テレビハラスメント

私腹を肥やすＰ②

　当時、構成作家は国税の訪問を受けて、Ｐの偽造した領収書を見せられました。驚いたことに、Ｐは勝手に構成作家の名前を書き込んでいたのです。構成作家は、筆跡が明らかに異なる領収書を前に、「自分が書いたものではないです」と言うしかありませんでした。

　それがＰの不正を決定づけたとは断言できませんが、構成作家は罪悪感をもったといいます。また、二人ともＰに迷惑をかけられたのに、彼を加害者ととらえていないことが印象的でした。彼らの態度と口振りから、「他にも同じことをしている連中は一杯いるのに、発覚してしまうとは、Ｐは運が悪い」と、考えていることが、ありありとうかがえました。

　確かに、Ｐの不正は氷山の一角にすぎず、私腹を肥やしている業界人が、数多く潜んでいることは、想像に難くありません。業界の常識外れでずさんな金銭感覚と甘い体質が、Ｐの不正行為を生み出したと言えます。

　現場はチマチマと経費削減をしているのに、上層部の一部は不正に走っているのです。このような事件が起こる度、僕たち契約社員は、バカにされたような気分になります。考えるだけ時間の無駄なので、最近は気にしないようにしていますがね。