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困ったリサーチャー 口先くん
しおりを挟む女性リサーチャーの逞しさの一方で、男性リサーチャーはひ弱さが目立ちます。真剣さに欠けて、打たれ弱い上に、すぐ泣き言をもらす。積極的に前に出て自己主張を行う、という気迫が足りないのです。
その男性リサーチャーを例えば、Fくんとしましょう。彼は妻子持ちなのに生活力に乏しく、いまだに親に仕送りをねだっています。
Fくんの仕事に対する姿勢は、褒められたものではありませんでした。担当番組は必ず見るべきなのに妻から「テレビの音をうるさい」と言われたので見ていませんと弁明し、ネタを自分の頭で考える前に新人リサーチャーに面白いネタをねだる、といった具合です。
人当たりの良さとムードメーカーぶりで幾分カバーしているのですが、その軽さがルーズさと直結しているので、周囲からは信頼されません。僕は何度も注意したのですが、Fくんの行動は改まりませんでした。その結果、ほとんどの仕事を失ってしまいました。
ちなみにF君は、前述の「困ったリサーチャー」、B子さんの弟分です。二人の共通点は、作家志望であること。さらに「直木賞を狙う」「芥川賞は俺のもの」などと、恥ずかしげもなく、大きな夢を口にすることが挙げられます。
時には、ハッタリも必要でしょう。しかし、テレビの仕事も執筆活動も、実際には孤独で地味な作業の積み重ね。謙虚に粘り強く、取り組まねばなりません。なのに、彼らは多忙を理由に、何も書き出さない。いわゆる「いうだけ番長」です。彼らはどこか無責任であり、安心して仕事を任せることができません。
そんなこともあり、僕は大言壮語の業界人と出会うと、頭の中で「要警戒」の赤ランプが点滅するのです。
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