テレビハラスメント

坂本 光陽

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お局と新人の戦い①

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「女性の敵は女性」といいますが、リサーチャーの間でも、OLのような戦いが展開しています。いわゆる「お局と新人の戦い」というやつです。

 この業界は出入りが激しいので、事務所の中堅だけど20代前半とか、30代のベテランだけど制作会社に入ったばかりなど、社内の上下関係は微妙です。そのため、最初はお互いに、ギクシャクした敬語を使い合うことになります。

 ある30代の女性は、落ち着いてくると、説教癖という一面を見せました。年下の非常識を目の当たりにすると、黙っていられないのでしょう。ただ、彼女の説教癖は、明らかに度を超えていました。彼女の名前を仮に、E子さんとしましょう。

 E子さんは、リサーチ能力は人並みですが、愛想がない上に、典型的な「自分に甘く、他人に厳しい」タイプでした。自分は寝坊をした際、「図書館に寄ってから出社する」と事務所に嘘の電話をかけてくる癖に、新人の女性リサーチャーが同様の電話をしてくると、「××という本を借りてきて」と、図書館に行った証を求めるのです。

 また、自分は局での仕事中に居眠りしてしまい注意されたというのに、女性の新人さんが局のデスクで漫画雑誌を読んでいただけで、ネチネチと説教をします。未熟な新人だからこそ教育しなければならないのに、新人さんの失敗ばかり追及して文句を並べるのです。

 新人さんも新人さんでした。E子さんに対する不平不満を同期のリサーチャーにメールするはずが、誤ってE子さん本人に送ってしまったのです。新人さんは表面上、平然としていました。元々気が強いので、二人の関係は均衡状態にありました。

 もっともE子さんは、問題のメールが意図的な嫌がらせではと勘繰り、静観していたらしいのですが。
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