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秘密共有
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「…っおい!馬鹿にしてんのか!」
「してないよ。ただ早く慣れてほしいなって。それじゃ好きな子相手に何も出来なくなっちゃうからね」
「それは、そうだけど…」
「行こっか。予鈴鳴っちゃうよ」
そうだ、日下部は早く僕がこういうことに慣れて、女子と上手く付き合えるようにしたいんだ。
じゃないと、このままじゃ雪菜さんに好きになってもらうどころか、まともに話すこともできない。
全ては、自分が雪菜さんから離れたいから…?
そのためなら、男相手に触れることも、こういうことするのも躊躇がないってか。
そんなに別れたいんだ…。
「あのさ、なんか流れで昨日の話OKしたみたいになってるけど…」
「なに?何か問題あった?」
「いや、こんなの…好きな子の彼氏に恋のキューピッドしてもらうとかやっぱおかしいし!」
「……え」
え。なんか変なこと言った?僕。
日下部は下駄箱の前で靴持ったまま、きょとんとしてる。
「ぶっっ、あはははは!!!!」
「ひっ…!なんだよ!何笑って…」
「はー…あっははは、なに恋のキューピッドって…今時そんな言い方する人いるんだね」
「え!?そ、そんなに変?」
目に涙浮かべて笑ってる。何がそんなに面白かったか分からないけど、こいつこんなに笑うんだ。
「いや…風音くんはピュアで面白いね」
「やっぱ馬鹿にしてんのか…」
「してないよ。むしろ可愛いなって思った」
「…はぁ!?男相手に可愛いとか、馬鹿じゃないの!!」
なんなのこいつ、本当に!!!
今まで見てたイメージと違って調子が狂う。
こんな思い切り笑うとか知らなかった。昨日はあんなに苦しそうな顔してたくせに。
「任せて、僕は早く雪菜と離れたいからっていうのもあるけど…風音くんの恋を応援したいとも思ってるよ」
「…っ」
「だから、変に考えなくていいよ。昨日の話OKしてくれるよね?」
そんなこと言われたら…
「…お前、この話僕以外に相談したりとかしてんの?」
「してないよ。誰も知らない。1年の時、風音くんを一目見て、もしかしてこの子になら…って思ってさ。だから昨日話しかけてみたんだけど、僕の予想通りの子で安心したから。だから初めて風音君に話した」
「なんだよそれ…」
じゃあ、僕しか知らないんだ。日下部の本当の気持ちとか、笑顔の裏にあんな冷たい闇があることとか。
「…分かった。頑張る」
「!!うん、ありがとう。もちろん数学も教えるからテストも頑張ろうね」
「うっ…!」
奇妙だ…なんて言うんだろう。この関係。
日下部は友達っていう体にしてたけど実際友達ではないだろ、これ。
「風音くん、行こう」
「…なにその手は」
「もう1回手繋ぐ練習。手繋いだことないでしょ?」
「なっ、あっある…ないけど!!今はいらない!周りに見られるだろ」
「いいよ別に」
良くねぇーーー!!!
「そ、そういうのは!!まっ、またあとで!!」
こうして、イケメンで高身長で優しい、好きな子の彼氏との不思議な秘密共有をした今日この頃。
「…ははっ、やっぱり可愛い」
「してないよ。ただ早く慣れてほしいなって。それじゃ好きな子相手に何も出来なくなっちゃうからね」
「それは、そうだけど…」
「行こっか。予鈴鳴っちゃうよ」
そうだ、日下部は早く僕がこういうことに慣れて、女子と上手く付き合えるようにしたいんだ。
じゃないと、このままじゃ雪菜さんに好きになってもらうどころか、まともに話すこともできない。
全ては、自分が雪菜さんから離れたいから…?
そのためなら、男相手に触れることも、こういうことするのも躊躇がないってか。
そんなに別れたいんだ…。
「あのさ、なんか流れで昨日の話OKしたみたいになってるけど…」
「なに?何か問題あった?」
「いや、こんなの…好きな子の彼氏に恋のキューピッドしてもらうとかやっぱおかしいし!」
「……え」
え。なんか変なこと言った?僕。
日下部は下駄箱の前で靴持ったまま、きょとんとしてる。
「ぶっっ、あはははは!!!!」
「ひっ…!なんだよ!何笑って…」
「はー…あっははは、なに恋のキューピッドって…今時そんな言い方する人いるんだね」
「え!?そ、そんなに変?」
目に涙浮かべて笑ってる。何がそんなに面白かったか分からないけど、こいつこんなに笑うんだ。
「いや…風音くんはピュアで面白いね」
「やっぱ馬鹿にしてんのか…」
「してないよ。むしろ可愛いなって思った」
「…はぁ!?男相手に可愛いとか、馬鹿じゃないの!!」
なんなのこいつ、本当に!!!
今まで見てたイメージと違って調子が狂う。
こんな思い切り笑うとか知らなかった。昨日はあんなに苦しそうな顔してたくせに。
「任せて、僕は早く雪菜と離れたいからっていうのもあるけど…風音くんの恋を応援したいとも思ってるよ」
「…っ」
「だから、変に考えなくていいよ。昨日の話OKしてくれるよね?」
そんなこと言われたら…
「…お前、この話僕以外に相談したりとかしてんの?」
「してないよ。誰も知らない。1年の時、風音くんを一目見て、もしかしてこの子になら…って思ってさ。だから昨日話しかけてみたんだけど、僕の予想通りの子で安心したから。だから初めて風音君に話した」
「なんだよそれ…」
じゃあ、僕しか知らないんだ。日下部の本当の気持ちとか、笑顔の裏にあんな冷たい闇があることとか。
「…分かった。頑張る」
「!!うん、ありがとう。もちろん数学も教えるからテストも頑張ろうね」
「うっ…!」
奇妙だ…なんて言うんだろう。この関係。
日下部は友達っていう体にしてたけど実際友達ではないだろ、これ。
「風音くん、行こう」
「…なにその手は」
「もう1回手繋ぐ練習。手繋いだことないでしょ?」
「なっ、あっある…ないけど!!今はいらない!周りに見られるだろ」
「いいよ別に」
良くねぇーーー!!!
「そ、そういうのは!!まっ、またあとで!!」
こうして、イケメンで高身長で優しい、好きな子の彼氏との不思議な秘密共有をした今日この頃。
「…ははっ、やっぱり可愛い」
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