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迷走リサーチ④

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「さぁ。答えは一つじゃないし、他人から与えられるものでもない。
「何でも尋ねれば親切に教えてもらえる、と思ったら大間違いだよ。
「ミルコ自身が考えて行動を起こさないと、何の意味もないからさ」

 真希さんの言葉が、私は胸にグサグサ突き刺さる。
「遠まわしな言い方じゃ伝わらない恐れがあるから、厳しい言い方をしたよ。
「ついでにもう一つ。ミルコは、自分が周囲からどう見られているか、もっと気にした方がいい。仮に仕事ができなくても、周囲と良い人間関係を築いていたら、救いの手を差し伸べる人がいるもんだよ」

「……」

「ミルコの場合は、それが皆無。あいつは意外と見所があるとか、急ぎの仕事を手伝ってくれたとか、誰も言ってくれない。せめて周囲に愛嬌あいきょうをふりまいたり、可愛がられるように努力してくれたりしてくれたら、まだ救いがあったのにな。って今更言っても遅いか。いろいろ言ったけど、この業界のやり方になじめないなら、転職することを勧めるね」

「……」

 話の途中に運ばれてきた唐揚げ定食は、すっかり冷えてしまった。食欲も失せていたけれど、働くには栄養が必要だ。私は無理して胃袋に押し込んだ。


 さて、落ち込んでいる暇はない。なすべきことは一つである。私はひたすら電話をかけまくった。
 心霊特集をよく取り上げている雑誌の編集部、オカルトグッズの専門店、心霊実録物のライター、などなど。

「若くてハンザムな霊能者、御存知ごぞんじないですか?」

 案の定、このクソ忙しい時に何いってんだ、そんなの知らねぇよ、といった反応ばかり。
 ああ、糸口、イケメン霊能者につながる糸口が見つからない。
 大体、イケメン霊能者ってカテゴリーが、あいまいなんだよね。
 イケメンの基準なんて人それぞれだし、霊能者となるとますますワケがわからない。

 はは、探しているくせに、私自身、霊能者なんて信じていないし。
 あれ、だから、見つからないのかな、ひょっとして。

 と、毒島Dがこっちを睨んでいることに気がついた。
 催促されないことをいいことに、この一週間、何も報告していない。
 今こっちに来られたら、まずいなぁ。といった予感は必ず的中する。
 毒島Dが怖い顔をして、のっしのっしとやってきた。
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