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ケダモノプレイ⑰
しおりを挟む以心伝心。僕はユウジさんの背後に回り、チョークスリーパーを見舞った。左腕を彼の首に巻きつけるようにして絞めつけたのだ。必死に足掻くユウジさんのポケットから、日名子さんはスマホを抜き出した。
「あんた、カネのためなら、身内でも平気で脅迫するもんね」
案の定、スマホには僕たちの行為が録画されていた。
さて、どうしよう? 日名子さんはスマホを水に浸す案を出したが、僕は水没から復活した例があることを指摘。完璧を期すために、徹底的に破壊する案を提示した。ユウジさんは激しく抵抗したが、僕が首に巻きつけた腕に力を込めると、大人しく眠ってくれた。
僕は一応、事務所に連絡して、レイカさんに報告した。僕たちの仕事はイリーガルだ。手が後ろに回らないために、証拠映像の流出は防がねばならない。映像は完全に抹消するつもりだし、日名子さんに落ち度がなかった。
レイカさんにそう説明すると、この件を僕に一任してくれた。
僕はスマホを手に、ベランダに出た。日名子さんと僕の行為は、他人を楽しませるためのものではない。保存していいのは、唯一、日名子さんの心の中だけだ。
薄汚れたデータを完全に破壊するために、僕はスマホをコンクリートの上に置いて、何度も金槌を振り下ろした。
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