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エピローグ
しおりを挟む年明け早々、三人から事後報告を受けた。
〈真夜中のリンリン〉さんは結局、甥っ子姪っ子にお年玉を渡した。ただ、いつももらってばかりじゃ悪いから、と弟さんと妹さんからお返しの品をもらったらしい。うん、ギブ・アンド・テイク。親しき中にも礼儀あり。
〈肉まん大好き〉くんは宣言通り、お隣さんにおせち料理をおすそ分けをして、そのまま初詣に連れだって出かけたってさ。まずはお友達からってことだよね。急いては事を仕損じる。千里の道も一歩から。
〈ベルリンの壁〉さんは、一大決心をして、実家に帰った。思い切って、お父さんに自分の気持ちをぶちまけたらしい。溜まりに溜まった思いの丈をぶつけて、気分爽快だったってさ。ちなみに、お父さんは目を白黒させていたそうな。
実をいうと、『お正月なんて大嫌い』の裏テーマは、ソロ正月を送っているリスナーを元気づけることだった。先行き不透明の時代だけど、どうか人の繋がりを大事にしてほしい。
統計によると、お正月には自殺者が多いらしい。毎年、数多くの人間が孤独につのらせて、自ら命を絶ってしまう。孤独は人を殺すのだ。いじめ自殺やパワハラ自殺も、突き詰めれば、根っこの部分に孤独が巣くっている。
リスナーのみんな、孤独に馴染まないでくれ。近くにいる誰かと繋がって、来年も再来年も、笑顔で言ってほしいんだ。
ハッピーニューイヤー、あけましておめでとうってさ。
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