テレビハラスメント

坂本 光陽

文字の大きさ
上 下
36 / 41

困ったリサーチャー 口先くん

しおりを挟む

 女性リサーチャーの逞しさの一方で、男性リサーチャーはひ弱さが目立ちます。真剣さに欠けて、打たれ弱い上に、すぐ泣き言をもらす。積極的に前に出て自己主張を行う、という気迫が足りないのです。

 その男性リサーチャーを例えば、Fくんとしましょう。彼は妻子持ちなのに生活力に乏しく、いまだに親に仕送りをねだっています。

 Fくんの仕事に対する姿勢は、褒められたものではありませんでした。担当番組は必ず見るべきなのに妻から「テレビの音をうるさい」と言われたので見ていませんと弁明し、ネタを自分の頭で考える前に新人リサーチャーに面白いネタをねだる、といった具合です。

 人当たりの良さとムードメーカーぶりで幾分カバーしているのですが、その軽さがルーズさと直結しているので、周囲からは信頼されません。僕は何度も注意したのですが、Fくんの行動は改まりませんでした。その結果、ほとんどの仕事を失ってしまいました。

 ちなみにF君は、前述の「困ったリサーチャー」、B子さんの弟分です。二人の共通点は、作家志望であること。さらに「直木賞を狙う」「芥川賞は俺のもの」などと、恥ずかしげもなく、大きな夢を口にすることが挙げられます。

 時には、ハッタリも必要でしょう。しかし、テレビの仕事も執筆活動も、実際には孤独で地味な作業の積み重ね。謙虚に粘り強く、取り組まねばなりません。なのに、彼らは多忙を理由に、何も書き出さない。いわゆる「いうだけ番長」です。彼らはどこか無責任であり、安心して仕事を任せることができません。

 そんなこともあり、僕は大言壮語の業界人と出会うと、頭の中で「要警戒」の赤ランプが点滅するのです。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

天涯孤独のアーティスト

あまゆり
エッセイ・ノンフィクション
はじめに… 自分自身の波瀾万丈の人生を書いてます。 こんな生き方も参考にしてください。 学もない私が書いていきますので読みづらい、伝わりづらい表現などあるかもしれませんが広い心でお付き合い頂ければと思います。 平成や令和の方などには逆に新鮮に思えるような昭和な出来事などもありますので不適切な表現があるかもせれませんが楽しんでもらえたらと思います。 両親が幼い頃にいなくなった私 施設に行ったり、非行に走ったり 鑑別所や、少年院に入ったり 音楽を始めたり、住む家がなくフラフラして生きて、いつの間にか会社を経営して結婚して子どもが生まれたり、女装を始めたり こんな生き方でも今生きている自分がいるってことを伝えたいと思います。 過去を振り返ることで今の自分が怠けずに生きられているのか、自分を見つめ直すことができるので頑張って書いていこうと思います。 この物語に出てくる登場人物は本人を除いて一部の人は仮名で表現しております。

実はおっさんの敵女幹部は好きな男と添い遂げられるか?

野田C菜
エッセイ・ノンフィクション
Life is color. Love is too.

後悔と快感の中で

なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私 快感に溺れてしまってる私 なつきの体験談かも知れないです もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう もっと後悔して もっと溺れてしまうかも ※感想を聞かせてもらえたらうれしいです

平成元年カナダ・バンクーバー行き

イマガーDC
エッセイ・ノンフィクション
前書き その2 “福岡国際空港” 昨日から平成元年にタイムスリップしている。この時は昭和天皇崩御でとにかくえらい騒ぎだった。自粛ムードの真っ最中、名だたるテレビ番組は退屈で、僕もレンタルビデオ屋に走った。人気の作品は貸し出し中の札ばかりで、中に見つけた“ウエルター”という邦画(もう、この言い方も古いのかな)を借りて楽しむ。案外面白かった。実はカナダに行くまでにセルフディフェンスというか、何か格闘技を経験した方が良いだろうと小倉高橋ボクシングジムに通った。自分のペースでトレーニングが進められ、学生時代のような集団練習でないところに惹かれてボクシングを楽しんだ。その経験もあったせいか、現役のプロボクサーが演じた役はリアリティにあふれ興奮した。 さて、僕はというとカナダはおろか外国に出たこともなく航空券を買うのも大学を出た友人に頼った。わざわざ福岡市の生協関連の旅行代理店を紹介してもらい大韓航空の1番安いチケットを買ったのだった。今思えば小倉でも買えたのだろうが、高速バスで行った博多は随分都会に感じられた。その時にワーキングホリディの説明会に参加した気がする。そこから、週刊プロレスに宣伝が載っていたバッシュ=Troopのコブラという靴を買う。生活したバンクーバーではスケボー少年たちからよく履いているバッシュの銘柄を聞かれた。結果、それから5年ほどを履いてボロボロになってから捨てた。 福岡空港へは両親に送ってもらう。航空機に乗り込んでからも両親の姿が見えた。分からないとは思ったがMA-1を裏返してオレンジの色を窓に押し付けてここにいる事を示した。1年後に帰国して聞いたが全く覚えていない、との事で可愛がっていた犬にも死ぬほど吠えられた。こいつ(モモ)も僕も覚えていなかった。僕は少し泣いた。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【ブログ】桜の呼吸

黒子猫
エッセイ・ノンフィクション
私の日常にまつわることを書いたブログです。 現在は完結していてブログ第2章を「私のブログ」で綴っています↓ 【私のブログ】 https://www.alphapolis.co.jp/novel/180758681/536561539

お遊び用AIイラスト集(短編の寄せ集めでフレーバーテキスト風味)

ルシェ(Twitter名はカイトGT)
エッセイ・ノンフィクション
AIイラストを出力して短文書きます。 フレーバーテキスト的なやつ。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

処理中です...