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29.<アナザーストリー>浮気発覚?ミオさんのひみつ
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<アナザーストリー>は、ミオさんの設定が本編とは異なるパラレルワールドの世界です。
『えっ、浮気?』
見なくてよいもの、知らなくてもよいものというものがあるのかもしれません。
そのときご主人さまもミオさんも油断していたのかもしれません。
書斎でご主人さまのズボンの前に跪いているミオさん。
何かの見間違いかも知れないわ。何かに躓いただけかも知れないし。
あたしはそう自分に言い聞かせました。
また別の日も、あたしは見てしまいました。
「ピシっ!」
ご主人さまが床を打っています。
「シュッっ!」
床の上を逃げ惑うミオさん。
「ビシッっ!」
鞭が当たるたび、一枚一枚服を脱いでいくミオさん。
最後には下着姿で床に跪いていいます。
『なにこれ?』
ミオさんが以前言っていた奴隷女って言葉がふと頭に浮かびます。
『あたしはメイド、いってみれば奴隷女ですもの。ご主人さまに黙って従うのは当然のことだわ』
これのことだったんだわ。
その日はそれだけで、抱きあったりベッドに行く気配などはありませんでした。
でも、ここまでならギリギリ許せたかもしれません。
風俗だってこれ以上のサービスがあるのですから。
でもその後、仕事を装って出かける二人がラブホテルに入るのをあたしは見てしまいました。
何食わぬ顔でその後も、あたし接する彼に対して、あたしは爆発しました。
「浮気ぃ~!あたしと別れて、ミオさんと結婚するつもりなんでしょっ!」
「そんなつもりはない」
「うそ!」
「本当だ」
もし、本当に浮気だとしても、あたしには本当は何の権利もありません。
妻と違って夫に貞操義務はないし、夫が愛人を持ったり女遊びをするのは、本来自由なのですから。
逆に夫には一方的に妻を捨てて離婚する権利だってあります。もっとも体面を傷つけるし妻の実家への違約金がありますが。
あたしは急に怖くなりました。もちろんあたしに別れる気なんてありません。嘘だって解っていても、夫を信じるしかありません。
「お許しください、ご主人さま。どうか、あたしを捨てないでください。」
あたしは彼の足元に縋って必死に懇願します。
「ミオさんが正妻であたしが愛人でも、いいえ奴隷女でも我慢します。どうかあたしをお側においてください。」
「奴隷女だって?あはは、もしかしてあれを見たのか?」
ご主人さまは説明してくれました。
「あれは、鞭踊りだ。お客様への夜の接待の練習だ。それにミオのことは気にしなくても大丈夫だ。
お前と離婚するつもりはないし、もちろんミオと結婚なんてできない。俺が愛している女は、お前だけだ」
嬉しい。
こんな風にハッキリと『愛してる』って言って貰ったのは、実はこれが初めてです。
あたしはご主人さまを信じることにしました。
ご主人さまとミオさんとの間になにがあっても、あたしは挫けません。いいえ、もう浮気が本当でもかまいません。
だってご主人さまが愛してくれる女はあたしだけなのですから。あたしが正妻でミオさんが愛人。三人で夫婦だっていいわ。
雨降って地固まるっていいます。あたしはなんだか穏やかな気持ちになりました。
それに鞭踊りなんて汚れ仕事を引き受けるミオさんにも、改めて尊敬の念を抱きました。
もし、ミオさんがいなかったら、その役目はあたしに回ってきたかもしれません。
そんな事があってからしばらくたって、ミオさんのバッグの中を見てしまったことがあります。
バッグからお財布だけ取り出して、いつものようにご主人さまのお使いに走るミオさん。
半開きになったバッグはとても高級そうな造りで、つい誘惑にかられて中までみてしまいました。
化粧品にソーイングセット、ハンドミラー、油とり紙、ハンドクリーム、予備のシュシュ、
あっパスポート。スゴイ!最近はパスポートを持ってる女の人って滅多にいないのに。
性別欄「M」あれっ、女性って「F」じゃなかったかしら、印刷ミス?
