ハッピーニューイヤー相談室

坂本 光陽

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〈真夜中のリンリン〉②

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「でも、リンリンさんの死活問題なら、心を鬼にしてビシッと言わないと」
「アンディさんなら言えますかぁ?」

「僕の場合、ずっと長い間、甥っ子姪っ子と顔を合わせてないからね」
「どれぐらい、会っていないんですか?」

「5年以上は実家に帰っていないな。そうだ、お年玉を渡したくないなら、顔を合わせないって作戦はどう?」
「それって、正月に別の予定を入れちゃうってことですか? 友達と旅行とか?」

「温泉とか海外に行って羽を伸ばしてきたら? 今からじゃチケットが難しいかもしれないけどさ」
「あのう、さっきも言ったように、金銭的に余裕がないんです。温泉? 海外? お年玉より、負担が大きいじゃないですか」

「はははっ、それもそうか。リンリンさんは子供の頃、お年玉をもらってうれしかったでしょ? そのお返しっていう風に考えられないかな。お金うんぬんより、人の縁を大事にした方がいいと思うよ。〈金は天下の回り物〉って言うじゃない」

「……そう、ですねぇ」
「今すぐ結論を出すことはないからさ。じっくり考えてみてよ。もし答えが出たら、またハガキかメールをちょうだい。僕、待ってるから」

「わかりました。今日はありがとうございました」
「うん、じゃあねぇ」
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