テレビハラスメント

坂本 光陽

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プライベートもネタにする構成作家④

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 このA氏が陥った状況が理解できれば、とある大物女性タレントたちが離婚しながら、その後、なぜか元鞘もとさやにおさまった理由も見えてきます。彼女たちもA氏と同様、配偶者よりも年収が多いため、財産分与で苦労していたのです。A氏の場合は夫婦期間が一年でしたが、それが五年、十年となればどうなるでしょう。彼女たちはとても払いきれません。最初は頑張って支払っていますが、やがては力尽き、形だけの復縁をして、仮面夫婦を演じる道を選ぶしかなかったのでしょう。

 話はA氏に戻ります。彼は当初、妻の浮気で傷ついたため、仕事を減らして休むつもりでした。しかし、年収が半分になってしまっては、走り続けなければなりません。

 A氏は元妻と、時々テレビ局で顔を合わせます。少しは後ろめたさを感じているのか、彼女は局の食堂で昼食をおごってくれるそうです。A氏はもちろん、お礼を言いますが、ある時、ハッと気づきます。

「おまえのその金は、俺の財布から出ているんだぞっ!」

 しかし、周囲の目を気にしたA氏が、そのセリフを吐くことはありませんした。
 こんな悲惨な状況すら、ネタとして会議の席上で披露し、大きな笑いの渦を巻き起こすとは、A氏はまさに構成作家の鑑であるといえるでしょう。
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