18 / 41
リサーチャーの独り言
しおりを挟む前にも述べたように、僕はリサーチという仕事をしています。テレビ番組の制作に必要な一切合財の情報収集、という仕事です。
駆け出しの頃は本当に悲惨でした。鬼のようなPやDから、口では言えないような理不尽な扱いを受けていました。低視聴率で打ち切りになったバラエティ番組に参加していた時、こんなことを言われました。
「視聴率がとれないのは、面白いネタを探せないリサーチャーのせいだ」
と、僕を名指しで責め立てたのです。すべての責任を立場の弱いリサーチャーに押し付ける。いわゆる、スケープゴートにされたのです。満足なリサーチ結果を出せなかったことは事実なので、僕は何も言い返しませんでした。
本音を言えば、PやDの発注内容が無謀なのです。彼らが探してこいと言ったのは、
「女房に尻に敷かれていて月一万円以下の小遣いで過ごしている旦那」とか、
「ペットの食費だけで月百万円以上を費やしている金持ち夫婦」とか、
「デイトレーディングで年間数千万の利益を上げている不登校学生」とか、なのですから。
しかも、時間がないから半日で見つけ出せ、と言うのですから無茶苦茶です。一億円宝くじが当たるほど、ツキがなければ見つかりません。そして、見つけられなければ、罵詈雑言の嵐。その上、さらに無茶な発注を言い出す始末です。まさに、悪夢の悪循環でした。
そんな時、リサーチに関することならまだしも、態度が悪いだの言葉遣いがなってないだの、人格まで否定されたりします。こちらに弁明の余地は与えられません。
ある時、僕は達観しました。
リサーチの仕事で褒められてもけなされても、一喜一憂をしないぞ、と。
命をとられるわけじゃないのだから、ボロクソに言われても右から左へと聞き流す。
もし褒められても、相手が認めたのは結果だけであって、僕には無関係、それを誤解して舞い上がったりしない。
クールすぎますかね、こんな考え方。
まぁ、仕事内容は番組やスタッフが変われば違いますし、悪い現場もあれば良い現場もあるということです。そこで、他のリサーチャーの話も聞いてみることにしましょう。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
天涯孤独のアーティスト
あまゆり
エッセイ・ノンフィクション
はじめに…
自分自身の波瀾万丈の人生を書いてます。 こんな生き方も参考にしてください。
学もない私が書いていきますので読みづらい、伝わりづらい表現などあるかもしれませんが広い心でお付き合い頂ければと思います。
平成や令和の方などには逆に新鮮に思えるような昭和な出来事などもありますので不適切な表現があるかもせれませんが楽しんでもらえたらと思います。
両親が幼い頃にいなくなった私
施設に行ったり、非行に走ったり
鑑別所や、少年院に入ったり
音楽を始めたり、住む家がなくフラフラして生きて、いつの間にか会社を経営して結婚して子どもが生まれたり、女装を始めたり
こんな生き方でも今生きている自分がいるってことを伝えたいと思います。
過去を振り返ることで今の自分が怠けずに生きられているのか、自分を見つめ直すことができるので頑張って書いていこうと思います。
この物語に出てくる登場人物は本人を除いて一部の人は仮名で表現しております。
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【ブログ】桜の呼吸
黒子猫
エッセイ・ノンフィクション
私の日常にまつわることを書いたブログです。
現在は完結していてブログ第2章を「私のブログ」で綴っています↓
【私のブログ】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/180758681/536561539
お遊び用AIイラスト集(短編の寄せ集めでフレーバーテキスト風味)
ルシェ(Twitter名はカイトGT)
エッセイ・ノンフィクション
AIイラストを出力して短文書きます。
フレーバーテキスト的なやつ。
note:わけなかったわのネタ帳
八木山
エッセイ・ノンフィクション
【プロフィール】色竜(梅田蔡葉)とは
♡26
◆自己紹介
24歳女。都内に住む枯れた事務職。
社会人漫才コンビ「わけなかったわ」のツッコミとしても活動しています。
地元神奈川を飛び出して東京で生活すること早8年経つが、毎年お盆には実家に帰ります。
2022年、ラッパーのSKRYUのライブ終わりにナンパしてきた男と社会人漫才コンビ「わけなかったわ」を組んでます。
ジンジャーエール、豚コマ、ニンジン、ジャガイモ、ジャワカレー。
休日はネタを書いたり、漫才ライブに行ったりしています。
◆最近の仕事
2024/07/27 笹熊幸信のYUKIROCK TV 「この男女芸人がすごい2024夏」出演
◆note(ここ)の開設理由
SNSの文字数だと収まりきらない愚痴の掃きだめが欲しかっ
た。
あと、遊ぶ金が欲しかった。
悪意はなく、こういう結果となったことは反省はしている。
◆有料マガジンのご案内
そんなもんねぇよ。マガジンよりもジャンプ派です。
◆相方のSNS
X:@etad_enumasam
※画像はmicrosoft image createrを使っています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる