58 / 96
58.三従四徳、従徳学院~ミオさんとの思い出~
しおりを挟む
「さんじゅう~」
「しとくっ」
「「じゅうとく!!」」
ミオさんとハイタッチ
また、ミオさんとお昼過ぎのお茶会です。
いつもあたしのグチや相談事をやさしく聴いてくれるミオさん。
学生時代の先輩で、少し年上の親友のような存在です。
先ほどの『さんじゅう、しとく、じゅうとく』っていうのは、高校時代、応援のとき使ったフレーズ。
「三従四徳、従徳」といって、あたしたちが通っていた私立従徳学院の校訓でもありました。
当時ミオさん達と一緒に応援したころをつい思い出してしまいます・・・
「フレー、フレー、じゅうとく!ガンバレ、ガンバレ、じゅうとく!、ガンバレ、ガンバレ、じゅうとく!」
今日は全校生徒が野球部の応援に借り出されています。
元女子高だった従徳学院ですが、今ではスポーツ特待で入学した男子をメインに男子も結構います。
共学になったのに女子教育の『三従四徳』の校名なんて、男子は気にならないのかな。
三従・・・親、夫、子に従う、というアレです。
四徳・・・女性の備えるべき四つの徳。婦徳・婦容・婦言・婦功 といって、
婦徳:女性の心立てが善いこと
婦容:女性の身だしなみが善いこと
婦言:女性の言葉遣いが善いこと
婦功:女性の務めに励むこと
だとか、少し古臭く感じます。
今日の相手は貞淑学園、同じく元女子高でライバル校です。
男子達は学ラン、あたし達女子は、チアリーダーの衣装を着て応援です。
ミニスカートにアンスコ。
今風のコスパンじゃなくてアンスコなんです。でも、こっちのほうがフリルがあってかわいい。
「さんじゅう~」
「しとくっ」
「「じゅうとく!!」」
あたし達は足を高く上げて決めポーズ。
いつの間にか集まってきた、にわかカメラマンがローアングルで構えます。
バカね、下着じゃないのよ、アンスコって言って下着の上に着るから、ハーフパンツやスパッツと同じなのに。
でも、男子にはやっぱりパンツに見えるのかな。
そんなに見られると、なんだか少し恥ずかしくなってきます。
男子って、もう野球の応援なんか関係ないみたい。
あと、思い出のマナー研究部。
女子高時代の元生徒会用の別館だった建物。
当時はマナー研究部の部室で、あたしとミオさんの出会った場所。
上品な手つきで紅茶を淹れてくれたミオさんに、あたしはすっかり魅了されてしましました。
そして、少しふざけながら気取って行なう、カーテシーの挨拶。
まるでフランス貴族のサロンみたいな雰囲気。
ゆっくりと過ぎて行く時間が心地よかった。
小説のように姉妹の契りをした訳ではないけれど、ミオさんとあたしは、本当の姉妹のような関係になっていきました。
高校卒業後は二人とも、付属の短大へ入学。
就職先は別でしたが、二人とも結婚した今でもお付き合いは続いています。
昔のように、ミオさんはあたしにお茶を淹れてくれました。
「ああ、美味しい、さすがお姉さま」
いつのまにか、呼び方が昔に戻ってしまいます。
「しとくっ」
「「じゅうとく!!」」
ミオさんとハイタッチ
また、ミオさんとお昼過ぎのお茶会です。
いつもあたしのグチや相談事をやさしく聴いてくれるミオさん。
学生時代の先輩で、少し年上の親友のような存在です。
先ほどの『さんじゅう、しとく、じゅうとく』っていうのは、高校時代、応援のとき使ったフレーズ。
「三従四徳、従徳」といって、あたしたちが通っていた私立従徳学院の校訓でもありました。
当時ミオさん達と一緒に応援したころをつい思い出してしまいます・・・
「フレー、フレー、じゅうとく!ガンバレ、ガンバレ、じゅうとく!、ガンバレ、ガンバレ、じゅうとく!」
今日は全校生徒が野球部の応援に借り出されています。
元女子高だった従徳学院ですが、今ではスポーツ特待で入学した男子をメインに男子も結構います。
共学になったのに女子教育の『三従四徳』の校名なんて、男子は気にならないのかな。
三従・・・親、夫、子に従う、というアレです。
四徳・・・女性の備えるべき四つの徳。婦徳・婦容・婦言・婦功 といって、
婦徳:女性の心立てが善いこと
婦容:女性の身だしなみが善いこと
婦言:女性の言葉遣いが善いこと
婦功:女性の務めに励むこと
だとか、少し古臭く感じます。
今日の相手は貞淑学園、同じく元女子高でライバル校です。
男子達は学ラン、あたし達女子は、チアリーダーの衣装を着て応援です。
ミニスカートにアンスコ。
今風のコスパンじゃなくてアンスコなんです。でも、こっちのほうがフリルがあってかわいい。
「さんじゅう~」
「しとくっ」
「「じゅうとく!!」」
あたし達は足を高く上げて決めポーズ。
いつの間にか集まってきた、にわかカメラマンがローアングルで構えます。
バカね、下着じゃないのよ、アンスコって言って下着の上に着るから、ハーフパンツやスパッツと同じなのに。
でも、男子にはやっぱりパンツに見えるのかな。
そんなに見られると、なんだか少し恥ずかしくなってきます。
男子って、もう野球の応援なんか関係ないみたい。
あと、思い出のマナー研究部。
女子高時代の元生徒会用の別館だった建物。
当時はマナー研究部の部室で、あたしとミオさんの出会った場所。
上品な手つきで紅茶を淹れてくれたミオさんに、あたしはすっかり魅了されてしましました。
そして、少しふざけながら気取って行なう、カーテシーの挨拶。
まるでフランス貴族のサロンみたいな雰囲気。
ゆっくりと過ぎて行く時間が心地よかった。
小説のように姉妹の契りをした訳ではないけれど、ミオさんとあたしは、本当の姉妹のような関係になっていきました。
高校卒業後は二人とも、付属の短大へ入学。
就職先は別でしたが、二人とも結婚した今でもお付き合いは続いています。
昔のように、ミオさんはあたしにお茶を淹れてくれました。
「ああ、美味しい、さすがお姉さま」
いつのまにか、呼び方が昔に戻ってしまいます。
0
お気に入りに追加
88
あなたにおすすめの小説


体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる