テレビハラスメント

坂本 光陽

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「ヒットラー」と呼ばれるプロデューサー①

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 テレビ業界人は、気分屋が多いようです。

 視聴率が目標にとどかないと、戦犯探しに躍起になるプロデューサー(P)。自分の思うようにいかないと、不機嫌になるディレクター(D)。まるでままで自己中心的な子供です。そういうタイプの人は普通の会社でもいるとは思いますけど、業界には特に多いように感じます。

 番組責任者は大抵、Pになります。Pの人柄によって、会議の雰囲気はガラリと変わります。ネタ選びや演出方法はスタッフに任せて自分は業界の噂話やセクハラトークに終始するP。スタッフの案を無視して何から何まで一人でガチガチに決めるP。人それぞれのカラーがあります。

 ある長寿番組のPは、独裁者タイプでした。取り上げるネタの可否は彼の独断でしたから、DやADは陰で「ヒットラー」と呼んでいました。例えば、あるスタッフが会議で強行に推して採用になりかけても、Pの一言でボツになってしまうのです。
 誰も反論などできやしません。スタッフ一同、右にならえ。まさに鶴の一声です。

 しかも、このヒットラー、かなりひねくれたところがあって、人を二階に上げといてハシゴを外したりするのです。
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