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83.給料日の団欒

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「お帰りなさいませ、ご主人さま」
あたしは廊下に跪き、三つ指ついて帰宅のご挨拶。
「お食事になさいます?お風呂になさいます?」
いつもより丁寧に、彼をお迎えします。
「なんだか、いつもより丁寧だな」
そう言いながらも、彼も上機嫌のようです。

お風呂から上がった彼に、すかさず冷えたビール。
「ぷはぁー、うみゃ~」
ソファーで寛ぐ彼の側の床に跪き、あたしはお酒のお酌をします。
彼がお風呂に入っていた間に用意したお摘みも、もちろん忘れません。
「はい、あーん」
あたしはお摘みを彼に食べさせます。
うふふっ、いつもよりひと手間かけた自慢のお摘みなの。
「う~ん。うまい。ここまでのおもてなし、見事である。うむ、わかっておるぞ。褒美をつかわす。」
待ってました。だって、今日は給料日なんだもん。
彼は茶封筒を取り出すと、中身を一気に床にぶちまけました。
わぁっ~、お札が舞い上がって、綺麗。紙吹雪みたい。
あたしは上品に跪いて、床に散らばったお札を拾い集めます。
「こっちへ来なさい」
彼に手招きされて、あたしは彼の片膝にちょこんと座ります。
彼はあたしを優しく抱きかかえてキス、いいえ、口移しでワインを飲ませてくれました。
嬉しいサプライズ。何だかワインもいつもより美味しく感じます。
あたしはうっとりして指先にキス、そして、その指を首輪に押し付けました。
「愛しています、ご主人さま」
あたしは彼の耳元で囁きます。
夫婦団欒のひととき。
幸せな時間がゆっくりと過ぎていきます。


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