ご主人さまがミオさんと結婚しなかった理由がこれでわかりました。
ミオさんは性転換した元男性だったのです。
ミオさんが元男性とわかったいまでも、二人の関係は変わりません。
いえ、むしろ深まったのかも知れません。
ご主人さまがあたしを捨ててミオさんと結ばれる心配は全くなくなったのですから。
愛するあたしの大切なご主人さま、そして尊敬するあたしの大切なお姉さま。
『えっ、浮気?』
見なくてよいもの、知らなくてもよいものというものがあるのかもしれません。
そのときご主人さまもミオさんも油断していたのかもしれません。
書斎でご主人さまのズボンの前に跪いているミオさん。
何かの見間違いかも知れないわ。何かに躓いただけかも知れないし。
あたしはそう自分に言い聞かせました。
また別の日も、あたしは見てしまいました。
「ピシっ!」
ご主人さまが床を打っています。
「シュッっ!」
床の上を逃げ惑うミオさん。
「ビシッっ!」
鞭が当たるたび、一枚一枚服を脱いでいくミオさん。
最後には下着姿で床に跪いていいます。
『なにこれ?』
ミオさんが以前言っていた奴隷女って言葉がふと頭に浮かびます。
『あたしはメイド、いってみれば奴隷女ですもの。ご主人さまに黙って従うのは当然のことだわ』
これのことだったんだわ。
その日はそれだけで、抱きあったりベッドに行く気配などはありませんでした。
でも、ここまでならギリギリ許せたかもしれません。
風俗だってこれ以上のサービスがあるのですから。
でもその後、仕事を装って出かける二人がラブホテルに入るのをあたしは見てしまいました。
何食わぬ顔でその後も、あたし接する彼に対して、あたしは爆発しました。
「浮気ぃ~!あたしと別れて、ミオさんと結婚するつもりなんでしょっ!」
「そんなつもりはない」
「うそ!」
「本当だ」
もし、本当に浮気だとしても、あたしには本当は何の権利もありません。
妻と違って夫に貞操義務はないし、夫が愛人を持ったり女遊びをするのは、本来自由なのですから。
逆に夫には一方的に妻を捨てて離婚する権利だってあります。もっとも体面を傷つけるし妻の実家への違約金がありますが。
あたしは急に怖くなりました。もちろんあたしに別れる気なんてありません。嘘だって解っていても、夫を信じるしかありません。
「お許しください、ご主人さま。どうか、あたしを捨てないでください。」
あたしは彼の足元に縋って必死に懇願します。
「ミオさんが正妻であたしが愛人でも、いいえ奴隷女でも我慢します。どうかあたしをお側においてください。」
「奴隷女だって?あはは、もしかしてあれを見たのか?」
ご主人さまは説明してくれました。
「あれは、鞭踊りだ。お客様への夜の接待の練習だ。それにミオのことは気にしなくても大丈夫だ。
お前と離婚するつもりはないし、もちろんミオと結婚なんてできない。俺が愛している女は、お前だけだ」
嬉しい。
こんな風にハッキリと『愛してる』って言って貰ったのは、実はこれが初めてです。
あたしはご主人さまを信じることにしました。
ご主人さまとミオさんとの間になにがあっても、あたしは挫けません。いいえ、もう浮気が本当でもかまいません。
だってご主人さまが愛してくれる女はあたしだけなのですから。あたしが正妻でミオさんが愛人。三人で夫婦だっていいわ。
雨降って地固まるっていいます。あたしはなんだか穏やかな気持ちになりました。
それに鞭踊りなんて汚れ仕事を引き受けるミオさんにも、改めて尊敬の念を抱きました。
もし、ミオさんがいなかったら、その役目はあたしに回ってきたかもしれません。
そんな事があってからしばらくたって、ミオさんのバッグの中を見てしまったことがあります。
バッグからお財布だけ取り出して、いつものようにご主人さまのお使いに走るミオさん。
半開きになったバッグはとても高級そうな造りで、つい誘惑にかられて中までみてしまいました。
化粧品にソーイングセット、ハンドミラー、油とり紙、ハンドクリーム、予備のシュシュ、
あっパスポート。スゴイ!最近はパスポートを持ってる女の人って滅多にいないのに。
性別欄「M」あれっ、女性って「F」じゃなかったかしら、印刷ミス?
ご主人さまがミオさんと結婚しなかった理由がこれでわかりました。
ミオさんは性転換した元男性だったのです。
ミオさんが元男性とわかったいまでも、二人の関係は変わりません。
いえ、むしろ深まったのかも知れません。
ご主人さまがあたしを捨ててミオさんと結ばれる心配は全くなくなったのですから。
愛するあたしの大切なご主人さま、そして尊敬するあたしの大切なお姉さま。
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