝枕。かわいい。
お土産コーナーで限定チョーカーを探す。あった。操夫ちゃんと一緒におねだりする。
操夫ちゃんを誘ってお化粧直し。
その間にこっそり別売りのリードの精算を済ましてもらうよう先輩にお願いする。
観覧車で先輩の前にひざまずく。首にヒンヤリとした感触。
おもちゃのチョーカーだけど本物の首輪みたい。嬉しい。
先輩に顎をクイッと持ち上げられて、少し強引にキスされる。感激のあまり先輩の胸に飛び込む。すると先輩は優しく頭を撫でてくれた。
観覧車から降りると、もうナイトパレードが始まっている。先輩に耳打ちして、リードをチョーカーに付けてもらう。操夫ちゃんも彼女にリードを付けてもらってはしゃいでる。えへへ、結婚式で結婚首輪を曳かれる花婿さんみたいでしょ。
全て計画どおり。
<操夫の回想>
自宅に戻ってお風呂の中で今日一日を振り返る。
「ダブルデートしてよかったぁ。大成功」
初ビンタに二人乗り、ペアストローに、膝枕、そしてチョーカーにリードまで、最後には彼女に呼び捨てまでしてもらえた。
美夫さんに張り合ったら自然と出来たけど、もしかして、全て美夫さんの狙い通り?まさか遅刻したのも、わざとだったりして。
集合予定の一時間前なのにもう美夫さんがいる。
「女の人を待たせては悪いでしょう」だって。
僕たち男の子二人でしばらく待っていると、ナンパの嵐。
暫く駅ビルに避難。ショーウインドーに見とれる。いけない、集合時間だ。
「パチン」
美夫さんは先輩にいきなりビンタされる。
そして言い訳もせずに深々と頭を下げて謝る美夫さん。
ボクがびっくりして見ていると、先輩に促されて彼女もボクをビンタ。
「ペチン」
撫でるような優しいビンタだ。
美夫さんに合図されて慌てて頭を下げる。
不思議と頬がちょっと熱くなる。言い訳させてもらえなくてちょっと悔しいけど、なんだか嬉しい。これって初ビンタだ。
あっいいな。美夫さんは先輩に頭を撫でられている。素直に謝ったご褒美だって。
ボクも彼女に頭を差し出す。「コツン」ボクは軽く頭を小突かれる。調子に乗るなだって酷い。
電車に乗って移動。先輩と彼女は美夫さんとボクの席を確保してくれた。
男子って得だね。
スターランド遊園地に到着。最初はやっぱりジェットコースターだ。やだ、髪の毛がグチャグチャ。美夫さんみたいに結んでおけばよかった。休憩タイムで美夫さんとボクはトイレで髪の毛を整える。美夫さんは結んでいた髪の毛を下ろしている。
休憩コーナーで先輩と彼女がジュースを用意してくれていた。あれっ?グラスが二つしかない。やられた。
ペアストローだ。ボクは彼女とペアで飲む。
うわぁ、恥ずかしい、でも嬉しい。
レンタサイクルで彼女の後ろの荷台に横座り。
憧れだった二人乗り、うっとりしちゃう。そして園内を移動して芝生広場へ。シートを広げてお弁当タイム。
「はい、あーん」
ボクは彼女に手作り弁当を食べさせる。
「あっ、ご飯つぶっ!」
彼女の頬についた米粒を手にとってボクの口の中へ。
「ねえ、おいしい?」
「美味い。お前いいお婿さんになれるよ」
「ねえ、それって誰の?」
定番のお惚気だ。
「どうでもいいけど、あんた作りすぎよっ」
彼女の食べ残しをボクは夢中で頬張る。えへへ、計算どおりだもん。
「お茶をどーぞ」
お茶くみは男子の嗜み。やった美夫さんチームに反撃成功だと思って隣をみると、先輩は美夫さんの膝枕で寝てる。ボクも負けない。彼女に膝枕だ。
ポツリって、にわか雨。お土産コーナーへ避難。
素敵!スターランド限定モデルのチョーカーを見つける。
一般モデルのカラーチョーカーにスターランドのマークやキャラクターをあしらった限定モデルだ。美夫さんとボクは目が釘付けになる。
やった!先輩と彼女から美夫さんとボクにプレゼント。
いつの間にか雨上がり。そしてやっぱり夕方は定番の観覧車。
