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惹かれて⑤
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とりあえず憂くんと家に帰ってきた。お酒でベタベタするし、さすがにこのまま帰すのは心配だったから。
知り合ったばかりで家に呼ぶの気まずいかなとか考えたけど、あっさり了承してくれてホッとした。
「どうぞ~あ!ごめん、ちょっと散らかってるけど…」
「うん、お邪魔します」
2人で玄関に入って、先に靴を脱いだ僕は床に散らばっている本やら服やらをかっさらって1箇所にまとめた。
「憂くん、先にシャワー入ってきなよ。髪の毛も洗った方がいいし…服は僕の貸すから」
「…ありがとう」
「はい、これタオル。服は洗濯しちゃっていい?」
「うん」
「シャンプーとかボディソープとかも置いてあるやつ使っていいからね」
「ありがとう」
バスタオルを受け取った憂くんはお風呂へと入っていく。シャワーの水音が聞こえてきて、僕も洗面所で簡単に顔と手を洗った。
なんか、事故とはいえ信じられない。憂くんが僕の家でお風呂入ってるなんて。
「ベタベタ…とりあえず脱ご」
着ていたTシャツを脱ぎ捨てて、洗面所のカゴへ入れる。それにしてもさっき絡んできた人達、きっとクラブ絡みの人達だよな。女の人には一緒に行こうって誘われてたし。
あんまり、いい付き合いとは言えない気がする…。憂くんが楽しいならそれでいいけど、楽しそうには見えないし…。それにどちらかと言うと身の危険を感じる。
ガラッ
「あっ…」
「お風呂、ありがとう」
上を脱いだまま、ソファに座ってあれこれ考えていたら、憂くんが温かい湯気と一緒にお風呂から出てきた。
さっきのアルコールの匂いも消えて、代わりに体からは僕と同じシャンプーと石鹸の匂いがする。
「あ!Tシャツ大丈夫?ちょっと小さいかな…」
「大丈夫だよ」
ポタポタと髪から雫を垂らしながらタオルで頭を拭く姿に、つい見入ってしまう。僕のTシャツも少しぴったり気味だし、意外と体格いいんだ。
「叶羽くんこそ、何も着てないけど」
「あ!!ああ、そうだった」
何となく、落ち着け。自分。
知り合ったばかりで家に呼ぶの気まずいかなとか考えたけど、あっさり了承してくれてホッとした。
「どうぞ~あ!ごめん、ちょっと散らかってるけど…」
「うん、お邪魔します」
2人で玄関に入って、先に靴を脱いだ僕は床に散らばっている本やら服やらをかっさらって1箇所にまとめた。
「憂くん、先にシャワー入ってきなよ。髪の毛も洗った方がいいし…服は僕の貸すから」
「…ありがとう」
「はい、これタオル。服は洗濯しちゃっていい?」
「うん」
「シャンプーとかボディソープとかも置いてあるやつ使っていいからね」
「ありがとう」
バスタオルを受け取った憂くんはお風呂へと入っていく。シャワーの水音が聞こえてきて、僕も洗面所で簡単に顔と手を洗った。
なんか、事故とはいえ信じられない。憂くんが僕の家でお風呂入ってるなんて。
「ベタベタ…とりあえず脱ご」
着ていたTシャツを脱ぎ捨てて、洗面所のカゴへ入れる。それにしてもさっき絡んできた人達、きっとクラブ絡みの人達だよな。女の人には一緒に行こうって誘われてたし。
あんまり、いい付き合いとは言えない気がする…。憂くんが楽しいならそれでいいけど、楽しそうには見えないし…。それにどちらかと言うと身の危険を感じる。
ガラッ
「あっ…」
「お風呂、ありがとう」
上を脱いだまま、ソファに座ってあれこれ考えていたら、憂くんが温かい湯気と一緒にお風呂から出てきた。
さっきのアルコールの匂いも消えて、代わりに体からは僕と同じシャンプーと石鹸の匂いがする。
「あ!Tシャツ大丈夫?ちょっと小さいかな…」
「大丈夫だよ」
ポタポタと髪から雫を垂らしながらタオルで頭を拭く姿に、つい見入ってしまう。僕のTシャツも少しぴったり気味だし、意外と体格いいんだ。
「叶羽くんこそ、何も着てないけど」
「あ!!ああ、そうだった」
何となく、落ち着け。自分。
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