テレビハラスメント

坂本 光陽

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男と女の事情①

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 業界人は、不規則な生活を強いられます。リサーチャーはそうでもないのですが、DやADにはオンエア前の編集地獄があります。連日徹夜も珍しいことではありません。

 消耗した神経とストレスは、発散場所を求めます。そんな時、宇宙船のコクピットのような狭い編集ブースの中は、Dと女性ADの〈愛の巣〉になったりします。

 いきなりドアを開けたら、Dの腰にADがまたがっていた場面に出くわしたこともありました。鍵くらい閉めておけばいいのに、それとも誰かに見つかるかもしれないスリルを楽しんでいたのでしょうか。

 そのほか、部外者立入禁止のタレント控え室から悩ましげな声が漏れ聞こえたとか、スタジオ用の書割かきわりや小道具などを保管する倉庫でセクシーな下着が見つかったとか、そんな噂も耳にします。

 女性スタッフの悩みとしては、まずセクハラが挙げられます。テレビ業界は男社会なので、セクハラ対策は一般の会社よりかなり遅れています。

 某テレビ局では、幹部社員が新人秘書にセクハラをしたのですが、彼には実績と強いコネクションがあるために不問、逆に訴えた秘書の方が辞めさせられました。後に、週刊誌が騒ぎ出しても、お茶をにごしたような処分を与えて、ほとぼりが冷めたらあっさり復職です。これではセクハラ対策が進むはずがありません。

 知り合いの女性脚本家も、新人の頃にセクハラを受けました。彼女は若くてルックスとスタイルにめぐまれています。ホステスなどの水商売の経験があり、人当たりがよいため、そのあたりを付け込まれたのかもしれません。
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