それぞれペアで乗り込む。彼女はボクを手招きして、ひょいっと僕を片膝に乗せる。
彼女はさっきのチョーカーをボクの首に付けると、不意打ちのキス。
やられた。
もう、顔が熱くなる。ファーストキスの時よりもドキドキしてるかも。
観覧車から降りると美夫さんもチョーカーを付けてる。きっと女子達でチョーカーを付ける相談をしたんだ。
辺りはもう暗くなってナイトパレードの時間だ。
「カチッ」
不意に首が引っ張られる。彼女がいつの間にかボクのチョーカーにリードを付けたのだ。美夫さんをみるとやっぱり同じ状態だ。
「ただの迷子防止だ」なんて彼女は言い訳したけど嬉しい。結婚首輪をつけたお婿さんみたい。
美夫さんは先輩に腕を絡ませてる。ボクも負けない。彼女の腕に胸を押し付けて腕を絡ませる。
「おい、胸が当たってるわよ」
「当ててるんだもん」
お決まりのセリフで応える。リードを付けたお返しなんだから。それに今日のボクのブラは最新の衝撃吸収クッション付だから問題ないし。
「ボクのことはこれから呼び捨てにしてください」
ボクは彼女にお願いする。 だって呼び捨てされる美夫さんが羨ましかったんだもん。
「じゃあ、操夫(ミサオ)じゃ長いからミサでいいかしら?」
嬉しい。ペットに呼び名をつけるように、彼女に名前を付けられたみたい。
「ミサ!」
「はい。ご主女(しゅじん)さま」
ボクはコツンと頭を軽く小突かれる。
「こら!調子に乗らないの」
えへへ、夫が妻を呼ぶみたいな「ご主女さま」って、ちょっと気が、早かったかな。
<美夫さんサイド>
駅前の時計台で待ち合わせ。
あっ操夫ちゃんが走ってくる。そんなに慌てなくて大丈夫。まだ、一時間前だよ。
二人で待っていると、ナンパが凄い。そりゃあ男の子二人だとナンパ待ちに見えるよね。操夫ちゃんを誘って駅ビルのウィンドーショッピング。集合時間にわざと少し遅れる。
「パチン」
きゃっ、先輩にビンタされた。
操夫ちゃんの彼女もつられて操夫ちゃんにビンタ。
うん。計画どおり。操夫ちゃんは泣きそうなそれでいて嬉しそうな不思議な顔をしている。よかったね。きっと今のが初めてのビンタでしょ。
不意に先輩に頭を撫でられる。これは計算外だけど素直に嬉しい。
遊園地でジェットコースターのあと、飲み物休憩。先輩にカップル用をお願いしておいたけど、ペアストローは結構恥ずかしい。
芝生広場でお弁当タイム。
あっ操夫ちゃんやる気まんまんだ。はい、あーん。ほっぺにお弁当。彼女の食べ残しを頬張る。食後のお茶くみ。
こっちも、先輩に膝枕だ。
すると操夫ちゃんも彼女氏に膝枕。かわいい。
お土産コーナーで限定チョーカーを探す。あった。操夫ちゃんと一緒におねだりする。
操夫ちゃんを誘ってお化粧直し。
その間にこっそり別売りのリードの精算を済ましてもらうよう先輩にお願いする。
観覧車で先輩の前にひざまずく。首にヒンヤリとした感触。
おもちゃのチョーカーだけど本物の首輪みたい。嬉しい。
先輩に顎をクイッと持ち上げられて、少し強引にキスされる。感激のあまり先輩の胸に飛び込む。すると先輩は優しく頭を撫でてくれた。
観覧車から降りると、もうナイトパレードが始まっている。先輩に耳打ちして、リードをチョーカーに付けてもらう。操夫ちゃんも彼女にリードを付けてもらってはしゃいでる。えへへ、結婚式で結婚首輪を曳かれる花婿さんみたいでしょ。
全て計画どおり。
<操夫の回想>
自宅に戻ってお風呂の中で今日一日を振り返る。
「ダブルデートしてよかったぁ。大成功」
初ビンタに二人乗り、ペアストローに、膝枕、そしてチョーカーにリードまで、最後には彼女に呼び捨てまでしてもらえた。
美夫さんに張り合ったら自然と出来たけど、もしかして、全て美夫さんの狙い通り?まさか遅刻したのも、わざとだったりして。
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