☆妄想ノート～奴隷を夢見る女の子 ｓｏｆｔ

＜アナザーストリー＞ミオさんとあたし

＜アナザーストリー＞は、ミオさんの設定が本編とは異なるパラレルワールドの世界です。

「コイツ俺の嫁」
ご主人さまはあたしの頭をコツンと軽く叩いて、お客様に紹介します。
 「主人がいつもお世話になっております。妻のミサオと申します。どうぞよろしくお願いします」
あたしはスカートの両端を摘んで、片足を下げて挨拶しました。ミオさん仕込のカーテシーの挨拶。
このカーテーシーの挨拶を初めて見たのは、あたしがご主人さまの婚約者としてこのお屋敷に入ったとき。
スカートの両端を摘んで、片足を下げて丁寧に挨拶するミオさんの姿に、あたしはすっかり魅了されてしまいました。


 当時の記憶はいまでも鮮やかに蘇ってきます。

 婚約期間中あたしは花嫁修行の一環の名目で、見習いメイドとしてミオさんに教育されることとなりました。
メイドなんて誰でも出来る仕事だって高をくくっていましたが、甘くはありませんでした。

 夜が明ける前に起きて、誰よりも遅く寝ること。
お風呂は一番最後に入って風呂掃除も行なうこと。
 毎日トイレ掃除をすること。
 時間を問わず、お酒や煙草の使い走りをすること。
 主人の手荷物を持って三歩下がって歩くこと。
 主人の脱いだ靴を揃えること
勝手な外出は許されず、外出にはミオさんの許可が必要なこと。
 等々・・・
 そして夜は部屋の鍵を外からミオさんに掛けられます。

 『こんなのまるで奴隷だわ！』
 厳しい教育方針に根を上げて、ミオさんが鬼のように感じたこともあります。
ミオさんが憎たらしくて堪らなくなって、あたしはとんでもない暴言を吐いてしまったことも。
 「おたしは彼の奥様になるのよ！あんたなんかクビにして、追い出してやるわ！」
そんな我侭なあたしを上手に操縦して、ミオさんはあたしを一人前（まだ半人前かもですが）のメイドに仕上げてくれました。
 「ミサちゃん」
 「はい、お姉さま」
 最後には、ミオさんとあたしは、まるで仲のよい姉妹のように気持ちを通わせるようにまでなりました。
 美人でスタイル抜群、そのうえ頭脳明晰な自慢の姉。
 立場が逆になった今でも、あたしはミオさんに対して崇拝に近い尊敬の念を心に抱いています。
もしも女同士でなかったら、二人は恋人になっていたかも知れません。

 結婚式の数日前までメイド教育は続きましたが、最終日の夜、ミオさんはあたしの前で、腰をかがめながら片足を斜め後ろに下げてお辞儀をしました。
 『ロイヤルカーテシーだわ、素敵』
 普段のスカートを摘んだ略式のものではなく、相手に対して恭順の意思を示す、物語に出てくるような女性の挨拶。
あたしは、しばし見とれてしまいました。
 「ミサちゃん。これであなたは一人前のメイドとして卒業です。
 　そして、ミサちゃん、いいえ、奥様、これからはあなたが女主人で私は一介のメイドです。
 　どうぞ、私を単なる召し使いとしてご自由にお使いください」
と、うやうやしく宣言しました。

あたしはあのミオさんに一人前のメイドとして卒業を認めてもらった誇らしい気持ちと、立場が逆転することが申し訳なく思う気持ちとがない交ぜになって、思わずミオさんの胸に飛び込んで泣き出してしまいました。

ご主人さまの都合に合わせて、ご主人さま立会いのもと、月に何度かあたしがミオさんを指導の名目で調教することとなりました。
これは、ミオさんを調教することだけが目的ではなく、あたしが、ご主人さまの留守を預かる立派な女主人となるよう教育するためでもあるそうです。
そして、今日はあたしが初めてミオさんを調教する日。
 先月まで見習いメイドだったあたしにとって雲の上の存在だったミオさんを、逆にあたしが調教するなんて、ちょっと不思議な気持ちです。

ミオさんは鞭を捧げ持ってあたしの前に跪きます。
 「本日はご指導よろしくお願いいたします」
あたしは鞭を受け取り、ミオさんに命令します。
 「鞭にキスしなさい」
 鞭の先にキスした後、頭を床に伏せるミオさん。
ちょっとした優越感を感じます。そう、子供のころ遊び友達に勝ったときのような。
あたしはミオさんの髪の毛を掴み、ソファーへ誘導します。
ソファーの上でミオさんのスカートを捲くり、下着も下げて
「バチン」
あたしは勢いよく鞭を振り下ろしました。
 「ふぐぅ」
ミオさんが呻きます。
 『ふぐぅ』だって、それって何語なの？笑っちゃうわ。あたしは少し愉快になってきました。
スパンキングの後も調教を続けます。
 往復ビンタの後、涙ぐんでうつむくミオさんがかわいい。
あたしは気分が乗って来ました。
あたしの鞭のペースで、狙い通りにミオさんが反応します。
ミオさんの嬌声のような悲鳴。
跪くミオさんの背中をここぞとばかり鞭打ち、・・・
 なんだか楽しい。もしかして男の人もオンナを調教するときって、こんな風に感じるのかしら・・・

「ストップ！やめろミサ！」
ご主人さまの制止の声。
 気がつくと目の前には息も絶え絶えとなったミオさん。
あたしったら、なんて酷いことを・・・

 ミオさんを抱き寄せ、あたしは必死に謝りました。
 「いいえ、奥様。メイドに謝ってはいけません。メイドはすぐ付け上がるものです。
 本日は、いたらない私をご指導いただき、ありがとうございました。
またいつでも奥様がお気が召すときに、どうぞ私をご指導ください」
もう、見ていられません。あたしは泣きながらうわ言のように謝り続けました。

その夜、あたしは初めてご主人さまに本格的に鞭うたれました。
 初夜のように撫でるような甘い鞭ではなく、空気を切り裂くような鞭。
 「ふぐぅ、うぎぇ、ぐはぁ」
たった三回の鞭であたしは身動きが取れなくなりました。
ミオさんはこんなつらい思いをしていたんだわ。
それでもミオさんは、あたしに女主人のあり方を身をもって教えてくれた。
そしてご主人さまはそれをあたしに気がつかせてくれた。

ありがとうございますご主人さま。
そして、ありがとうございますミオさん。あたしの大切なお姉さま。