テレビハラスメント

坂本 光陽

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困ったリサーチャー B子さんの場合①

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 業界には、エキセントリックというか、いわゆる「困った人」がいます。

 仮に彼女のことを、B子さんとしましょう。若い頃の彼女は、地方の農家に嫁ぎました。しかし、子供ができないことを姑から責められ、夫にもかばってもらえず、辛い日々を送ったそうです。結局、彼女は離婚しました。

 B子さんは上京して、職業を転々とした後、リサーチャーになりました。彼女は有能でした。仕事の飲み込みも早いし、姉御肌あねごはだでリーダーシップもあるし、ムードメーカーでもあります。ただ、一つだけ欠点がありました。

 B子さんは感情の起伏が激しく、時折ひどいヒステリーを起こすのです。

 例えば、ADのミスで迷惑をかけられた場合、「あいつ最低! 絶対許せない!」と騒ぎ立てます。そんな時、彼女の脳裏には、過去に受けてきた酷い仕打ちが蘇るのでしょう。彼女の口からあふれ出すのは、明らかにAD君とは無関係な事柄なのです。

 姑から言われた小言や、先輩から言われた陰口、自分を騙していた上司、とにかく自分がこんな辛い目に合った、という事例をこれでもかと列挙。その責任がAD君にあるかのように、一緒くたにして文句を並べ立てるのです。
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