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94.調教受忍義務
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「苦しくて無理な時はちゃんと言うんだぞ。すぐ中止してやるからな。」
調教の時、ご主人さまはいつもそう言ってくれる。
夫には調教権があり、妻には服従義務があるけど、夫が妻に調教を強制できるのは妻に非がある懲罰調教等の場合だけ、ということになっている。
『被調教者(妻)は懲罰又は叱責されている場合を除いては調教を拒み、又はいつでも調教を中止することができる。』と、女性保護法第198条にも記載されているんだよって、ご主人さまも教えてくれた。
つまり、夫婦間の日常的な調教は妻の任意による調教であり、通常、妻に調教受忍義務はないとされているのだという。
だけど、こんな法律なんて形だけ。
実際には、調教前には妻の同意があったって嘘をつけばいいだけだし、冤罪で通常調教から懲罰調教に切り替えることだって可能だ。
妻がはっきり拒否しないのをいいことに、自分の一存で勝手に調教するズルイ男も多い。
でも、彼はちゃんと法律どおりにあたしの意思を尊重してくれる。
「あたしは愛と貞節と従順をご主人さまに誓います」
お風呂で丁寧に湯浴みをした後、あたしは床に跪いて彼のつま先にキスする。
夫婦二人だけの秘密。
妻から夫への調教依頼の儀式だ。
「カチリ」
彼があたしに首輪を嵌める小さな金属音。
調教準備完了。
これで、彼はあたしを思う存分調教できる。
「ご主人さま好みの女になれるよう、どうかあたしを調教してください」
あたしがそう囁くと、彼は嬉しそうに微笑んだ。
「もし、少しでもあたしがお気に召さない時は、どうぞお気が済むまであたしを罰して下さい」
あたしは続けて宣誓する。
「バシッッ!」
鞭で床を叩く大きな音。
調教開始の合図だ。
この音を聞くと、恐怖で一瞬、身が強張る。
けど、胸の奥から何かが湧き起こってくる。
不安と期待が入り混じったような、なんとも言えない不思議な気持ち。
あたしにとって、大切な一瞬だ。
調教の後、彼はあたしを抱えてベッドに載せてくれた。
うふふっ、これってお姫さま抱っこ。
「よく頑張ったな、ミサ」
グッタリしてマグロになったあたしを、彼は優しく愛してくれる。
嬉しい。
調教の後の彼って、とっても優しいんだ。
あたしをベッドで征服した後、満足そうな寝顔で眠る彼。
彼を起さないよう、あたしはそっとベッドを抜け出して、床に寝床を準備する。
「愛しています。ご主人さま」
あたしは彼の耳元に囁いて、そっと指先にキス。そしてその指を首元に押し付けた。
銀色に輝く結婚首輪。
永遠の愛のしるし。
調教の時、ご主人さまはいつもそう言ってくれる。
夫には調教権があり、妻には服従義務があるけど、夫が妻に調教を強制できるのは妻に非がある懲罰調教等の場合だけ、ということになっている。
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つまり、夫婦間の日常的な調教は妻の任意による調教であり、通常、妻に調教受忍義務はないとされているのだという。
だけど、こんな法律なんて形だけ。
実際には、調教前には妻の同意があったって嘘をつけばいいだけだし、冤罪で通常調教から懲罰調教に切り替えることだって可能だ。
妻がはっきり拒否しないのをいいことに、自分の一存で勝手に調教するズルイ男も多い。
でも、彼はちゃんと法律どおりにあたしの意思を尊重してくれる。
「あたしは愛と貞節と従順をご主人さまに誓います」
お風呂で丁寧に湯浴みをした後、あたしは床に跪いて彼のつま先にキスする。
夫婦二人だけの秘密。
妻から夫への調教依頼の儀式だ。
「カチリ」
彼があたしに首輪を嵌める小さな金属音。
調教準備完了。
これで、彼はあたしを思う存分調教できる。
「ご主人さま好みの女になれるよう、どうかあたしを調教してください」
あたしがそう囁くと、彼は嬉しそうに微笑んだ。
「もし、少しでもあたしがお気に召さない時は、どうぞお気が済むまであたしを罰して下さい」
あたしは続けて宣誓する。
「バシッッ!」
鞭で床を叩く大きな音。
調教開始の合図だ。
この音を聞くと、恐怖で一瞬、身が強張る。
けど、胸の奥から何かが湧き起こってくる。
不安と期待が入り混じったような、なんとも言えない不思議な気持ち。
あたしにとって、大切な一瞬だ。
調教の後、彼はあたしを抱えてベッドに載せてくれた。
うふふっ、これってお姫さま抱っこ。
「よく頑張ったな、ミサ」
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嬉しい。
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彼を起さないよう、あたしはそっとベッドを抜け出して、床に寝床を準備する。
「愛しています。ご主人さま」
あたしは彼の耳元に囁いて、そっと指先にキス。そしてその指を首元に押し付けた。
銀色に輝く結婚首輪。
永遠の愛のしるし。
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